ボーイングの旅客機メーカーとして成功の一旦を担うボーイング247Dが2016年4月26日(火)、最後のフライトを行ないました。飛行した機体は、ミュージアム・オブ・フライトが1966年から所有する機体で、ユナイテッド航空の塗装が施されています。ラストフライトは、ペインフィールドからボーイング・フィールドへ15分間で、今後はミュージアム・オブ・フライトで展示されます。
ラストフライトは、マイク・キャリカーさんが機長、チャド・ランディさんが副機長を務めました。キャリカーさんは787ドリームライナーのチーフ・テスト・パイロットを務めており、ボーイングの最新鋭機から最も古い機種までの操縦ができるパイロットとなりました。ちなみにマイク・キャリカー機長は787の初飛行時に機長を務め、中部国際空港(セントレア)に787初号機のラストフライトで操縦桿を握ったことでも知られています。
247Dは1933年2月に初飛行し、近代の旅客機を代表する1機です。この機種の開発で金属構造、自動操縦装置、引き込み脚といった技術が採用され、スピードと快適性をもたらしました。ユナイテッド航空に採用されましたが、その後に登場したDC-2やDC-3などダグラス製の機材にこうした技術が反映され、さらなる旅客機の快適性につながりました。
こうした功績から、ワシントンD.C.の国立航空宇宙博物館本館にもこの機体が展示されており、現在は世界に4機が現存しています。
■Boeing 247D Final Flight
■The Boeing 247D Limbers Up
※配信後、文中の一部文字を修正しました。お読みいただいた皆様にはご迷惑をおかけいたしました。