LCCは「フルサービスの半額の運賃」は本当!?

LCCは「フルサービスの半額の運賃」は本当!?

国土交通政策研究所は2014年11月5日、「LCCの参入効果分析に関する調査研究」を発表しました。この調査から、格安航空会社(LCC)が国内線の参入当初、しきりに謳っていたフルサービスの半額程度という運賃は「本当」という結果となりました。

調査は航空輸送統計年報、OAGTrafficDataを使用。このうち、2013年度の日本航空(JAL)の平均運賃が1人あたり15,945円を1とした場合、LCCのピーチ、ジェットスター・ジャパン、バニラエアは0.43から0.49の水準で、当初の宣伝はあながち嘘ではない、ということになります。

ただし、調査でも言及されていますが、LCCの特徴は運賃の上限(もっとも高い運賃)から下限(もっとも安い運賃)まで幅が大きく、運賃額が細かく刻まれている多様な運賃があるため、注意が必要です。

また、実体験で理解している方も多いことですが、調査でもスカイマークの下限運賃はLCCより高いものの、上限はLCCより低い水準と指摘しています。これは特に搭乗直前に予約する場合に実感できることで、予約する時期により、LCC、フルサービス、中間のスカイマークと賢く使い分ける必要があることが改めて示されています。

LCCの参入はFSCの運賃額の動向にも影響を与えています。LCC参入前の2011年を1とすると、2012年のFSCの全国平均運賃は1.15倍に上昇したものの、2013年は0.93倍となっています。OAG Traffic Dataから分析したもので、LCCが参入した都市間のFSC運賃は2012年は1.05倍と相対的に運賃上昇が抑えられているとも指摘しています。

なお、調査はLCCがピーチ、ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパン(現バニラエア)、FSCが日本航空(JAL)、全日空(ANA)、スカイマークです。

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