#628 (I473) 搭乗履歴 国内線➢国際線 スライド運用 - 中国国際航空(エア チャイナ) 口コミ・評価

航空会社 中国国際航空(エア チャイナ)

2024年03月19日に撮影された中国国際航空(エア チャイナ)の航空機写真

© Abramsさん

中国
IATA | ICAO
CA | CCA

搭乗レビュー
#628 (I473) 搭乗履歴 国内線➢国際線 スライド運用

航空会社
中国国際航空
便名
CA977
エコノミー
搭乗日
2017/01
路線
厦門 → ジャカルタ
機体記号
B-5179
機材
Boeing 737-86N
総評:3
3ッ星
機内食・ドリンク
3ッ星
座席(シート)
2ッ星
機内スタッフサービス
4ッ星
エンターティメント
2ッ星
トイレ・洗面台
無評価
機材コンディション
2ッ星
地上サービス
3ッ星
口コミ投稿者
westtowerさん
アクセス数
594
投稿日
2017/04/03

搭乗写真

  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    搭乗機 CA B-5179 B737... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    ジャカルタ行きのPaxも一旦降機、エ... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    CA ボーディングパス
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    ジャカルタを漢字で書くと...中国表... 続き
  • 写真の種類:機窓・風景
    廈門高崎国際空港 [XMN/ZSAM... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    CA B-5179 B737-86N... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    CA B-5179 B737-86N... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    CA Yクラス 機内食(開封前)
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    CA Yクラス 機内食
    白身魚の甘酢... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    CA Yクラス 機内食
    白身魚の甘酢... 続き
  • 写真の種類:機内エンターティメント・アメニティ
    CA 機内誌 “中国之翼” 2017... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    CGK到着、中国機によく見る殺気立っ... 続き

総評

【リマークス】
国航(CA)で北京➢廈門➢ジャカルタと飛ぶ。
北京➢廈門の中国国内線登用の機材 B-5179 (B737-86N)がそのまま国際線へスライド運用されジャカルタへ。
定刻にチョックアウトしたまでは良かったが離陸まで54分を要す。結局到着は38分遅れ。
【搭乗クラス】Y
【座席(シート)】33A
【機材番号】B-5179
【機材】B737-86N
2006年12月 初飛行、2007年01月 CA登録、2017年01月現在現役続行中
【航空フォト】http://flyteam.jp/photo/2158414
【エンジン】2 x CFMI CFM56-7B26
【機材コンディション】使用に問題ないがシート地の擦れや色落ちあり
【出発時刻】19:10
【機内食・ドリンク】白身魚の甘酢餡かけライス
【機内スタッフ】失礼ながら意外にフレンドリー
【エンターティメント】機内誌 “中国之翼”
【トイレ・洗面台】不使用
【空港サービス】ジャカルタ行きのPaxも一旦降機、エアサイドの国際線乗り継ぎCIQにて出国手続きを行う変則パターン
【区間マイル】2,253

