サーブは2017年4月4日(火)、グリペンで初めて100%バイオ燃料による試験飛行を実施したと発表しました。同社はグリペン戦闘機が代替燃料での飛行が可能で、かつバイオ燃料を使用する貴重な知識を得ることが出来たとしています。特に、100%バイオ燃料での飛行は、防衛上の観点からは輸入する石油に依存することなく、かつ燃料の柔軟性を生み出すとしています。さらに、軍用機が環境へもたらす影響を減らすこともできるとしています。
今回の一連の飛行は、単発の戦闘機として100%バイオ燃料で飛行したことは初めてで、サーブの施設が所在するリンシェーピング空港で、グリペンDを使用して実施されました。システムテスト、地上試験を経て飛行試験に至るまで、全て計画通りに実施されました。
使用したバイオ燃料は「CHCJ-5」で菜種油からできており、この一連の飛行で通常のジェット燃料と異なる点がないことを試験チームは確認したものの、引き続きバイオ燃料の検証、運用上のニーズに対応する燃料確保の課題に取り組みます。
このプロジェクトはスウェーデン防衛装備管理局(FMV)が支援、グリペンC/Dのエンジンを製造するサーブ、GKNエアロスペースが参加したほか、アメリカ海軍、アメリカ空軍ともバイオ燃料の認証について知識や経験などを共有した取り組みです。