2016年帰国旅行11便目-事実上倒産している南ア航空の恐るべき事実・・・ - 南アフリカ航空 口コミ・評価

航空会社 南アフリカ航空

2019年10月21日に撮影された南アフリカ航空の航空機写真

© よつばさん

IATA | ICAO
SA | SAA
アライアンス
スターアライアンス

搭乗レビュー
2016年帰国旅行11便目-事実上倒産している南ア航空の恐るべき事実・・・

航空会社
南アフリカ航空
便名
SA287
エコノミー
搭乗日
2016/03
路線
香港 → ヨハネスブルグ
機体記号
ZS-SXB
機材
Airbus A340-313X
総評:4
4ッ星
機内食・ドリンク
4ッ星
座席(シート)
4ッ星
機内スタッフサービス
5ッ星
エンターティメント
4ッ星
トイレ・洗面台
4ッ星
機材コンディション
4ッ星
地上サービス
5ッ星
口コミ投稿者
MaplecroftInnkeeperさん
アクセス数
2,483
投稿日
2016/04/08

搭乗写真

  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    搭乗時に撮影できなかったので、降機時... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    機内の様子。濃い青一色のインテリアで... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    食事が配られる前に飲み物がもらえます... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    機内食はビーフシチューで、スクワッシ... 続き
  • 写真の種類:ギャレー
    途中でカメラを懐に隠してギャレーを覗... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    到着前に出た朝食。やはり機内アナウン... 続き

総評

昨年12月9日、南アフリカのズマ大統領が突然ネネ財相を更迭して、無名のバンルーエン氏を後任に起用し、そのショックで南ア通貨のランドが急落するなど金融市場が混乱に陥るという事件が起こりました。その4日後には、考えを改めてゴーダン元財相を再起用して事態の収拾にあたりましたが、この混乱の裏には南ア航空とエアバスとの取引が関係していたという見方が一般的です。南ア航空は2002年からA320を10機購入する契約を交わしており、2017年のデリバリを前にして、4,000万ドルの支払い期限が12月21日に迫っていましたが、南ア航空にはその支払資金がないため、A330-300を5機リースする契約に切り替える方向で話が進んでいました。しかし、そのリース方法について南ア航空と財務省との間で合意が成立せずに平行線をたどっていました。これがネネ財務大臣解任の直接の原因とみられています。南ア航空の女性会長とズマ大統領との間に愛人関係があったという噂も流れましたが、それは大統領自身がまっこうから否定しているのでともかくとして、その後ゴーダン新財相のもとで、ぎりぎりになって南ア航空との合意が得られ、リース契約に切り替える作業が始まりました。これにより南ア航空は多額の支払義務を免れただけでなく、これまでA320購入に向けて支払われた資金が1億ドルほどエアバスから返却されることで、南ア航空の財政危機はある程度緩和されることになります。

そうです。南ア航空は文字通り経営破綻なのです!石油価格の高騰や、南ア通貨「ランド」の下落、競合エアラインの台頭などが原因で、特に長距離便で営業損失がどんどん積み重なっています。911事件の後、ANAのようにいち早く燃料効率の良い航空機を導入したエアラインはうまく生き残っていますけど、南ア航空はいまだに長距離路線を古いA340で運航していて、その流れに乗り遅れたのですね。それとは対照的に、早くからB787を積極的に投入し、最近日本にも就航した同じアフリカのエチオピア航空は、最近南ア航空やエジプト航空を抜いてアフリカ最大の航空会社に成長しました。ハブのアジスアベバの空港の拡張事業を始めると同時に、ここをアフリカ地域の国際ハブにするんだという勢いで、新しい巨大な空港の建設を今年中にも開始する予定とのとこで、勢いが違いますね。

ということなので、南ア航空は合計10億ドル以上にも上る度重なる南ア政府の債務保証がなければ、とっくに消滅していたに違いありません。2013年度から経営立て直し長期計画を実施していて、比較的利益率の高い国内便の拡大や、大きなロスの原因になっている長距離国際便路線の見直し、現在長距離路線に使われているA340に代わる燃料消費効率の良い新鋭機の導入などがその柱になっているようです。が!2012年から南ア航空はCEOが入れ代わり立ち代わり、というか、数か月ですぐクビになるような代理が何人も交代してつないでいるだけで、そういう大きな改革を引っ張っていくCEO自体が存在していないのです。そんな航空会社を使うなんて、よほどバカだと思われても当然ですね(笑)。

