オランダ航空宇宙センター(NLR)の研究者などで構成される環状滑走路プロジェクト「The Endless Runway Project」が、シミューレションを行う段階まで研究が進んでいます。イギリスのBBCが3月16日(木)付けで現在の研究の様子を紹介、話題を集めています。
このプロジェクトは、現在は直線が一般的な空港の滑走路を、路面を傾斜させて円形に配置することを提案した研究テーマです。滑走路を環状にする発想そのものは、1960年代にアメリカ海軍などで研究された実績がありますが、民間飛行場における環状滑走路はこれまで建設されたことはなく、2012年にNLRが研究プロジェクトとして「The Endless Runway Project」を開始しました。
プロジェクトチームは、滑走路を環状にするメリットとして、あらゆる風向きでも運用できることや、管制塔からの視認性の良さ、騒音の低減、限られた敷地でも建設できることなど挙げています。また、円周の長さは、同じ敷地に配置できる直線と比較して長い距離が確保できるため、プロジェクトチームは同時に3機の機体が離着陸できると想定しています。
BBCは、現在の研究の様子として、NLRのシミュレーター施設を用いて環状滑走路のシミューレーションが行われている様子や、同研究が欧州委員会から資金提供を受けていることなどを紹介しています。