ANA、「JA16AN」背面飛行の勧告で完了報告 各種訓練を実施

ANA、「JA16AN」背面飛行の勧告で完了報告 各種訓練を実施

運輸安全委員会は2016年6月28日(火)、当時のエアーニッポン運航の737-700、機体番号(レジ)「JA16AN」が2011年9月6日(火)、背面飛行した重大インシデントに関連し、全日空(ANA)に勧告を行っていましたが、この措置の完了報告が提出されたと発表しました。

この重大インシデントは、ANA140便として那覇から羽田に向けて飛行していた際、串本の東69マイル、高度約41,000フィートで、機体が異常姿勢の状態となったもので、乗員乗客117名のうち、客室乗務員2名が軽傷を負いました。

運輸安全委員会は2014年9月、この件に対する勧告を行い、2015年3月にANAから対応する実施計画の提出を受けており、今後講じる対策について今回、完了したものです。

運航乗務員1名で運航を継続する場合、基本的遵守事項の徹底とその教育を2015年度から3年に一回、学科の定期訓練で教育するとしていましたが、「離席前、極力ワークロードが低い時期を選ぶこと」、「入室時、開錠する場合にスイッチを目視で確認し、確実に操作すること」など、定期訓練対象者の2,024名の履修が確認されています。

また、高高度での失速警報を伴う異常姿勢からの回復訓練については、失速から回復方法を教育する教材を作成し、2015年度の定期訓練で全運航乗務員が履修するとしていましたが、こちらも対象者の2,024名の履修が確認されています。

継続的に検討するとしていた「回復過程がシミュレーターの再現性能の限界を超えたかどうかを判定できるシステムの導入」は、国際会議などを通じて調査を進めており、具体的な導入検討を開始しているとしています。

さらに、「異常姿勢が訓練生に予期されないで発現するシナリオの作成」については、導入まで時間がかかるものの、受訓者に目を伏せさせた状態で教官がシミュレーターを異常姿勢に環境設定し、ハンドオフするなどの工夫で対応していることを紹介しています。

※高度を訂正いたしました。お読みいただいた皆様にはご迷惑をおかけいたしました。

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