ボーイングと宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2017年8月2日(水)、ボーイングのエコデモンストレーター・プログラムで晴天乱気流を検知するテクノロジーを搭載した飛行試験を2018年に実施すると発表しました。JAXAが乱気流事故防止機体技術の実証(SafeAvio)プロジェクトとして検知システムの開発に取り組んでおり、これを大型機に搭載し、飛行試験するものです。
JAXAはSafeAvioプロジェクトで、航空機搭載型で17.5キロメートルと世界トップクラスの乱気流検知距離、83.7キログラムの軽さを実現したシステム開発、実証に成功しています。乗客1人分程度の重量で、約70秒前に乱気流を検知でき、乗客にシートベルト着用を促す時間的な余裕を生み出し、負傷者を6割以上減らすことができる技術です。ボーイングが研究開発成果を高く評価、エコデモンストレーター・プログラムでの飛行試験が決定しました。
JAXAではエコデモンストレーター・プログラムの飛行試験は、大型旅客機の実装に向けた機体製造メーカの評価を得られる貴重な機会と同時に、航空会社や他の機体メーカに意義や価値を高め、標準化プロセスの加速も期待できるとしています。
なお、ボーイングのエコデモンストレーター・プログラムは、2018年からフェデックスの協力により、777貨物機を使用する計画です。これまで同プログラムはアメリカン航空の737-800、787、757に加え、2016年はERJ-170を使用して各種、航空機の運航や環境に関わる技術の実証に取り組んでいます。