コメント

  • 2017/04/04 18:39:18

     westtower様

     たびたびすみません、HB-JMBでございます。

     「国内線から国際線へのスライド運用」というパターンは、最近日本周辺では見かけないものの、一昔前?には以下のような状況では割とよくあったように思われます。
    1.米系キャリアが太平洋線を拡大したが、航続距離がそれほど長くない機材しか手持ちがなかったという1990年代。つまりDL(もちろんNW吸収前)がAAが難産のといわれる日米航空協定の合意を受け日本路線就航権を獲得したが、機材がトライスター(DL)やDC-10(AA)しかなく、西海岸~日本のノンストップ運航がやっと(ロッキー山脈の東側から日本へのノンストップ運航が厳しかった時代)の頃には割とよくあったと言われています。
    2.長い航続距離の航空機で安定的に運航できるようになったからも、米国内線~日本発着国際線~日本発着以遠権国際線が同一便名で運航(ただし、米国内線から日本発着国際線に変わるときに機材は変更になるパターンは多かったとされる)というパターンは米系で日本発着以遠権を行使できたキャリアには割とよくあったと言われています。ただし、同一機材で米国内線~日本着国際線を運航した例もあり、NWのラスベガス発ロサンゼルス経由成田行きは典型的です。これはラスベガスの標高による離陸性能低下のため、ジャンボ(たしか最後はダッシュ400も使われていたと思いますが、それでも)ラスベガスからでは成田までの燃料を搭載した状態の離陸重量、当該空港の滑走路長では離陸ができないための措置だったようです(ちなみに成田発ラスベガス行きはノンストップ運航)
    3.余談ですが、JALで成田~コナ線を新規開設したころ(たしか1990年代後半だったか。在来型ジャンボで就航だった気が)、復路のコナ発便はホノルル経由での運航で、これもホノルルで形の上では内際変更だったと思われます(ただし、コナ~ホノルル間は当然単独で航空券は買えず、ホノルル降機の扱いは確か成田までの航空券を有する乗客の途中降機のみだったはずです)
     なお、上記1.~3.のパターンは経由地では一般的にはステイオンボード(機内待機)はできず一旦飛行機を降ろされるのですが、アメリカでは出国審査がないため、westtower様のように出国審査はなかったはずです(ただし、アメリカ出国カードI-96やI-96Wが途中経由地で係員に回収されず、パスポートにくっついたまま成田にでも来ようものなら一大事、つまり、次入国するときにはアメリカを出国してないことになるので入国審査でひと悶着ということはあったりするのでI-96をアメリカにいるうちに航空会社職員に回収してもらなくてはいけないと気を使うので油断禁物だったようです)
     そのほかにはかつてアエロメヒコのメキシコシティー発成田行きでティファナ経由で運航していた際には(メキシコシティーの標高によりエンジン性能が落ちることにより、成田までの離陸重量では性能上離陸できないための措置。NWの成田~ラスベガス線と同じ理由)、メキシコシティー~ティファナ間のみの国内線搭乗はできなかったとこまでは記憶があるものの、メキシコシティーで出国審査だったかティファナで出国審査だったかの記憶があいまいなので、これももしかするとwesttower様の遭遇したような事例と同じ運用だったかもしれません。

     日本の場合、外国航空会社が成田発関西経由で運航している国際線は割と事例があるものの、この場合は基本的には成田~関西間の搭乗はできず、国内区間も国際線扱いで飛行するため、経由地の関西では出入国審査を行わないパターンが多かったようです。なお、関空でステイオンボードか一旦降機を求められるかはさまざまだったようです。このパターンでの運航があるキャリアと路線を挙げると
     1.カタール航空 成田~関西~カタール(往復)。成田のスロット制約と日本とカタール間の航空協定の関係で、このような運航になっていたようです
     2.ルフトハンザ航空 成田~関西~フランクフルト 羽田ではA380の運航は夜間しかできないため、いざというときにA380を運航できるよう(特に2020年のオリンピック対応と言われている)成田のスロットを維持するため、ミュンヘン線とフランクフルト線を羽田に移管させた後に就航(もちろんいわゆる成田縛りもその理由とは言われているところではあります。ただし、2017年夏ダイヤの途中から成田便は休止で合意できた模様)
     3.エアタヒチヌイ 成田~関西~パペーテ 2002年のB滑走路暫定供用で成田のスロットを得て増便したが、B滑走路で離着陸しなくてはならないという制約から関西経由での運航を行った。2008年頃にこのような形態ではなくなった模様。
     成田発着関西経由の国際線は2002年のB滑走路暫定滑走路供用時に新たに配分されたスロットは、2180mしかない当時のB滑走路での離着陸を行わなくてはならないという制約がついているものが大半だったため、滑走路が2500m化する2009年あたりまではエアタヒチヌイ以外でもこうした運航形態の航空会社が他にあったようです(ウズベキスタン航空のタシュケント~成田~関西~タシュケントの三角運航など)
     変わったところでは、ハワイアン航空のホノルル~仙台~札幌~ホノルルの三角運航における仙台~札幌間も上記の成田~関西区間と似たような扱いだったと記憶しております(正確な時期は忘れましたが、数年前にハワイアン航空が仙台乗り入れを中止したことでこの形態では運航されなくなったはずです)
     逆に国際線から国内線にスイングするパターンにも面白い形態のものはいろいろとあるようですが、こちらもいろいろ事例があり、それを全部書いてると本題から逸れそうなので、国内線から国際線のスイングのみの書き込みにさせていただきます。

