海保DHC-8の西之島観測、変色水域の拡大を確認 熱水活動活発化の可能性

海保DHC-8の西之島観測、変色水域の拡大を確認 熱水活動活発化の可能性

ニュース画像 1枚目:西之島周辺の変色水域の状況 海上保安庁9月15日撮影
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西之島周辺の変色水域の状況 海上保安庁9月15日撮影

海上保安庁は、小笠原諸島の西之島付近の火山活動について、2016年9月15日(木)に羽田航空基地所属のDHC-8-300で定例観測を実施、観測結果を公表しました。観測に使用されたのは「みずなぎ」の愛称で運用されるMA725、機体番号(レジ)「JA725A」です。

発表によると、火口、その周辺には噴気や火山ガスの放出は視認されず、熱計測装置の撮影結果では、顕著な高温域の分布は認められませんでしたが、西之島の海岸線に薄い褐色の変色水域が幅約200メートルから1,000メートルで分布していることが確認されました。

観測に同乗した東京工業大学火山流体研究センターの野上健治教授は、「噴煙および噴気活動は今回の観測でも認められなかったが、変色水域が島の周囲に広く分布しており、その面積は先月に比べて明らかに増加している」とコメント、火山活動全体としては縮退した状態であるものの、8月に比べると熱水活動はやや活発な状態である可能性を示唆しています。

なお、西之島の噴火に関する航行警報は解除されたものの、西之島の地形、周辺の水深は火山活動で大きく変化し、詳細な水深が不明のため、航行時は十分な注意が必要と同庁では呼びかけています。

今回の観測で計測した陸地の形状は、8月と変化なく暫定値で東西、南北ともに約1,900メートルで、面積は約2.68平方キロメートルです。

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