羽田空港で保管するYS-11量産初号機、「可能な限り有効活用を」

羽田空港で保管するYS-11量産初号機、「可能な限り有効活用を」

ニュース画像 1枚目:2011年に展示されたYS-11量産初号機
© りんたろう さん
2011年に展示されたYS-11量産初号機

総務省の独立行政法人評価制度委員会で2015年10月、国立科学博物館が所蔵するYS-11量産初号機について、「可能な限り有効活用することが重要」と指摘しています。

機体記号(レジ)「JA8610」で、国土交通省航空局で飛行検査機「ちよだ11」として運用され、1998年12月18日のラストフライトまで、約2万時間超を飛行した機体で、羽田空港の格納庫で保管され、その状態も良いとされている機体です。

委員会は、この機体の保管料などを含めた維持管理経費は寄付金と相殺し、単年度ベースで約650万円から800万円を要しているものの、おおよそ年2回の公開に留まっているため、その有効活用を指摘したものです。

近年、実施された公開事例として、2014年度は「羽田空港空の日フェスティバル2014」で約7,000人と多くの人の目に触れる機会があったものの、2013年度は「羽田空港空の日フェスティバル2013」で1,553人、「第9回全日本学生室内飛行ロボットコンテスト」で約500人、「青少年ものづくりフェスタ2014 紙飛行機を飛ばそう!!!」で106人、2012年度は「羽田空港空の日フェスティバル2012」で1,785人、「青少年ものづくりフェスタ2013 紙飛行機を飛ばそう!!!」で114人の実績となっています。

評価制度委員会は、国立科学博物館が収集、保管するナショナルコレクションの収集や将来にわたる資料、標本の保存方策について検討を加えたもので、同博物館が1年間に平均で約67,000点増加し、5年間で30万点増は達成可能との目論見から「A」評定としているものの、限りある収蔵スペース、収集と収蔵・保管方法など方針を検討、確立する必要があるとの視点から、YS-11についても指摘したものです。

「JA8610」は、日本航空協会の重要航空遺産に指定されています。その選定理由として、国立科学博物館はできる限り航空局で運用されていた状態を保ち、1999年から2008年まで年4回の定期点検を継続的に実施し、防錆処置などメンテナンスや経年変化などが記録されている点でも貴重だと評価しています。

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