航空会社 ルフトハンザドイツ航空
- 国
- ドイツ
- IATA | ICAO
- LH | DLH
- メンバー評価
- 搭乗レビュー 3.80 [636件]
- アライアンス
- スターアライアンス
搭乗レビュー
リゾートの玄関口、ナポリ空港からLufthansaで北上。《Viaggio per Italia volo4》
- 航空会社
- ルフトハンザドイツ航空 (運航会社:全日空)
- 便名
-
LH1929
エコノミー
- 搭乗日
- 2015/04
- 路線
- ナポリ → ミュンヘン
- 機体記号
- D-AIPH
- 機材
- Airbus A320-211
- 口コミ投稿者
- Harry Lennonさん
搭乗写真
総評
イタリアのナポリと言えば、昔からいまいち治安が悪く雑然としたイメージで語られる気がしますが。風光明媚なリゾート地を周りにたくさん抱えているためか、なかなかどうして、ナポリのカポディキーノ空港は実に居心地良く、清潔でアーバンでありました。
今回の旅はここが終着点だったため、日程も考慮して空路でナポリからミュンヘンに戻るルートを選んだ。少しは馴染みのあるナポリでも、その空の玄関口を利用するのは初めて。
旅の最終日に海路でナポリ入りし、ほとんどそのまま空港に向かうという帰りのスケジュールだったので、ナポリのヴェベレッロ港の目の前にある空港バス(アリブス)乗り場からバス乗車。バスはこの港とナポリ中央駅の市内二か所に停まり、20分くらいかけて北東に位置する空港へと走る。
中央駅を過ぎると、バスは郊外の住宅街をしばらくひた走るが、まさに南イタリアの雑然とした生活風景が目に飛び込む。謎のバラック群を眺め、洗濯物をくぐり抜け、あちこちに散らばる路上のゴミをかき分けバスは進む。昔、中国の広州で見た、あのアジアの刺激的な風景にも似ているなと思っていると、しばらくすると開けた土地に、急に大きなガラス張りの近代的な空港が現れる。ここはどこ?と、何とも化かされたような、夢を見ていたような気分にもなるのでした。
保安検査前の出発ロビーはさほど大きさも感じず、至ってシンプルな造り。グラウンドフロアの奥に各チェックインカウンター、そこからエスカレータで上がると吹き抜け構造の1階にはいくつかのブランドショップやナポリピッツァのフードコート。飲食スペースのテーブルやチェアは北欧風の木製でwifiや電源も完備。早めに到着したためここでしばし時間を潰していたが、なかなか居心地も良く、身体も旅の疲れを解放し始めた。
搭乗するルフトハンザの1929便ミュンヘン行きは18:45発予定。16:30ころチェックインし、バゲージを預けた。保安検査は1階(日本の2階)の、エントランス向かって右奥、ショップを突っ切った先にある。まず機械にボーディングパスをかざしてゲートの先へ。その後が荷物検査の順番待ちだ。かなり広いワンフロアが保安検査に使われている。
検査をクリアすると、その先には滑走路とスポットが一望出来る大きなガラス張りのフロアがあり、そのまま順路がデューティフリーショップを通って行く。他にも魅力的なお店や、地元カンパーニャ州のワイナリーの直営レストラン、おしゃれなバールやジェラテリアなど、どこから見たら良いか迷う程、ショップが充実している。内装もとても綺麗で清潔感もある。ほんと失礼だが、ナポリの市街とくらべるとビックリするほど環境が違う気がする笑 そうは思いつつも、苦楽も色々とあった旅の最後が気持ちよく締まるわけで、なんだかこの空港に救われた思いだった。
ボーディングはゲートA5。コールが掛かる少し前、エスカレータで下階に降り、A5ブースに移動。こちらの階にもまだまだ店舗が沢山、とても見切れないほどだ。18:15、外のスポットと地続きのゲートドアから、外へとみんな移動開始。搭乗するA320はすぐ目の前に駐機してあり、タラップを使い、夫々が思い思いに階段を上り搭乗。いよいよイタリアの空気ともまたしばらくのお別れだ。いつのまにか傾いていた強めの夕陽が、気付くとルフトハンザの鶴を不思議な色に染めていて、ある種の哀愁を感じさせた。
