2015年に鹿児島で発生のニアミス、JA80CTの機長が先行機を取り違え

2015年に鹿児島で発生のニアミス、JA80CTの機長が先行機を取り違え

ニュース画像 1枚目:重大インシデントの位置関係、運輸安全委員会の報告書より
© 運輸安全委員会
重大インシデントの位置関係、運輸安全委員会の報告書より

運輸安全委員会は2016年12月15日(木)、2015年10月10日(土)に鹿児島空港で発生した日本航空(JAL)と新日本航空のニアミスによる重大インシデントについて報告書を公表しました。

これは、JALの767-300、機体記号(レジ)「JA8364」が滑走路34へ最終進入中、新日本航空のアイランダー「JA80CT」がその前に進入経路に割り込む形で接近したことから、「JA8364」が復行で回避しました。2機のニアミス後、いずれも無事に鹿児島空港に着陸し、けが人などは発生していません。

このインシデントは、「JA80CT」の機長が「JA8364」の前を飛行していたDHC-8を管制とのやり取りで先行機と取り違え、最終進入経路に進入し「JA8364」と接近したとみられます。

「JA80CT」の機長が先行機を取り違えたことは、管制塔から提供された先行機の型式、位置についての交通情報を正しく理解していなかったこと、あわせて管制官が「JA80CT」に「FOLLOW」を指示した際、JA80CTの機長は先行機が1機しかいないとの思い込みがあったこと、管制が着陸順位を伝えていなかったことが関与した可能性が考えられるとしています。

この再発防止策として、新日本航空は当該乗員に重大インシデントに関する座学訓練、飛行訓練を実施したほか、全乗員をヒューマンエラーに関する事故事例などを交えた安全教育を実施し、ヒューマンエラーやニアミス防止についての討議で管制官との交信で曖昧な伝達をしないこと、視認した関連先行機の型式、位置などを具体的に応答することを決めました。

また、航空局は重大インシデントを共有すると共に、管制官が適切な業務を実施している場合でも、同様の事例が発生するおそれがあることから航空機の確実な視認、外部監視の徹底について注意喚起しました。

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