運輸安全委、2016年4月に阿蘇で発生のグライダー墜落事故で報告書

運輸安全委、2016年4月に阿蘇で発生のグライダー墜落事故で報告書

ニュース画像 1枚目:事故機の推定飛行経路
© 運輸安全委員会
事故機の推定飛行経路

国土交通省運輸安全委員会は2017年2月23日(木)、熊本県阿蘇市の阿蘇観光牧場飛行場で2016年4月10日に発生した、グライダーのSNセンターエア式センターエア101B型、機体記号(レジ)「JA2437」の墜落事故について、調査報告書を公表しました。

この事故は、ウインチ曳航により阿蘇観光牧場飛行場の滑走路26から上昇した「JA2437」が、上昇中にウインチが故障したため場外に不時着を試みたものの失敗、観光牧場内のクロスカントリーコースに墜落したものです。搭乗者に死傷はありませんでした。

報告書は墜落の原因について、ウインチ曳航からの離脱後、十分な高度がなかったにもかかわらず機長が旋回後の着陸を試みたこと要因に挙げています。機長が旋回後の着陸を試みたことについては、対地高度を気圧高度計から読み取るための事前準備が十分でなく、正しく対地高度を読み取れなかったと推定されるとしています。

なお、同機を曳航中に故障したウインチは、機長が所属するクラブで20年以上使用されていたもので、事故後にプロペラシャフトの破断が確認されています。報告書では、このウインチの点検整備の実績が確認できなかった点についても指摘、同クラブでは点検記録簿を制定するなどの再発防止策が実施されています。

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