     余談ばかりで恐縮ですがご参考までに。HB-JMB

  • 2017/04/05 09:58:30

    westtower様

     たびたびすみません、HB-JMBでございます。

     日本の場合の有名な事例を1つ書き忘れていました。
     ANAがかつて(正確にいつからいつまで運航していたという記憶がないのが恐縮ですが・・・)全席ビジネス仕様のB737-700ERで飛ばしていた成田~ムンバイ線のムンバイ行きが抜けていました。
     といっても、このパターンは成田で出国審査ののち、長崎(のちに福岡)で燃料補給のためだけの技術着陸を行ってムンバイに向かうというパターンなので、westtower様の事例とはちょっと違うようですが、有名な例なので書き足しました。

     この場合技術着陸の扱いなので、長崎(あるいは福岡)ではステイオンボード(機内待機)のまま燃料補給を受けてそのまま出発していくというパターン(ただし、届出上の長崎あるいは福岡の到着および出発時刻の設定はされていたものと推測)と思われるので、国際ターミナル待合室にトランジットカードを持って一旦降機という取扱にはなっていないはずです。

     あとは出入国審査とは関係ないものの、国内線での経由便の運航事例には、以下のものがあります。この場合、いずれも乗継地では機内待機はできず、乗継地で機内手荷物を持って一旦降機が必要という形になっていたようです。
     1.JTAの旧石垣空港発関西、羽田行きで宮古または那覇経由での運航。これは、旧石垣空港の滑走路長では大阪、羽田までの燃料を搭載した機体重量では離陸できなかったため。なお、現在の新石垣空港では滑走路が2000mになったため、このような運用はされていない(記憶があいまいですが、ANKの石垣~名古屋線あたりも路線があり、このように運航されていたような・・・)
     2.スカイマークの神戸経由便(たとえば、羽田~神戸~長崎などの運航があった)。こちらは、飛行機の性能の制約ではなく、自社の保有する羽田スロット数の制約と営業施策上の理由(自社運航路線直行便数を増やすことなく、販売できる路線数を増やせる)があるものと思われます。

     逆にステイオンボード可能な事例としては、私が搭乗したAYのストックホルム経由のヘルシンキ~ベルゲン線(両方向)があります。この場合、3地点すべてがシェンゲン協定国内で完結しており、どの地点でも出入国審査はないので、これを国内線乗継事例と同一視してよいかは微妙ではありますが・・・。話が長くなりそうなので、手前味噌ながら私のレビューURLをあげておきます。
     http://flyteam.jp/airline/finnair/review/29665

     補足の方が長くなってしまい大変恐縮ですが。失礼します。HB-JMB
     

  • 2017/04/23 10:12:57

    HB-JMBさん

    内際スライド運用の事例についてご紹介いただき有難うございました。小生が搭乗したことがあるフライトも含まれており、当時の思い出が蘇って参りました。

    2.のマッカラン国際空港の事例は、標高/気圧(厳密には湿度や風速も考慮)と離陸重量の関係が非常に繊細であることが分かりました。B4シリーズでのラスベガス➢成田の太平洋横断に必要な燃料を粗満載した状況下での離陸はできず、成田➢ラスベガスの場合は燃料を消費している(着陸重量が許容範囲)ため着陸可能(ノンストップ運航可能)だったのは、特に興味深い事例です。
    尚、各空港の以下の条件(海面気圧は1,013.25hPaと設定)での気圧は、
    マッカラン空港(標高665m)=939.41hPa(気温25℃と設定)
    メキシコシティー空港(標高2,230m)=786.19hPa(気温20℃と設定)
    成田空港(標高43m)=1,008.15hPa(気温18℃と設定)
    ご参考まで。

    3.の成田➢コナ(ハワイ島)➢ホノルル(オアフ島)➢成田の三角運行は搭乗経験があります。ご指摘のように、ホノルルで降機の必要があり、多少煩わしいとも感じました。短時間でも一旦降機させられるのは、給油中の事故を想定した安全措置、(団体ツアー客が多い)ホノルルから搭乗する乗客とのシートアサインメントの整理、ホノルル空港の免税店でもお金を使わせる、等の理由が浮かびましたが、真相は分かりません。
    ご参考にその時のレビューを挙げておきます。

    #227 (I187) JAL撤退路線(コナ→ホノルル)。超短距離ハワイの島内路線にジャンボが就航してた頃
    http://flyteam.jp/airline/jalways/review/16608