機内前方は三列シートの真ん中を空けるタイプのビジネス仕様。真ん中の席に違うヘッドレストカバーが掛かっていた。カーテンで一応仕切られた後方はわれらがエコノミー。ほぼ満席で賑わっておりました。
若干足もとは狭く感じたけど、もう帰路だし短時間フライトだしで、気にならず。ナポリの港で飲んだペローニの酔いもまだ適度に残っており、窓から差す夕陽の見送りと相まって、自走し始めたエアバス機の揺れが気持ちよかった。
滑走路の端でぐるっと向きを替えると、ナポリ郊外にそびえるヴェスヴィオ火山が見えた。今まで幾多の旅人を見送って来たんだろうか、何とも堂々とした風体である。いよいよこの南国ともさよならだ。18:50、軽快なエンジン音とともに離陸。
滑走路からは南方へと飛び立って上昇、そのまま地中海上へと向かい、ナポリ湾のちょうど真上あたりで右旋回する形だった。そのため、右側の車窓からは綺麗にナポリの港やサンタルチア地区が見える。ナポリを見て死ね、とは良く言ったものだと納得の絶景だが、まあしかし、このフライトは穏便にやり過ごしたいものだと思った。
1h40mほどのフライトなので、軽食とドリンクのサービスが始まり、機長のような風貌のワイルドなクルーが、ワゴンを押してサンドイッチを配る。チキンとチーズから選べて、自分はチーズにした。少量だけどスパイスが利いていてそれなりに美味しく、辛口の白ワインにもマッチした。
気を配って水も多めにくれたし、サンドイッチのおかわりも聞いて回っていた。クルーも全員気さくでフレンドリー。ルフトハンザは会社のお固いイメージと違い、クルーはいつも気持ち良くて好感が持てる。
快適なフライトはいつもあっとゆうま。雲間に険しい山々が見えていたかと思うと、もう下降開始だ。薄暗いが、まだ地上の家々やクルマが目視でき、細かく動くその明かりがミニチュアのようでどこか愛おしい。ミュンヘンの平原はもうイタリアとは違う顔をして、帰りを迎えてくれていた。
20:15ころ、無事タッチダウン。広いミュンヘン空港をあてもなく彷徨っているかのように長く感じる自走を経て、当機はスポットに収まった。ゲートブリッジを渡って空港構内に入る頃には、大きな窓ガラスの外の景色は、いつしか夜の帳が降りていた。夜の訪れは、ナポリよりも幾分か涼しい気温と相まって、旅の終わりが近づくのを肌身に感じさせつつ、足早に乗り継ぎ便のANA218便が待つHゲートへと急ぐのでした。
残すところはミュンヘン→羽田の帰国便。もう少しで無事に日本の土を踏めそうです。また追って。
みなさんもよい旅を。
今回の旅はここが終着点だったため、日程も考慮して空路でナポリからミュンヘンに戻るルートを選んだ。少しは馴染みのあるナポリでも、その空の玄関口を利用するのは初めて。
旅の最終日に海路でナポリ入りし、ほとんどそのまま空港に向かうという帰りのスケジュールだったので、ナポリのヴェベレッロ港の目の前にある空港バス(アリブス)乗り場からバス乗車。バスはこの港とナポリ中央駅の市内二か所に停まり、20分くらいかけて北東に位置する空港へと走る。
中央駅を過ぎると、バスは郊外の住宅街をしばらくひた走るが、まさに南イタリアの雑然とした生活風景が目に飛び込む。謎のバラック群を眺め、洗濯物をくぐり抜け、あちこちに散らばる路上のゴミをかき分けバスは進む。昔、中国の広州で見た、あのアジアの刺激的な風景にも似ているなと思っていると、しばらくすると開けた土地に、急に大きなガラス張りの近代的な空港が現れる。ここはどこ?と、何とも化かされたような、夢を見ていたような気分にもなるのでした。
保安検査前の出発ロビーはさほど大きさも感じず、至ってシンプルな造り。グラウンドフロアの奥に各チェックインカウンター、そこからエスカレータで上がると吹き抜け構造の1階にはいくつかのブランドショップやナポリピッツァのフードコート。飲食スペースのテーブルやチェアは北欧風の木製でwifiや電源も完備。早めに到着したためここでしばし時間を潰していたが、なかなか居心地も良く、身体も旅の疲れを解放し始めた。
