海上保安庁は西之島付近の火山活動について2016年5月20日(金)、羽田航空基地所属MA722の「みずなぎ」で観測を実施、その状況を発表しました。火山活動の観測では、噴火は認められませんでしたが、火口縁や火砕丘周辺の溶岩原には地表温度の高い領域が点在し、火山活動は継続していることが確認されました。
西之島の地表は、温度の高い領域が点在し、3月、4月の観測とほとんど変化はありませんでした。西之島の北側から東側の海岸沿いに、青白色の変色水域が幅約200メートルから300メートルで分布し、西之島の南海岸付近から薄い黄緑色の変色水域が南東方向に長さ約500メートル、幅約100メートルで分布しています。
観測に同乗した東京工業大学火山流体研究センターの野上健治教授は「火口内から青紫色を帯びたSO2の放出と見られる火山ガスが放出され、噴気は温度の高い状態が継続している。新たなマグマの供給を示唆する現象は認められず、静穏な状態にあると考えられる」とコメントしています。
今回の観測で計測した陸地の形状は、暫定値で東西、南北ともに約1,900メートルと3月5日時と同様で、面積は約2.65平方キロメートルです。