戦略的次世代航空機研究開発ビジョン、風洞やエンジン実証設備の整備を

戦略的次世代航空機研究開発ビジョン、風洞やエンジン実証設備の整備を

文部科学省は2014年8月19日、「戦略的次世代航空機研究開発ビジョン」を発表しました。これは、1月から「次世代航空科学技術タスクフォース」で、航空機産業を自動車産業と同様に世界でのシェアを高め、発展することをめざし、文部科学省で研究開発に取り組む航空科学技術、その取組方針を策定したものです。

世界シェア20%を目指すプランとして、研究開発プログラムでは民間航空機国産化研究開発プログラムと超音速機研究開発プログラム、横断的施策として大型試験設備の整備、先端研究の推進、人材育成の強化を取り組むべきだとしています。

計画では、現在開発が進められている三菱航空機のMRJをベースに、その次世代機を2017年以降に検討開始し、2020年に開発、2020年代半ばにローンチするロードマップを策定しています。この間、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から民間へ、航空技術の橋渡しが行われると想定しています。これにより次世代機、次々世代機が登場する2040年ごろに成長産業として、主導的な地位を確立するとしています。

また、提言内でこうしたプランを実現するにあたり、特に緊急に整備が必要な大型試験設備として、運用開始から54年が経過したJAXAの遷音速風洞、49年が経過した低速風洞、さらに基礎研究を開発に反映させる国内に無いエンジン実証設備をあげています。この整備に必要な経費については、利用者による一定の負担も含め、使用料を検討するといった方向性も打ち出しています。

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