    最後になりますが、今回のトピックスに関して、確か2011年~2013年頃と記憶していますが、
    NZ90が関空➢成田➢オークランド
    NZ92が成田➢関空➢オークランド
    の順逆変則三角運行を行っておりましたね。

  • 2017/04/30 09:24:10

    HB-JMBさん

    経由便の経由地に於ける降機の要否にも様々な事例があるのですね。
    AYのストックホルムでの体験談なども大変参考になりました。
    http://flyteam.jp/airline/finnair/review/29665
    有難うございます。

    前述の日本航空の成田➢コナ(ハワイ島)➢ホノルル(オアフ島)➢成田の他に、小生の経験した降機が必要な事例をご紹介させていただきますと、
    ラオス国営航空 (QV)
    シェムリアップ(カンボジア)➢パークセー(ラオス)➢ルアンパバーン(ラオス)
    http://flyteam.jp/airline/lao-airlines/review/28952
    http://flyteam.jp/airline/lao-airlines/review/29038
    が思い浮かびます。

    先日、UA154/155便に搭乗する機会を得たのですが、経由地では、降機してもステイオンボードでもどちらも可能という実に変則的な事例もありました。
    しばらく先になりそうですが、搭乗レビューをアップいたしますのでよろしければご笑覧ください。

    最後になりますが、ANA Business Jet NRT/BOMの事例に関連して、起用機材のB737-700ERの航続距離は約10,000kmもあるとされておりますが、NRT/BOM間 6,780kmを飛行するのに態々燃料補給のための技術着陸を行う理由が思い浮かびません。
    もしご存知でしたら、ご教授をいただけたら幸いです。

  • 2017/05/02 00:39:01

    westtower様

     ご無沙汰しております。HB-JMBでございます。

     さて、NRT/BOMの技術着陸の件ですが、これは通年ではなく冬場に限り実施されていたと記憶しております。この航路は特に冬場に偏西風が強く、特に成田発の西行きでは偏西風に向かって飛ぶことから燃料消費率が極端に高くなり、実質的な航続距離が短くなってしまうため、ムンバイでの待機や代替空港に向かう燃料に余裕を持たせるために途中からこうした形態に変更されたとされています。この航路での冬場の向かい風(偏西風)は100kt近く(時速でいったら180km/h程度)に達する場所もあるとされるほど極めて強烈で、50kt程度(90km/h程度)では弱い方とさえ言われているくらいです。
     さて、こうした条件下で東京発の西方面への飛行でどれだけ余分な燃料が必要かということですが、例えば東京発沖縄行きの夏ダイヤでのブロックタイムは最短で2時間30分程度ですが、冬ダイヤになると2時間45分程度のブロックタイムを要します。このブロックタイムの差の分だけ当然エンジン稼働時間は長くなりますから必要燃料量は多くなります。約1500kmの航路でエンジン稼働時間が15分長くなると単純に仮定をしますと、路線距離が東京発沖縄行きの4.5倍ある成田発ムンバイの西行きでは東行きと比べ少なくとも1時間分は余分にエンジンを稼動させなくてはなりません。機体航続性能を距離で示した場合は、1時間余分にエンジンを稼動させる分として路線距離よりも800km-1000kmは航続距離の良い機体でないと運航できないことになります(それだけ航続性能表示で8000km以上の航続距離のある機体でないと運航できないことになる)。これを②とします。
     

     ムンバイにもし昼間着陸することになると、冬でも気温は日本の夏並みとなり、万一そうした環境下でゴーアラウンドが必要な状況となりますとエンジンの性能低下、すなわち冬場より離陸推力を高くする必要が生じる上、ゴーアラウンドした後にホールドあるいは代替空港へ低空で飛行する必要がある場合、外気温が高いためやはり他空港へのアプローチ時より低空飛行時も推力を高くセットしないと飛行できません。そのような飛行を行うと当然燃料も他空港より余分に必要となります。また、アプローチ方式や代替空港選択により、高高度で向かい風卓越状態での飛行時間が長くなると当然そこでも余分な燃料が必要となります。これもどれだけ少なく見積もっても飛行時間で1時間半分、航続距離表示では1200km-1500km分必要ですから、ここまでを考えただけで機体の航続距離をkmで表したときには9000km以上になります。1時間半といってもホールディングは30分程度と仮定していますから、状況によってはこれ以上の燃料を要します。この分を③とします。