搭乗するルフトハンザの1929便ミュンヘン行きは18:45発予定。16:30ころチェックインし、バゲージを預けた。保安検査は1階(日本の2階)の、エントランス向かって右奥、ショップを突っ切った先にある。まず機械にボーディングパスをかざしてゲートの先へ。その後が荷物検査の順番待ちだ。かなり広いワンフロアが保安検査に使われている。
検査をクリアすると、その先には滑走路とスポットが一望出来る大きなガラス張りのフロアがあり、そのまま順路がデューティフリーショップを通って行く。他にも魅力的なお店や、地元カンパーニャ州のワイナリーの直営レストラン、おしゃれなバールやジェラテリアなど、どこから見たら良いか迷う程、ショップが充実している。内装もとても綺麗で清潔感もある。ほんと失礼だが、ナポリの市街とくらべるとビックリするほど環境が違う気がする笑 そうは思いつつも、苦楽も色々とあった旅の最後が気持ちよく締まるわけで、なんだかこの空港に救われた思いだった。
ボーディングはゲートA5。コールが掛かる少し前、エスカレータで下階に降り、A5ブースに移動。こちらの階にもまだまだ店舗が沢山、とても見切れないほどだ。18:15、外のスポットと地続きのゲートドアから、外へとみんな移動開始。搭乗するA320はすぐ目の前に駐機してあり、タラップを使い、夫々が思い思いに階段を上り搭乗。いよいよイタリアの空気ともまたしばらくのお別れだ。いつのまにか傾いていた強めの夕陽が、気付くとルフトハンザの鶴を不思議な色に染めていて、ある種の哀愁を感じさせた。
機内前方は三列シートの真ん中を空けるタイプのビジネス仕様。真ん中の席に違うヘッドレストカバーが掛かっていた。カーテンで一応仕切られた後方はわれらがエコノミー。ほぼ満席で賑わっておりました。
若干足もとは狭く感じたけど、もう帰路だし短時間フライトだしで、気にならず。ナポリの港で飲んだペローニの酔いもまだ適度に残っており、窓から差す夕陽の見送りと相まって、自走し始めたエアバス機の揺れが気持ちよかった。
滑走路の端でぐるっと向きを替えると、ナポリ郊外にそびえるヴェスヴィオ火山が見えた。今まで幾多の旅人を見送って来たんだろうか、何とも堂々とした風体である。いよいよこの南国ともさよならだ。18:50、軽快なエンジン音とともに離陸。
滑走路からは南方へと飛び立って上昇、そのまま地中海上へと向かい、ナポリ湾のちょうど真上あたりで右旋回する形だった。そのため、右側の車窓からは綺麗にナポリの港やサンタルチア地区が見える。ナポリを見て死ね、とは良く言ったものだと納得の絶景だが、まあしかし、このフライトは穏便にやり過ごしたいものだと思った。
1h40mほどのフライトなので、軽食とドリンクのサービスが始まり、機長のような風貌のワイルドなクルーが、ワゴンを押してサンドイッチを配る。チキンとチーズから選べて、自分はチーズにした。少量だけどスパイスが利いていてそれなりに美味しく、辛口の白ワインにもマッチした。
気を配って水も多めにくれたし、サンドイッチのおかわりも聞いて回っていた。クルーも全員気さくでフレンドリー。ルフトハンザは会社のお固いイメージと違い、クルーはいつも気持ち良くて好感が持てる。
快適なフライトはいつもあっとゆうま。雲間に険しい山々が見えていたかと思うと、もう下降開始だ。薄暗いが、まだ地上の家々やクルマが目視でき、細かく動くその明かりがミニチュアのようでどこか愛おしい。ミュンヘンの平原はもうイタリアとは違う顔をして、帰りを迎えてくれていた。
20:15ころ、無事タッチダウン。広いミュンヘン空港をあてもなく彷徨っているかのように長く感じる自走を経て、当機はスポットに収まった。ゲートブリッジを渡って空港構内に入る頃には、大きな窓ガラスの外の景色は、いつしか夜の帳が降りていた。夜の訪れは、ナポリよりも幾分か涼しい気温と相まって、旅の終わりが近づくのを肌身に感じさせつつ、足早に乗り継ぎ便のANA218便が待つHゲートへと急ぐのでした。
残すところはミュンヘン→羽田の帰国便。もう少しで無事に日本の土を踏めそうです。また追って。
みなさんもよい旅を。
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