2017年秋の帰国旅行9便目:スタアラ結成から20年、迫り来るLCCの脅威 - ルフトハンザドイツ航空 口コミ・評価

航空会社 ルフトハンザドイツ航空

2024年03月11日に撮影されたルフトハンザドイツ航空の航空機写真

© rokko2000さん

ドイツ
IATA | ICAO
LH | DLH
アライアンス
スターアライアンス

搭乗レビュー
2017年秋の帰国旅行9便目:スタアラ結成から20年、迫り来るLCCの脅威

航空会社
ルフトハンザドイツ航空
便名
LH253
ビジネス
搭乗日
2017/11
路線
マルペンサ(ミラノ) → フランクフルト
機体記号
D-AIUK
機材
Airbus A320-214
総評:4
4ッ星
機内食・ドリンク
5ッ星
座席(シート)
3ッ星
機内スタッフサービス
5ッ星
エンターティメント
無評価
トイレ・洗面台
無評価
機材コンディション
4ッ星
地上サービス
4ッ星
口コミ投稿者
MaplecroftInnkeeperさん
アクセス数
714
投稿日
2017/11/21

搭乗写真

  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    機体外観は、フランクフルト到着時に撮... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    自分の座った席。ビジネスクラスの最後... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    シートピッチはエコノミーと同じく狭い... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    向こう側の席を見たら、後ろのエコノミ... 続き
  • 写真の種類:機窓・風景
    何枚も撮ったアルプスの風景の写真のう... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    機内食と一緒にいただいた白ワイン。
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    たった1時間のフライトなので、このく... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    食後のコーヒー。取っ手のない陶器製の... 続き

総評

今度の帰国旅行でミラノに寄り道した理由は、アルプスをぐるっと鉄道で回ってみたかったからで、2日間かけてミラノからボローニャ、インスブルック、チューリッヒ、そこから、去年開通して日本の青函トンネルを抜いて世界一長いトンネルとなった、スイスとイタリアの国境にあたるゴッタルド・トンネルを通ってミラノに戻るというルートを回りました。ただ列車に乗っているだけの不可解な旅だと思われるでしょうけども、自分にとって大変楽しい寄り道になりました。

そんなおまけの旅も終わり、あとは帰宅するだけとなりました。ミラノからフランクフルトまではほんの1時間15分で、東京―大阪程度の距離です。当初の予約はエコノミークラスで、ごく普通の短距離便のつもりでした。エアーカナダのサイトで購入したチケットだったのですが、出発数日前になって、予約内容をチェックしてみようと、エアーカナダのサイトで予約番号を入力して予約内容を出したら、ルフトハンザの予約番号が参照のために記載されていました。そこで、試しにルフトハンザのサイトを開けてその予約番号を入力してみたら、自分の予約内容が全部出てきて、この便がアップグレード可能と出ていました。どうせ短距離便だし、アップグレードしても大した付帯サービスは期待できないのに、値段もそこそこだったし、機内食が出るというアイコンにのせられて、ついつい、ホイホイとクリックして購入してしまいました。そうしたら、なんだか急にワクワクしてきて、特に何も期待していなかった便が楽しみになってきました。

ということで、棚ぼた的にビジネスクラスを体験することになりました。後ろのエコノミーは、中国人や日本人も大勢乗り込んで満席だった様子で、自分は悠々と3席独占だったので、それだけでもアップグレードした甲斐がありました。

ミラノは晴れ渡っていて、離陸後暫くは、アルプスの美しい山々の光景に感激して、一心にパチパチと写真を撮っていました。そのうちに機内サービスのカートが来て、コールドミールでしたが、ワインと一緒に機内食をいただき、ミラノで食べたおいしい食事などをボーっと思い出していました。そのうちに山を越える頃からどんどんと雲がかかり、アッという間にフランクフルトに向けて着陸体制に入る頃には、窓に雨の水滴が滑っていました。フランクフルトは、厚い雲が低くたれ込め、やっと雲の下に出た思ったら、すぐ目の前が滑走路でした。

さて、到着したフランクフルトはスターアライアンスの本社がある場所で、ルフトハンザはその創設メンバー5社のうちの一つです。スターアライアンスは1997年創設ですから、今年はちょうど20週年に当たるんですね。当時の創設メンバーは、SAS、ルフトハンザ、タイ国際航空、ユナイテッド、エアーカナダの5社でしたが、今では28社、192か国を網羅する世界最大のアライアンスになっています。世界のA都市からB都市へ移動するのに、アライアンス外のエアラインを使うことなく、スムーズに移動できるというのが向こう側のビジョンで、確かに自分も、飛行機が遅延して乗継便に間に合わなくなった時に、アライアンスパートナーの便に振り替えてもらって無事に目的地に着けたりしたこともあるし、全部マイルの積算につながるのも最大の魅力ではないでしょうか。