     また、東京発九州や沖縄行きの西行きの場合、特に1月~3月で冬型の気圧配置になるような場合、偏西風の強さが平常想定されるより強くなる場合があり、そうした場合には対地速度でみた飛行速度が上げられないため、冬ダイヤで夏ダイヤより長くとっているブロックタイムよりさらに15分~20分程度の運航の遅延が生じることはそう珍しいことでもないと言われております。そうした気象条件では対地速度(GS)をkm/h表示すると、B737はおろか、それより飛行速度が速く、エンジン推力の大きなB777クラスでも600km/h台に到達させるのがやっとということもよくあるようです。想定より偏西風が強くなる可能性を想定し、それだけ余分な燃料を搭載する必要がありますから(Extra Fuelとか「補正燃料」という呼び方をされる)、東京~九州・沖縄の区間距離で15分~20分程度の所要時間増を見込めば、成田からムンバイの西行きでノンストップ運航する場合には上記に加えさらにで1時間分、航続距離表示でさらに1000km分は搭載しておく必要があります。これを④とします。

     上記の必要燃料量を足し合わせ、それを飛行機の航続距離性能に換算すれば10500km弱となり(成田~ムンバイの地理的な距離6780km+②の1000km+③で1500km+④で1000km)、いくらB737-700ERが性能表上10000kmの航続距離があるといってもぎりぎりか少しオーバー気味ですから、中途で技術着陸を行った方がより安定した運航ができるという結論となります。そして長崎もしくは福岡からムンバイまでの地理的距離であれば、大雑把に1000km短くなりますから、航続距離性能に換算した際には9500km程度になり、10000km程度の航続距離のある機体ならばおよそ500km程度の余裕が生まれ、その分安定した運航が可能になります。

     余談ですが、B737-700ERで成田~ムンバイ線を運航していた際、機体性能の関係から西行きのムンバイ行きでは装着されている座席を全部販売できなかったとされています(全部Cクラスの36席?仕様でも、西行きでは32席?分しか販売できなかったと言われています。のちにPYつきの仕様になっても装着座席数全席は販売できなかったようです)。

     余談ばかり、かつ下手な説明で大変恐縮ではありますが、「NRT/BOM間 6,780kmを飛行するのに態々燃料補給のための技術着陸を行う理由」は見えてきましたでしょうか?

     これから先は本当の追伸ですが、B737-700ERについて航続距離以外の機体性能面から考えた場合、ベースのB737は短距離多頻度運航に適した機体構造で設計され(初期の-100とか-200のころ)、その後エンジンの性能向上により機体の航続距離が大きくなり(-300以降)、またエンジン信頼性も向上したことでETOPS運航できる機体となった(-600以降)という経緯をたどった機体のため、機体の原設計時に長時間の巡航を行う際の効率性を「最重要視」して設計された機体でないといわれていることから(もちろん-300以降や-600型で当初設計からその点は「改良」はしているはずですが、新機種を作っていないという点で)ER型といえども、長距離運航の効率性はメーカーや航空会社が当初目論んでいたよりもよくなかった可能性も推測されます(どこかに公式見解があるわけではなく、私の推論ですが・・・)。ビジネスジェットとかVIP機であれば我慢できるレベルだったのかもしれませんが、航空会社の定期便として運航するには信頼性や経済性の面でイマイチだったのかもしれません(いくら上級クラスしか装備しない機体とはいえ、ビジネスジェットやVIPより航空会社の定期便で使われる方が飛行回数や時間は圧倒的に多いと思われるため)。

     他の機種についても原設計で想定していないような運航を行ったりあるいはメーカーがそうした改修を行い、そのための不都合や不便のあるものもあったりはしますが(例:B767でのアジア~太平洋西海岸線での使用、B777に推力115000ポンド級のエンジンを搭載した-300ER/200LR/200Fの話、A340で胴体を伸ばした-600型での重量配分ミスや燃費の悪化の話など)、こちらの話も一度書き出すと長すぎるのでここでは省略しますが・・・。HB-JMB

     

