機内での携帯電話の利用、業界団体は賛成 客室乗務員は反対

機内での携帯電話の利用、業界団体は賛成 客室乗務員は反対

航空機での携帯端末の利用制限が緩和されたアメリカで、機内での携帯電話の利用について賛否両論がでています。アメリカ連邦航空局(FAA)が電子機器の利用を緩和したことに続き、通話も緩和すると報道されているもの。航空機へ衛星インターネットを提供するオンエアはこの件について、アメリカ連邦通信委員会(FCC)をサポートすると発表しています

通信ビジネスが拡大するため、オンエアはこの案を支持することは当然と見られますが、その理由としてこれまで提供している25社から、苦情はないとこの規制緩和の説明材料にしています。具体的には、機内の照明を落とし、暗くすることと同じように客室乗務員が携帯電話を圏外にできるほか、そもそも機内はエンジン音などの騒音があるため、会話はうるさくは無いとしています。

一方、客室乗務員の組合はFCCに対して、客室の静寂を守る最後の砦だとしています。大声で話ができる状況は歓迎されず、危険でもあるとし、さらに多くの世論調査、アンケートで機内の音声通話は禁止にしておきたい意向だとしています。さらに最も重要なことは緊急時に携帯電話の使用により、アナウンスを聞き取れない状況となったり、乗務員の救助命令を聞くことが出来ない状況もあるとしています。

FCCは現在、あくまで技術的な認可をするか否かで、特に大きな障害はないとの認識。これまでの規制は航空機の安全性とされていましたが、技術的に「不明だった」というのが正確なところかもしれません。電子機器の利用と携帯電話の使用は、機内でも技術的に問題は無いということは歓迎されることですが、ルールとして使用できないを維持する航空会社があっても良いかもしれません。

ただ、航空会社は付帯収入を重視しているため、これを機会に2重に儲けようと考えそう。携帯電話の通話で稼ぎ、うるさい人たちを嫌う人たちには携帯電話禁止エリアを作り、その座席でも課金するという2つの収入が可能です。すでに、格安航空会社(LCC)のエアアジアやスクートなどはこのクワイエットゾーンを設けているため、考えられそうなプランでしょう。

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