運輸安全委員会、2015年の茨城県ウルトラライトプレーン墜落事故で報告書

運輸安全委員会、2015年の茨城県ウルトラライトプレーン墜落事故で報告書

ニュース画像 1枚目:事故機の推定飛行経路
© 国土交通省 運輸安全委員会
事故機の推定飛行経路

国土交通省 運輸安全委員会は2016年6月30日(土)、茨城県つくば市で2015年8月15日(日)に発生したウルトラライトプレーンの墜落事故について、調査報告書を公表しました。

この事故は、茨城県筑西市の「明野スカイスポーツクラブ場外離着陸場」を離陸した自作航空機「ISHIJIMA式MCR-01型」の機体番号「JX0145」が、離陸の約20分後につくば市内のゴルフ場に墜落、機体が大破して搭乗していた2名が死亡したものです。

報告書は墜落の原因について、飛行中に事故機の機首が上がり失速してスピンに入り回復できなかったため墜落したものと考えられるとしています。墜落機は燃料漏れが生じる不具合から重量的に重心位置の後方限界をクリアできる十分な燃料を搭載することができず、飛行中に機体の残燃料が低下すると同時に重心位置が機体後方へ変化、2人搭乗した場合は操縦桿操作を限界まで実施しても機種上がりを防ぐことができない構造上の問題があった可能性がありました。

また、操縦者が正確な重心位置の範囲も決定していなかったことから、報告書は失速の要因について、実際に同様の機種上がりが発生し、失速に至った可能性を指摘しています。

なお、事故機の操縦者は自作航空機である同機を飛行させるために必要な航空法の許可を得ないまま飛行を行っていたことから、航空局は事故再発防止の手段として、全国の超軽量動力機の使用者などに対して許可取得と違反を知り得た場合の報告を徹底するよう指示しました。

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