横須賀基地を母港とするアメリカ海軍の空母「ロナルド・レーガン(CVN-76)」が2021年9月24日(金)、シンガポール付近を通過し、南シナ海に入りました。船舶位置情報を提供するMarinetrafficなどで確認でき、アメリカ海軍も発表しました。CVN-76は5月19日(水)に定期パトロールのため横須賀を出港。今回の任務ではアメリカ軍のアフガニスタン撤退に伴い、第5艦隊海域に派遣。第5空母航空団(CVW-5)のF/A-18E/Fスーパーホーネット、EA-18Gグラウラー、E-2Dアドバンスドホークアイなどの航空戦力で作戦を支援していました。南シナ海でも航空戦力を活用した演習の実施が予定されています。
CVN-76が主に担当する第7艦隊の海域を離れている間、アメリカ海軍は空母「カール・ヴィンソン(CVN-70)」を旗艦とするカール・ヴィンソン空母打撃群(VINCSG)を日本など西太平洋地域に派遣。CVN-70は、第5世代戦闘機のアメリカ海軍仕様のF-35CライトニングIIとCMV-22Bオスプレイに機種更新されて初のパトロール任務で、横須賀にも寄港しました。
さらに、イギリス海軍の空母「クイーン・エリザベス(R08)」が初の任務航海でアジア地域に展開。海上自衛隊との演習をはじめ、南シナ海から太平洋への航海で、各国との訓練を重ねています。R08も横須賀へ寄港していました。
CVN-70は9月22日(水)に海上自衛隊の護衛艦「いかづち(DD-107)」「ちょうかい(DDG-176)」との訓練実施を明らかにしており、R08は9月中旬にグアム寄港で整備・休養をとった後で、2隻の空母とも西太平洋地域にいる模様です。CVN-76が南シナ海からフィリピン海にかけて、この2隻の空母との共同演習を実施する可能性もありそうです。
CVN-76は南シナ海に入り、CVW-5による海上打撃演習、対潜水艦作戦、戦術訓練などを行う予定と公表しています。アフガニスタンの撤退作戦の支援後は、中国の動きの牽制を目指した準備を行う模様です。
■CVW-5所属飛行隊 ・第102戦闘攻撃飛行隊(VFA-102) ダイヤモンドバックス F/A-18F ・第27戦闘攻撃飛行隊(VFA-27) ロイヤルメイセス F/A-18E ・第115戦闘攻撃飛行隊(VFA-115) イーグルス F/A-18E ・第195戦闘攻撃飛行隊(VFA-195) ダムバスターズ F/A-18E ・第141電子攻撃飛行隊(VAQ-141) シャドウホークス EA-18G ・第125早期警戒飛行隊(VAW-125) タイガーテイルズ E-2D ・第30艦隊支援飛行隊(VRC-30) プロバイダーズ 第5分遣隊 C-2 ・第77海上攻撃ヘリコプター飛行隊(HSM-77) セイバーホークス MH-60R ・第12海上戦闘ヘリコプター飛行隊(HSC-12) ゴールデンファルコンズ MH-60S