自分も、今回モントリオールからミラノまでの往復に一部ルフトハンザを利用していますが、上に書いたように、同じアライアンスメンバーのエアーカナダのサイトでチケットを購入したのです。このフランクフルトで1泊のトランジットをする経路は、ルフトハンザのサイトではなぜか出てこなくて、エアーカナダのサイトで発見したものでした。そのあたり、なんだか不可解ですけど、アライアンスの中で気長に検索すれば、いろんな可能性が見つかるんだというとこもわかりました。またこの便の翌日に乗る長距離便はエアーカナダなのですが、違うエアラインの間でもスルーで荷物を預けられたりと、アライアンスの便利さを今回も十分感じることができました。

大きなエアラインのアライアンスは、スタアラの他にワンワールドとスカイチームがよく知られていますが、ワンワールドは1999年、スカイチームは2000年と、どれも2000年までに続々と形成されました。これは思うに、80年代ごろまでに北米でも欧州でも航空業の規制緩和が進み、大型機材の過剰などで空席が目立ってきていた状況の中、小型の機材で短距離路線をバンバンと運航するLCCがどんどん参入してきたことが、こうしたレガシーキャリアにとって一番の脅威になったのではないかと思います。

それが最近になって、今度はLCCアライアンスの形成ラッシュが始まっているのです。最近形成されたのは、バニラ・アライアンス(主にアフリカ東部、インド洋地域を運航するフランス語圏系エアラインの集まり。2015年結成)、U-Flyアライアンス(中国系エアライン、2016年結成)、バリュー・アライアンス(主に東南アジア系だが、韓国系や日本のバニラエアも加盟、2016年結成)などの地域単位のアライアンスがあります。

ヨーロッパでも、ノルウェー・エアシャトルが、新しいLCCアライアンスを形成すべく、ライアンエアーなどに話を持ち掛けているようですが、これは今のところどうなるか疑問視されています。ノルウェーはLCCとしては珍しく、大型機を保有して北米などに長距離便を飛ばしているため、ヨーロッパ各地から乗り継ぎ客を運んできてくれるLCCと組みたいという目的もあるようですが、欧州内はかなり大規模なLCCが充実したネットワークを構築していて、LCC同士でのアライアンスはあまり魅力がないという見方もあるようです。逆に、レガシーキャリアが長距離便の発着するハブと欧州の他の都市とを結ぶ乗り継ぎ便を充実させていないので、LCCがレガシーのハブにフィードする役割を担うような構図の方が可能性が高いという見方もあるようです。

ルフトハンザはそれでもハブのフランクフルトに欧州各地からせっせと客を運んでいるようですが、そのフランクフルトでもLCCをめぐってすったもんだしています。1984年に創設された、アイルランドのダブリンを拠点とするLCC大手のライアンエアーが、フランクフルト空港でルフトハンザの頭を悩ます存在となっているのです。フランクフルト空港を所有・運営するフラポートは、今年からフランクフルトに就航したライアンエアーに対し、料金のディスカウントを認めたのですが、フランクフルト空港の6割を占めるルフトハンザは、自社に不利になるとしてこれに不服を表明していました。それが最近になって両者の合意が得られ、ケルンを拠点とするルフトハンザの子会社のLCC、ジャーマンウィングスにも同様のディスカウントが認められることになりました。(ジャーマンウィングスが今後フランクフルトに就航するかどうかは不明ですが。)欧州内路線市場でフランクフルトを制覇するのは、果たしてLCCになるのでしょうか・・・。

確かに欧州内路線は距離も短いし、シェンゲン区域内はパスポートチェックもないので、国内線に限りなく近い雰囲気になってしまっていて、機内サービスよりも安さを求める乗客が多くなっていることもあり、レガシーキャリアとLCCとの違いがあまりなくなってきていますね。そのせいか、実際、欧州内で旅客数における最大のエアラインは、レガシーを差し置いて、ライアンエアーです。アメリカ国内も同じような構造で、トップはLCCのサウスウェストですし、サービスレベルや座席のシートピッチなどを見ても、LCCとレガシーの差はありません。個人的には、短距離ならばLCCでもいいですけど、長距離国際便はやっぱり色んな付帯サービスがついてくる方が楽しいと思いますが、将来はLCCが長距離国際線にもどんどん参入して、空の旅のコンセプトがガラッと変わってしまう日が来るのかなあ・・・と一人憂慮しつつ、ライアンエアーのカウンターを横目でチラチラと見ながら、フランクフルトの空港をでて行きました。

フライトログ

搭乗の詳細データです。

座席番号
6F
搭乗クラス
ビジネスクラス
区間マイル
305
出発予定時刻
14:25
出発時刻
14:40
到着予定時刻
15:40
到着時刻
16:05
予定飛行時間
1:15

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