LCCは「新規需要を掘り起こす」 首都圏はNO、その他はYES!?

LCCは「新規需要を掘り起こす」 首都圏はNO、その他はYES!?

国土交通政策研究所は2014年11月5日、「LCCの参入効果分析に関する調査研究」を発表しました。この調査で、格安航空会社(LCC)が「新規需要を掘り起こす」というフレーズについてある程度、肯定的な見方を示しています。

LCCが就航した9路線(LCC参入路線)の合計年間旅客数は、2011年比で2012年は1.71倍、2013年は2.42倍と大きく増加しています。一方、LCC参入路線と競合する羽田/新千歳線などのLCC競合路線は、2012年に0.95倍、2013年に0.87倍と減少し、LCCへ旅客が転換している可能性があるとしています。

LCC参入路線とLCC競合路線の旅客数を合計した場合は、2012年が1.02倍、2013年が1.01倍とほぼ横ばいの推移です。同時期のLCCが参入していない主要路線では2012年に1.00倍、2013年に0.96倍と微減する傾向と比べ、相対的に増加しているとして、新規需要の誘発や旅行先転換の可能性があるとし、LCCが市場に参入したことで需要を掘り起こした効果を指摘しています。

ちなみに、FSCが横ばい、増加し、LCCも旅客数を増やしている新規需要を開拓している可能性の高い路線は、大阪発着の福岡、仙台、石垣線、名古屋発着の新千歳、鹿児島、福岡線です。

一方、FSCが減少、LCCが増加し、LCCがFSCの市場を奪っている可能性のある路線は上記以外の路線で、特に羽田と成田で就航する新千歳、関西/伊丹、福岡、那覇線などとなります。ここからすると、FSCにとって首都圏はLCCが就航してほしくない路線、それ以外はLCCを歓迎する路線となりそうです。

なお、調査はLCCがピーチ、ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパン(現バニラエア)、FSCが日本航空(JAL)、全日空(ANA)、スカイマークです。

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