世界最大の消防飛行機「スーパータンカー」、2017年から本格稼働へ

世界最大の消防飛行機「スーパータンカー」、2017年から本格稼働へ

ニュース画像 1枚目:スピリット・オブ・ジョン・ミューア、イスラエルでの活動時
© Global SuperTanker Services
スピリット・オブ・ジョン・ミューア、イスラエルでの活動時

グローバル・スーパータンカー・サービシーズは2017年1月10日(火)、アメリカ林野局(USFS)傘下のインターエージェンシー・エアタンカー・ボード(IAB)から空中消火技術に関する暫定承認を得たと発表しました。この認可は1月6日(金)付けで、同社が保有する747-400タンカーで2017年の森林火災に対応し、アメリカ連邦政府、各州、また国際的な消防契約が対象となります。

グローバル・スーパータンカー・サービシーズの747-400は、約20,000ガロンの水、難燃剤、あるいは抑制剤を1種類、または複数を搭載できる特許システムを採用し、消火活動にあたります。搭載した液体は、航空機の加圧タンクから様々な速度で放出し、火災の状況にあわせた対応を行うことができます。この機体は世界で最も機齢の若い、現代的で最も速い超大型エアタンカー(VLAT)です。また、この747-400は現在認可されているエアタンカーでは最大で、2番目に大きな機体と比べ約2倍の能力を誇ります。

今回の認可取得により、USFSとの契約をはじめ、各種のアメリカ国内での消防契約、国際契約に参加が可能になります。同社は引き続きUSFS、カリフォルニア州消防局(CAL FIRE)、IABなどと協力し、IABの最終認可の取得に向けた手続きを進めるほか、各種活動に協力するとしています。

この747-400は機体記号(レジ)「N744ST」で、愛称は「The Spirit of John Muir(スピリット・オブ・ジョン・ミューア)」と名付けられています。アメリカ連邦航空局(FAA)から2016年9月に認可を得ており、すでに2016年11月にはイスラエルでの火災に対応し、その能力を発揮しています。

「ジョン・ミューア」は、毎時600マイルの速度で飛行が可能で、アメリカ西部は3時間以内で活動に対応でき、全世界にも20時間以内に消防活動を開始することが可能です。なお、この機体はかつて日本航空(JAL)で活躍していた「JA8086」で、1991年10月に初飛行した機齢25年の機材です。

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