ユナイテッド、乗客対応方針を見直し 補償額は最大10,000米ドルに

ユナイテッド、乗客対応方針を見直し 補償額は最大10,000米ドルに

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ユナイテッド航空は、ユナイテッド・エクスプレスで運航したUA3411便ですでに座席に着席していた顧客の意思に反して降機させた件について、報告書をまとめ、今後の対応を発表しました。警察に依頼して降機させた医師のダオ氏とも、示談がまとまっています。

この一連の問題について、ユナイテッド航空は問題点を4つ、あげています。まず、(1)安全や保安上の問題がないものの、業務を実行するために法執行機関に出動を依頼したこと、(2)乗務員の出発直前の再予約、(3)旅客に席を譲ってもらう補償が不十分であったこと、(4)今回のような困難な状況を想定した社員教育と権限委譲の不足をあげています。(2)は以前の規定では禁止されておらず、(3)は空港係員に補償の増額や他の交通機関の利用といった解決策を自身の裁量で提供する権限はありませんでした。

見直しを行う上で、「さらなる顧客第一主義への転換」「業務方針により、お客様、社員、ビジネスパートナーが困難な状況に陥らないようにする」「旅客の意思に反して搭乗を断る件数"ゼロ"を目指す」を基本に、新たな業務方針を検討しました。これにより、問題点の(1)について、警察など法執行機関への協力は、安全や保安上の問題が発生した場合に限り、すでに4月12日から実施されています。また、安全や保安上の問題が内場合、搭乗済み旅客に降機を強制しないことも4月27日(木)から実施します。これにより、ダオ医師の事案ですでに着席したにも関わらず降機させ、Twitterなどで「ユナイテッドは飛ぶまで安心するな」といった批判にも対応します。

さらに、問題点の(3)に関して、補償額の条件を10,000米ドル、日本円で111万円超(2017年4月28日の為替レート)にまで増額し、4月28日(金)から実施します。また、「カスタマー・ソリューション・チーム」を6月までに編成し、地上係員が解決できないような事案にも臨機応変に近隣空港への便の提案や、必要に応じて地上交通を提供します。

問題点(2)については、乗務員の予約は出発60分前とし、4月14日(金)から実施しているほか、(4)については社員向けトレーニングを毎年実施します。このほか、便の変更を自主的に了承する旅客の自動登録システムの構築、オーバーブッキング数の削減、社員が顧客サービス上の問題を現場で即座に解決できるよう社員向けアプリを2017年内の導入とあわせ権限を強化します。

また、紛失し、戻らなかった手荷物への無条件弁償制度を新たに導入し、手荷物の中身に対して1,500ドル、日本円で16.7万円を補償する追加策も決定しました。1,500ドル超の弁償リクエストには、追加書類が必要になる場合があるとし、この制度は6月に導入とも明らかにしました。

ユナイテッド航空のオスカー・ムニョスCEOは、「なすべきことは、言葉よりも行動で示すことと考えます。正すべきを正し、今後、このようなことが二度と起こらぬよう、具体的かつ意味のある改善策を示し、実行に移してまいります」とのコメントを発表しています。

※当初配信のムニョスCEOコメントに読みにくい点がありました。修正して改めて公開しています。お読みいただいた皆様にはご迷惑をおかけ致しました。

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