IHI、将来の戦闘機用ジェットエンジンXF9-1のプロトタイプを納入

IHI、将来の戦闘機用ジェットエンジンXF9-1のプロトタイプを納入

ニュース画像 1枚目:ジェットエンジンXF9-1プロトタイプ
© 防衛装備庁
ジェットエンジンXF9-1プロトタイプ

IHIは2018年6月29日(金)、防衛装備庁から受注、研究試作を手がけた将来の戦闘機用を目指した推力15トン級ジェットエンジンのプロトタイプエンジンXF9-1を納入したと発表しました。IHI瑞穂工場で、防衛装備庁航空装備研究所に納入したものです。

XF9-1は、世界最先端のコンピュータシミュレーションを駆使した設計技術、材料技術や加工技術を随所に採り入れた戦闘機用エンジンのプロトタイプエンジンです。IHIが手がけた将来の戦闘機用コアエンジンをベースに前部にファン、後部に低圧タービン、アフターバーナ、排気ノズルを装着しています。

IHIは、2010年度に防衛装備庁から「次世代エンジン主要構成要素の研究試作」を受注し、世界最先端技術を取り入れた戦闘機用エンジンを提案し、圧縮機・燃焼器・高圧タービンの試作など要素研究を実施しています。さらに、2013年度に「戦闘機用エンジン要素の研究試作」を受注し、コアエンジンを設計製造、2017年6月に防衛装備庁航空装備研究所に納入しています。航空装備研究所での試験で、コアエンジンの目標とする高圧タービン入口温度1,800度で作動健全性の確認も完了しています。

今回納入されたプロトエンジンは、2015年度にIHIが受注した「戦闘機用エンジンシステムの研究試作」で、2010年度の研究試作で提案した最先端技術をエンジンにインテグレートし、国内企業の協力も得て製造しています。納入を前に2018年6月、所定の機能性能を満たすことが確認され、納入されました。

IHIは今後、航空装備研究所を万全の態勢でサポートし、今回活用された技術を発展・統合させ、戦闘機用エンジン研究開発の技術基盤の構築を図る方針です。防衛装備庁は、2019年度末までエンジン運転試験を実施し、基本的な性能を確認する計画です。

■XF9-1主要諸元
全長:約4.8m
入口直径:約1m
アフターバーナー作動時最大推力:15トン以上
アフターバーナー非作動時最大推力:11トン以上
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