海上自衛隊、4月のUS-2離水失敗事故の原因は「操縦上の過誤」

海上自衛隊、4月のUS-2離水失敗事故の原因は「操縦上の過誤」

海上自衛隊は2015年11月13日(金)、4月28日に高知県の足摺岬北東約36キロメートルの海上で発生したUS-2の離水失敗による事故について、調査結果を公表しました。

この事故では、4月28日、海上自衛隊岩国航空基所属のUS-2の5号機「9905」が離着水を繰り返す訓練中に機体の一部を損傷し離水に失敗、機内に浸水があったため19名乗員は脱出し、機体はその後水没しました。

今回の海上自衛隊の公表によると、訓練中にエンジンの1基が波をかぶり出力が低下したため、緊急対応として、残る3基を稼働させて飛び立つ「3発離水」を行った際に、機体の姿勢を制御しようとする操作・操縦が過大であったことが原因で、海面に衝突しエンジンが脱落したとしています。

また、US-2の操縦ハンドブックなどの技術刊行物に「3発離水」に関する具体的な手順や判断基準が示されていなかったことも要因としてあげられており、説明を行った第31航空群の竹山首席幕僚は、過大な操作については「操縦ミスには当たらない」と説明しています。

なお再発防止のため、US-2による洋上離着水を含む段階的な訓練飛行の実施や3発離水手順の見直しなどが今後予定されており、洋上での救難などの実務投入は2016年3月以降に再開される見通しとなっています。

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