4.デリバリーの準備とデリバリーフライト

航空機のオーダーからデリバリーまでの流れ(スクート編)

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航空機のオーダーからデリバリーまでの流れ

スクートに2015年1月、同社初めての787がデリバリーされました。そのデリバリーフライトに同乗する機会がありました。今回は、この取材に基づき、航空会社が航空機を発注しデリバリーまで流れ、さらにデリバリーフライトについて、一般的な流れをスクートに引き渡しされた機体を例にまとめました。

1.航空機の発注から組立開始
2.航空機の最終組立
3.航空機の塗装、テストフライトから契約まで
4.航空機デリバリーの準備とデリバリーフライト

最終更新日:2015/07/29

4.デリバリーの準備とデリバリーフライト

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スクートの787-9初号機は、契約日が2015年1月23日ですが、フェリーフライトは現地発1月31日でした。通常、航空会社と航空機メーカーが書面手続き、支払いを済ませると、その機体は1日から2日後、航空会社の本拠地へ向けてフェリーフライトが行われます。スクートの場合は、8日間にデリバリーフライトを円滑に実現する最後の準備が行われていました。

ペインフィールドでテスト飛行を行うスクートの787-9
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スクートは、787受領時まで777-200、6機で運航しており、787の免許を持つパイロットがいません。デリバリーフライトでも787の免許を持つパイロットが運航する必要があり、8日間でパイロットが最後の移行訓練を実施しました。契約を済ませると、スクートが自由に機体を使えることから、エバレット工場に隣接するペインフィールド、シアトル市内に近いボーイング・フィールドを離着陸する訓練飛行で、デリバリーフライトに携わった4名のパイロットが免許移行の最終手続きを行いました。これを終えると、いよいよデリバリーフライトです。

デリバリーセンターで静かに本拠地へのフライトを待つスクートの787-9
Copyright © FlyTeam News

デリバリーフライトは、2013年4月に拡張工事を終えたエバレット・デリバリーセンター(EDC)から出発します。出発前は、EDCの2階に設けられたホールでスクートの客室乗務員、スクートの整備を担当するシンガポール・エンジニアリング(SIAEC)のスタッフ、ボーイングの関係者によりセレモニーが開かれます。ホールの窓越しにはスクートの機体が置かれ、いよいよ本拠に向かう高揚感も高まります。

ボーイング・デリバリー・センター、正面玄関から。
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ボーイング・デリバリー・センター内で出発前にささやかなパーティが開催される。
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デリバリーフライトも通常のフライトと同じように手荷物検査を行い、機体に乗り込みます。便名「TZ787」は、予定通りの時刻にEDCから出発、ペインフィールドの滑走路16Rを離陸し、関西国際空港に向かいます。シアトル/関空間はスクートの訓練教官を務める女性のエバ・マリア・ティエン(Eva Maria Thien)機長が操縦を担当します。

関空で機内に現れたエバ・マリア・ティエン機長。スクート初号機の操縦が女性機長が担った
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関空で交替したローハン機長とティエン機長が談笑。通常のフライトとは違い、テクニカル・ランディング中に機長も機内でスタッフと話しする様子も見られた。
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関空初の787-9の飛来となったため、急遽、白のラインが引かれた
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ペインフィールドからシンガポールまで直線距離は13,000キロ弱で、787-9の航続距離は14,800キロから15,750キロとカタログ上の数値では直行できなくもありません。ただし、その場合はパイロットや客室乗務員の勤務時間がスクートの勤務規定を超えてしまうこと、さらに安全面も考慮し、関空で乗員交替と給油のため、テクニカル・ランディングが決定しました。

関空06Rに2月1日1時55分と、予定より5分早く着陸、27番スポットに到着しました。これは関空で初めての787-9の飛来でもありました。ここで機長は、パイロットを統括する運航本部長(Head of Flight Operations)のローハン・ハリ・チャンドラ(Rohan Hari Chandra)機長に交代、客室乗務員も新たに乗り込み、機体の点検、確認などを終え、いよいよ本拠地へ向けた最後の離陸です。

関空に到着したスクートの787-9
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予定通り3時30分に関空を出発し、シンガポール到着前の機内は搭乗証明書をキャンベルCEO自らが搭乗者全員に配り、客室乗務員たちもダンスを披露するなど到着前に盛り上がったのもデリバリーフライトならではの出来事でした。

スクートのスタッフたちにも一人一人、搭乗証明書をキャンベルCEOが自ら配った。
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スクートのスタッフが到着前にレインボーカラーの機内でダンスを披露
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チャンギ国際空港20Rに着陸し、ターミナル1のスポットC20に滑り込むと、消防車がウォーターキャノンによる歓迎を受けました。さらにターミナルでは、大勢のスクートのスタッフ、チャンギ空港やシンガポールの航空産業の関係者が待ち構え、シンガポールでは初めての787を歓迎しました。

チャンギ国際空港ではウォーターキャノンでお出迎え
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到着し、多くの人に出迎えられたキャンベルCEO。これからのさらなる飛躍を誓った
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