英、ヒースロー空港で3本目滑走路建設を決定 空港会社は大阪路線に期待

英、ヒースロー空港で3本目滑走路建設を決定 空港会社は大阪路線に期待

ニュース画像 1枚目:ロンドン・ヒースロー空港
© Heathrow Airports Limited.
ロンドン・ヒースロー空港

イギリス運輸省は2016年10月25日(火)、ロンドンの空港拡張計画で、ヒースロー空港に3本目の滑走路を設けると決定しました。議会承認を経て、2025年に完成する予定です。

発表によると、新滑走路の経済効果は、60年間で610億ポンド、日本円で7.7兆円、2030年には新たな雇用を最大で77,000人分を創出するとしています。また、2040年の供給座席数の予想で、長距離路線に限り1600万席が増えるほか、ヒースロー発着で新たに6路線が確保されます。

イギリス運輸省は、ヒースロー空港の新滑走路は、イギリスと世界各地の接続を改善し、輸出をはじめ貿易や雇用機会をサポートし、世界とのつながりを促進するとし、ビジネスとともに旅客には世界各地へアクセスできるメリットがあるとしています。特に空港拡張で、長距離路線の増加が期待され、経済成長が見込まれるアジアや南米へのアクセスで、イギリスの成長性を確保します。

この第3滑走路を新設することで、長距離路線に加え、イギリスの地方都市への新たな路線の確保も実現します。すでに発表されている案では、ヒースロー空港発着で、ベルファスト国際空港、リバプール、ニューキー、ハンバーサイド、プレストウィック、ダーラム・ティーズ・バレーの6路線が提案されています。これにより、現在のエジンバラ、グラスゴー、インバネス、アバディーン、ベルファスト、マンチェスター、ニューカッスルリーズブラッドフォードとあわせ、国内線は14路線となります。

なお、新滑走路は現在運用する2本の滑走路の北西に設けられ、これに伴い、住民の立ち退きなどが必要となります。立ち退き対象となる住民には、市場価格の125%で買い取りが行われ、新たな騒音区域となる地域への防音工事に7億ポンドの予算が付けられます。

イギリス運輸省の発表では、拡張はロンドン・ヒースロー空港のみで、巻き返しを図っていたロンドン・ガトウィック空港の拡張は見送り、スタンステッド空港も現行のままとなります。この発表を受け、ヒースロー空港は歓迎しており、長距離路線の就航地として、関西国際空港や武漢、キトなどに就航できるようになるとアピールしています。

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