航空会社 ANA (全日空)
- 国
- 日本
- IATA | ICAO
- NH | ANA
- メンバー評価
- 搭乗レビュー 4.05 [11,105件]
- アライアンス
- スターアライアンス
搭乗レビュー
2016年帰国旅行7便目-健気に頑張る767
- 口コミ投稿者
- MaplecroftInnkeeperさん
搭乗写真
総評
香港から先はスタアラのパートナーエアラインであるANAです。南ア航空のウェブサイトでチケットを購入した際、香港から東京までの便は当然のごとくANAでしたが、オービッツなどの航空券予約サイトで検索したところ、この区間はキャセイの便が出てきました。キャセイは去年乗ったから・・・やっぱり今回はANAに乗れた方がいいと自分は納得しましたが、今後南ア航空は香港を拠点にキャセイとの協力関係を構築していく方針のようで、香港-東京もスタアラのパートナーシップを差し置いてキャセイとのコードシェアになる日がそう遠くないかもしれません。というのも、香港-日本の路線は、キャセイ(ドラゴンを含めて)のほうが、ANAが飛ばしていない福岡や札幌などにも飛んでいて就航都市も多いし、座席数ではANAの5倍以上と圧倒的に多いのです。しかもANAでは日本の市場にしか広げられないのに対し、キャセイならば香港から多くのアジア地域に進出が可能です。今のところ、南ア航空は利益率が低いという理由で日本への就航は考えていないようです。
ということで、最後にバトンを受け継いで自分を無事に故郷に送り届けてくれたエアラインは、ありがたくも日系キャリアだったのです。ですが、この便、ANAならず「エアージャパン」による運航となっていました。は?エアージャパンって一体何者?乗ってみたら、機体からCAさんのユニフォームから機内サービスから何から何までANAじゃないですか・・・。
この会社、ANAが100%出資する子会社で、もともと1990年に国際線チャーター便を運航する会社「ワールドエアーネットワーク」という名で設立された会社なんだそうですが、1995年にいったん事業を休止してから、2001年に「エアージャパン」に社名変更して業務を再開、その翌年関空からソウル、グアム便、翌2003年に成田からホノルル、グアム便などを就航し、主にアジアのリゾート路線をANAから受託してB767によって運航し、ANAの国際線網の拡大を支援することを目的とした会社のようです。あくまでもANAブランドで、LCCではありません。香港の他にも大連や青島など、中国に何か所か就航しており、キャセイに負けてなるものかと思っているのかな?
ANAは国際線の路線網を拡大する方向で戦略を進めていて、日本の客だけでなく、成田で乗り換えて東南アジアと北米方面を行き来する客も取りこもうとする姿勢のようですが、座席数を増やすことが狙いのようで、この便も御多分にもれず、シートピッチも狭く、詰め込まれている雰囲気です。だけど、このB767、1980年代の終わりごろからANAが中距離国際線用にかなり積極的に導入した機材で、保有機材数全体230機程度のうち52機もあり、保有機材が1,200以上もあるユナイテッドが51機しか持っていないことを考えると、かなりの数です。911事件以来、世界のエアラインはこぞって燃料消費の効率化を目指していますが、ANAも御多分にもれず、機種を少なくし、小型化と多頻度運航、燃料消費の効率化を柱にしたフリート戦略を打ち立て、B767はB787に取り換えられる方針になりました。ふーん、そうするとエアージャパンが業務を再開して、このB767の運航を押し付けられたのもちょうどその頃のことなんだあ・・・。ということは、長年重宝がられて活躍したB767は、かわいそうに無用の長物となって子会社に払い下げられ、詰め込み式のみじめな姿でこき使われているのですね。そう思うと、なんだかこの機体が痛々しく思えてきてしまいました。B767は今ではほとんど受注も製造もされていないし、だんだんと仲間が墓に葬られていくのを横目で見ながら一生懸命飛んでいるんですね、きっと。ガンバレー。
そんな飛行機に乗り込んだら、日本語の機内放送が真っ先に耳に入りました。ああ、これでやっと日本に帰れるんだ…。なんだか、迷子になってオロオロしている小さい子供が、顔見知りのおじさんに出くわした時の安堵感にも似た気分がします。CAさんたちも、心遣いが細かくて、飲み物や食事のサービスをするのも、左右の通路できちんと同調しているし、飲み物サービスが終わって食事を配り始める前に、これから食事のサービスだから、背もたれを元の位置に戻せとアナウンスしたり、本当に感心します。目の前に出された機内食も、こころなしか日本の味がするような気がしました。気持が落ち着いて安心したせいか、食事を済ませて一息ついたら、ウトウトと居眠りをしていました。夕方前に乗り込んだ飛行機ですが、外はいつの間にか夜空になっていました。東京まであと一息です。
「皆さま、当機は成田東京国際空港に向けて最終着陸態勢に入りました。どなた様もお座席にお戻りになり、シートベルトをしっかりとおしめください。お座席の背もたれと前のテーブルは元の位置にお戻しください。手荷物は頭上の棚か、前の座席の下にしっかりとおしまいください。またこれより先、お化粧室のご使用はお控えください。…。」
まだ太平洋上空のようで、下を見ても何も見えませんでしたが、飛行機が着実に高度を下げていくのが体に感じられます。パイロットやCAさん、空港の係員さんや、機材の整備士さん、機内食を作ってくれたケータリングの人たちまで、日本にたどり着くまでに、本当にたくさんの人にお世話になったのだなと、ふと思いました。
ということで、最後にバトンを受け継いで自分を無事に故郷に送り届けてくれたエアラインは、ありがたくも日系キャリアだったのです。ですが、この便、ANAならず「エアージャパン」による運航となっていました。は?エアージャパンって一体何者?乗ってみたら、機体からCAさんのユニフォームから機内サービスから何から何までANAじゃないですか・・・。
この会社、ANAが100%出資する子会社で、もともと1990年に国際線チャーター便を運航する会社「ワールドエアーネットワーク」という名で設立された会社なんだそうですが、1995年にいったん事業を休止してから、2001年に「エアージャパン」に社名変更して業務を再開、その翌年関空からソウル、グアム便、翌2003年に成田からホノルル、グアム便などを就航し、主にアジアのリゾート路線をANAから受託してB767によって運航し、ANAの国際線網の拡大を支援することを目的とした会社のようです。あくまでもANAブランドで、LCCではありません。香港の他にも大連や青島など、中国に何か所か就航しており、キャセイに負けてなるものかと思っているのかな?
