超音速旅客機めざすXB-1「ベイビー・ブーム」、2017年後半に初飛行へ

超音速旅客機めざすXB-1「ベイビー・ブーム」、2017年後半に初飛行へ

ニュース画像 1枚目:超音速機XB-1
© Boom Technology, Inc.
超音速機XB-1

ブームテクノロジーは2016年11月15日(火)、超音速機XB-1のデザインをセンテニアル空港で公開しました。XB-1は超音速旅客機のプロトタイプ機で、その愛称は「ベイビー・ブーム」と命名されています。発表イベントには、航空会社のスタッフなども招かれました。

ブームテクノロジーは、XB-1が世界で最も早い民間機になると宣言し、これまでの超音速飛行で実現された主要技術を活用すると説明しています。同社の開発目的は、ジェット時代を迎えて60年が経過したものの、速度は1960年代のままであることから、2017年からはじまる超音速旅客機の3分の1スケールで実施する初飛行を皮切りに、新たな時代を築きたいとコメントしています。

XB-1デモンストレーター「ベイビー・ブーム」は、エンジンでGE、アビオニクスはハネウェル、炭素繊維はテンケイト(Tencate)の協力を受け、センテニアル空港に所在するブームテクノロジーの施設で最終組立が行われています。公開されたデザイン画の通り、3発機でコンコルドから学んだ空力性能、効率的なエンジン、新たな炭素繊維素材を組み合わせて、ジェット機より2.6倍速く、安全な超音速機をめざします。

ブームテクノロジーは、XB-1の開発は政府や軍の協力を得ていない民間独自で初めての取り組みとしています。航行速度はマッハ2.2と、コンコルドより10%スピードが速く、実績ある航空力学、材料、推進力を使用します。

また、機内は通路をはさみ1席ずつとし、大きな窓、頭上のオーバーヘッドビンを確保し、快適性を高めます。航行は高度60,000フィートと乱気流が少なく、これも乗り心地に直結するとしています。

この初飛行は2017年後半で、飛行エリアはデンバー州東部としています。このうち、超音速飛行はカリフォルニア州南部のエドワーズ空軍基地近くで実施し、ヴァージン・ギャラクティックの協力も得るとしています。プロトタイプ機での飛行を重ね、技術的な問題をクリアしていく計画です。

超音速旅客機ではアエリオンが受注を獲得するなど、その開発も進められています。

※一部、タイトル、記事中の文言を変更しました。

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