  • 2017/05/02 01:53:02

     westtower様
     
     先ほどは長々と成田~ムンバイ線の話に書き込みを無駄に長く使ってしまいすみませんでした。HB-JMBでございます。

    >先日、UA154/155便に搭乗する機会を得たのですが、経由地では、降機してもステイオンボードでもどちらも可能という実に変則的な事例もありました。<
     これは、2010年台前半までのCXにおける成田~香港線の台北経由便もこの形態でした(CXの台北経由香港行きは関空・名古屋・福岡発着もあるというかあったようですが、それも成田発着便と同じ扱いだったようです。なお、現在ではCXの台北経由便ではステイオンボードはできなくなりました。
     本来、台北経由便を体験するはずでしたが、成田空港A滑走路でのFEDEX機事故でA滑走路が閉鎖され、B滑走路しか使えなくなり、機材が小型化するため香港直行便への振り替えとなっため体験することはできず、聞いた話で恐縮ですが・・・。参考までにそのときのレビューを
     http://flyteam.jp/airline/cathay-pacific-airways/review/3157

     >ラオス国営航空 (QV)
    シェムリアップ(カンボジア)➢パークセー(ラオス)➢ルアンパバーン(ラオス)

    でパークセー(ラオス)以遠に搭乗するにも関わらずここで降機してというの興味深いですし、そうした形態があるとはwesttower様のレビューで初めて知った次第で、恥ずかしながら私の知識のなさを思い知らされるというか、現場を体験している方がいかにすごいかということを痛感している次第です。
     
     コナ線は初就航時の搭乗ルポを某雑誌(勘がよければ雑誌名は分かると思われますが 笑)を子供のときに見ただけで、とうとう乗ることができずにJALが撤退してしまいましたが、実際お乗りになったとはうらやましい限りです(笑。搭乗ルポを読んでいたころは1人で海外に行けるような年齢ではなかったので・・・)。さて、コナからの乗客がホノルルで一旦降機させられた理由としては、westtower様の記述にないところでは次のような理由を考えています
     ・ホノルルで途中降機する旅客がいる関係上、アメリカ出国カード(I-94およびI-94W)をコナで回収することはできず、ホノルルでI-94(およびI-94W)を回収しないとホノルルで途中降機した客が再び成田行きの便に搭乗する際、当該旅客はコナで飛行機に乗った日に出国したことになってしまうという出入国管理上の問題
     ・JALがコナ~ホノルル区間単独では航空券を発売できないとはいえ、この区間だけ搭乗する旅客がいる以上、米国側から見ればカボタージュ運航となり、日米航空当局で何か特殊な取り決めがないとこうした形態の運航はできないため、その中にホノルルでの途中降機を条件に含めていた(私が考えるに、成田~コナ線を米国側航空会社が運航せず、JAL単独での運航を認める代わりに復路ホノルルでは日本側にカボタージュ権が発生することから、その代償としてホノルルでは途中降機を条件に認可した)。
     なお、コナ空港の標高は14m(47ft)(Wikiより)でかつ滑走路長3300m程度であれば、理屈ではB747在来型で最大離陸重量では離陸は不可能でも、成田までの燃料および通常のペイロードを搭載した離陸重量まで軽減すれば、よほど偏西風が強くなければおそらくは成田までノンストップ運航はできるとは思われるので、なおさら航空協定による取り決め事項の制約があったのではと考えたところである。(コナ空港の滑走路長・地形・標高ではNWのラスベガス発成田行きのような標高による気圧低下(約940hPa)による離陸性能制約やNHがB787-8で運航しているサンディエゴ発成田行きで2800m程度の滑走路長でかつ上昇経路の地形の制約による急上昇が必要という運航上の制約は考えにくいため)

     2012年から2013年のNZの三角運航のご指摘ありがとうございました。時期をすっかり失念していたもので・・・。それ以外にも、成田空港でB滑走路が暫定供用だった時期にNZは成田空港でB滑走路での離着陸が条件のスロットを受けたことによって関西経由での三角運航をしていた時期もあったような気がしましたがこちらは記憶違いかもしれません。

     いつものごとく余談ばかりで恐縮ですが・・・。HB-JMB

     
     

  • 2017/05/21 20:41:36

    HB-JMBさん

    冬季の偏西風の影響と、灼熱のムンバイでの大気の低密度/揚力の関係を過小評価していました。西行きの機体重量低減のために装着座席数の10%以上も販売を抑制せざるを得なかったところにも、本件の繊細さが表れていますね。B737の原設計思想が後発バージョンの性能向上に制約を及ぼしているとのエピソードも大変興味深いです。