しかし、実を言うと、楽天的な僕は、こういう経験は初めてではないんです。(ならば余計にバカだとおっしゃられるでしょうけど)その昔1991年の春先に、日本からアメリカ各地の友人訪問に訪れたときのことです。そう、あの湾岸戦争が前年の8月に勃発して、誰もが海外渡航を見合わせているようなときに、のほほんとそんな旅行を計画し、格安航空券を扱う某H代理店でチケットを予約しました。利用したのはコンチネンタル航空。一人旅の完全な個人旅行なのに、「コンチパック」などといかにもいかがわしい団体パック旅行のような名前がついて、航空券は当日空港の団体カウンターで受け取れと指示されました。そして出発が近づく頃にまた連絡が入って、「念のために言っておきますけど、コンチネンタル航空は事実上倒産してるのはご存知ですよね。まあ、飛行機飛ぶとは思いますけど、万が一何かあった場合は、こちらでは責任を負いかねますから・・・」と冷たい一言を突き付けられたのでした。(コンチネンタル航空は1990年に2度目の破産申請をしています。)

戦争は出発前に無事に終わり、飛行機も無事に飛びましたけど、そんなこともあって、成田を飛び立ったB747には、50人くらいしか乗っていませんでした。なぜか、3人掛けに見知らぬ人が3人アサインされていて、自分はその中央席で窮屈そうに肩をつぼめていたら、CAさんがきて、「ガラガラなんだからそんなに窮屈にしてることないわよ。どこでも好きなところに座って羽伸ばしていいわよ!」と笑いながら言ってくれたのを覚えています。さらにあの当時は、72時間前までに予約を再確認する規定がありました。帰り、それをすっかり忘れていて、市バスを乗り継いでシアトル空港に向かう途中、道端の公衆電話で航空会社に電話したら、リコンファームしてないからキャンセル扱いになっていると冷たく言われてドギマギしてしまいました。幸い、予約のし直しということで、飛行機には乗れましたけど。そういう経験は思い出に残りますね。コンチネンタル航空はその後1994年に新しい社長を迎えて見事に経営を立て直し、2012年にユナイテッドに吸収されるまで立派に存続しましたよね。だから南ア航空もきっと立て直して存続して欲しいと期待します。ちなみに、南ア航空もコンチネンタル航空も同じ1934年の設立ですね。

さて、香港では前のANAの到着が20分くらい遅れたため、乗り継ぎ時間が45分くらいしかなく、飛行機を降りると係の人が待機していて、ヨハネスブルグ便へ乗り継ぐ客4名ほど、先導してセキュリティを通りゲートに連れて行ってくれました。もう搭乗が始まっていて、機体の写真を撮るどころではなく、息つく暇もなく列に並んで慌ただしく乗り込みました。夜もかなり更けていましたが、長い一日、やっとホッと落ち着ける時間になったのは、離陸してワインと食事をいただいた頃でした。機内食はまあまあというところでしょうか。お腹も満たされたところで、だんだんと瞼が重くなり、睡魔に襲われました…。

…ふと目を開けると、ゴーっという音が耳鳴りのように鳴っている暗い機内の様子が目に入ってきました。毛布にくるまって顔を横に向けて寝入ってる人や、ヘッドホンをして一心に目の前のモニターをにらんでる人もいます。そうか、自分は夢を見ていたのか…。夜行バスに乗って広島に向かっていたんだっけ。何か用事ができて急に慌てて夜行バスに乗ったような気がするけど、どんな用事だったかは覚えていない。バスのエンジン音がうるさくてガタガタ揺れてちっとも眠れないなあと思っているうちに目が覚めたのでした。あの音はバスではなくて飛行機の音だったのか・・・。それに乱気流でずいぶん揺れている・・・。時計を見ると、2時40分。12時過ぎに離陸して、それから機内食が出て・・・。1時間くらいは寝れたのかな。フライトマップを見ると、マレー半島上空。まだ10時間以上もあるのか・・・。西の空に向かって飛ぶ機上の長い夜はまだまだ続きます。「空飛ぶスプリングボック(南アフリカに生息するガゼルの一種で、全力疾走すると時速90キロの俊足を持つ)」のニックネームを持ち、それがロゴのデザインとして垂直尾翼に描かれている南ア航空の飛行機は、まさにその通り、力強く夜空を飛び続けるのでした。

フライトログ

搭乗の詳細データです。

座席番号
67C
搭乗クラス
エコノミー
区間マイル
6,640
出発予定時刻
23:50
到着予定時刻
7:05
予定飛行時間
13:15

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