ANAは国際線の路線網を拡大する方向で戦略を進めていて、日本の客だけでなく、成田で乗り換えて東南アジアと北米方面を行き来する客も取りこもうとする姿勢のようですが、座席数を増やすことが狙いのようで、この便も御多分にもれず、シートピッチも狭く、詰め込まれている雰囲気です。だけど、このB767、1980年代の終わりごろからANAが中距離国際線用にかなり積極的に導入した機材で、保有機材数全体230機程度のうち52機もあり、保有機材が1,200以上もあるユナイテッドが51機しか持っていないことを考えると、かなりの数です。911事件以来、世界のエアラインはこぞって燃料消費の効率化を目指していますが、ANAも御多分にもれず、機種を少なくし、小型化と多頻度運航、燃料消費の効率化を柱にしたフリート戦略を打ち立て、B767はB787に取り換えられる方針になりました。ふーん、そうするとエアージャパンが業務を再開して、このB767の運航を押し付けられたのもちょうどその頃のことなんだあ・・・。ということは、長年重宝がられて活躍したB767は、かわいそうに無用の長物となって子会社に払い下げられ、詰め込み式のみじめな姿でこき使われているのですね。そう思うと、なんだかこの機体が痛々しく思えてきてしまいました。B767は今ではほとんど受注も製造もされていないし、だんだんと仲間が墓に葬られていくのを横目で見ながら一生懸命飛んでいるんですね、きっと。ガンバレー。
そんな飛行機に乗り込んだら、日本語の機内放送が真っ先に耳に入りました。ああ、これでやっと日本に帰れるんだ…。なんだか、迷子になってオロオロしている小さい子供が、顔見知りのおじさんに出くわした時の安堵感にも似た気分がします。CAさんたちも、心遣いが細かくて、飲み物や食事のサービスをするのも、左右の通路できちんと同調しているし、飲み物サービスが終わって食事を配り始める前に、これから食事のサービスだから、背もたれを元の位置に戻せとアナウンスしたり、本当に感心します。目の前に出された機内食も、こころなしか日本の味がするような気がしました。気持が落ち着いて安心したせいか、食事を済ませて一息ついたら、ウトウトと居眠りをしていました。夕方前に乗り込んだ飛行機ですが、外はいつの間にか夜空になっていました。東京まであと一息です。
「皆さま、当機は成田東京国際空港に向けて最終着陸態勢に入りました。どなた様もお座席にお戻りになり、シートベルトをしっかりとおしめください。お座席の背もたれと前のテーブルは元の位置にお戻しください。手荷物は頭上の棚か、前の座席の下にしっかりとおしまいください。またこれより先、お化粧室のご使用はお控えください。…。」
まだ太平洋上空のようで、下を見ても何も見えませんでしたが、飛行機が着実に高度を下げていくのが体に感じられます。パイロットやCAさん、空港の係員さんや、機材の整備士さん、機内食を作ってくれたケータリングの人たちまで、日本にたどり着くまでに、本当にたくさんの人にお世話になったのだなと、ふと思いました。
フライトログ
搭乗の詳細データです。
- 座席番号
- 28A
- 搭乗クラス
- エコノミー
- 区間マイル
- 1,820
- 出発予定時刻
- 15:20
- 到着予定時刻
- 20:15
- 予定飛行時間
- 3:55
コメント
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MaplecroftInnkeeper様
HB-JMBでございます。
>今のところ、南ア航空は利益率が低いという理由で日本への就航は考えていないようです。<
南アフリカ航空は1990年代に短期間ながら関西~ヨハネスブルク線にたしか香港経由で就航していたことがあったような記憶がありますが(機材は747SPだったような・・・)、当時も採算性が悪くてわずか数年で撤退したような気がします。
外資系航空会社が成田のスロットを取るのが当時は不可能に近いといわれていたころですから(日本航空やノースウエスト、大韓航空ですら必要なスロットがとれずに四苦八苦して運用というか使いまわししていたわけですし、当時は全日空の成田のスロットは大変少なく、それを航空会社の提携で乗り切ろうと考えたのがスタアラ加盟のきっかけとも言われており・・・)、日本と南アフリカとの人の行き来を考えると、日本路線で東京発着(といっても当時は成田発着ですが・・・)ができずに、関西空港発着路線しかないという状況のもとでは利用率に難があったものと思われます。
東京での発着枠確保に苦労したエバー航空やベトナム航空はたまたアシアナ航空のように、東京発着でなく関西空港発着の路線しかなくても台湾行きやベトナム行き、あるいは韓国行きではそれなりの利用率が見込めるという状況であったとされていますが、いかんせん日本~南アフリカの旅客および貨物の流れでは、関西発着路線のみで利用率を確保するのは今でも当時でも難しいという状況には変わりはないように見受けられます。
余談で恐縮ですが・・・。HB-JMB