航空局、AIRDOに事業改善命令 機長初期訓練中の不適切な操縦を黙認

航空局、AIRDOに事業改善命令 機長初期訓練中の不適切な操縦を黙認

国土交通省は2014年12月19日、AIRDOに対し、事業改善命令を行いました。これは2014年9月11日、羽田発新千歳着ADO11便で機長初期訓練中の訓練生が、新千歳空港への着陸進入中、不適切な操縦を行ったものの、そのまま訓練を修了させていたことが航空局の立入検査で発覚したものです。

この操縦では、新千歳空港への着陸進入中、航空機の運用限界速度、管制圏での制限速度を超過し、警報装置が作動して着陸をやり直しました。こうした不適切な操縦があった場合、再訓練を受ける必要がありますが、教官として同乗していた機長は、警報装置の作動を会社に伝えず、再訓練の指示も行いませんでした。さらに訓練結果を良好とし、この訓練生はその後、機長に昇格していました。

この訓練の事例から、航空局は「運航乗務員の訓練体制は適切に機能していない」こと、飛行データの解析から、教官の報告とは異なり訓練生の不適切な操縦が行われた事実を把握したものの、乗員部、訓練審査部、安全推進室、安全統括管理者が十分な検証・評価を行わず、追加訓練などを行わずに機長として運航を継続させていたことを問題視しています。

航空局は12月3日から12月12日まで、立入検査を実施し発覚したもので、運航乗務員の訓練体制の改善、安全管理体制の確立について抜本的に見直しを行う様、事業改善命令を行いました。

AIRDOは9月に整備部門での不適切な対応で、航空局から厳重注意を受け、その対策を講じて安全最優先の教育を行うとしていたばかりでの立て続けの安全面での不安が噴出しています。

AIRDOでは、この機長初期訓練が不適切に行われ、機長となっていた昇格を取り消し、この機長、担当訓練教官を乗務停止としています。

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