    ご教授どうも有難うございました。

    westtower

  • 2017/05/23 18:21:47

     westtower様

     HB-JMBでございます。

     B737-100/-200の頃の原設計思想が・・・といっておきながら、具体的な性能指標を言い忘れ、前のコメントが片手落ちになっておりますので、少し補足させていただければと思います。

     B737では営業上の最大巡航高度は-500まではやや低く37000ft程度に抑えられ(つまりB737クラシックでは通常はパイロットが常時酸素マスク着用義務のある40000ft以上にはならないことから、実際の運航において選択される巡航高度は他機種、とりわけワイドボディ機よりは低くなっていると思われる)、速度(TASで)マッハ0.785程度になっている代わりに(もちろんTASでの性能上とり得る最高速度も低く抑えられているわけですが)短距離路線を多頻度運航しやすいような上昇や下降の性能、そしてそうした運航向けの経済性と機体の耐久性を重視した機体設計を目指しているものと推察されます。
     ちなみにNG以降はワイドボディ機と遜色ない営業上の最高巡航高度は41000ftまで取れるとはされています。これはもちろんB737で航続距離を長くするための改良の1つとされます。ただし、前にも述べた通り、B737NGでは上昇や降下時の性能を落とさないという条件で性能上とり得る営業上最高巡航高度を41000ftに引き上げる改良を行っているとされるため、どうしても高高度(とりわけ長距離運航で重視されるといわれる30000ft以上での)巡航性能については(経済面も含め。というのは「一般的に高度を高くとった方が同じ燃料消費量でも航続距離を長くできるとされるため」イカロス出版の飛行機のABCの記述より私が一部表現を変更して記載)、最初から長距離運航の効率を重視した機体(例えばB777など)と比べればその辺の性能について見劣りしてしまうことは否めないと思われます。

     成田~ムンバイ線でB737-700ER型機で飛ぶことを想定すると、近距離路線で飛行するような20000ft台後半までは機体はすいすい上昇はするでしょうが、それより上の高度帯に上昇し巡航に入るとメーカーの想定ほどは巡航性能が良くなく、かといって長距離運航を最初から想定した他機種、とりわけワイドボディ機のように高度を高くとって運航効率を高めようにも、高高度での巡航性能ならびに高高度での再上昇性能がこちらもメーカーの想定より悪くてイマイチとなると定期便の運航の現場ではそれだけの路線距離となると手探り状態で大変だったものと推測されます(とはいえ、B787のいわゆる魔のティーンズのように契約上受領拒否や性能悪化分の費用補償を受けられるほどではなかったとは思われますが・・・)

     A320ファミリーでも短距離多頻度運航での性能面、経済性、耐久性に重きを置き、後の改良で航続距離「も」長くしようという設計思想と思われますから(A320ファミリーでも初期のころの営業上最高巡航高度は37000ft程度とされ、機体の改良と共に最高巡航高度も高く取れるようになる、それは同時に高高度での巡航性能も初期よりは改良され(ただし最初から長距離運航向けに設計された機体と比べると性能が優れているとはいえないまでも)、航続距離を長く取れることから、従来より長い距離を運航できるようになったという経緯をたどっているものと思われます。そしてA320neoや改良型のA320ceo(A330でいうところのA330neo)では、従来からの短距離多頻度運航での扱いやすさは残しつつも、さらに航続距離を長く取ることを視野に入れた設計となっているものと思われます(B737NGやMAXのところでは書き忘れましたが、A320neoなどでも燃料消費率の低減ももちろん設計上の大きなターゲットであることは間違えないですが・・・)

     余談ばかりで恐縮ですが。HB-JMB

  • 2017/06/03 23:19:46

    HB-JMBさん

    補足ご説明有難うございます。
    原設計思想の呪縛がある中で、B737NG ERシリーズは小回りが利いて尚且つ長航続距離対応もそこそここなす現代の準万能機の称号を与えてもよいではないでしょうか。

    逆パターンとして、長距離対応大型機を短距離高頻度離発着仕様に変更したB747-400D型やSR-100型も存在しましたが、今は昔。B747の後継機とされるB777はA380にこのような特殊仕様がないことを鑑みると、「大は小を兼ねる」の考え方は時代遅れ、ということが言えますね。

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