搭乗レビュー
BG28 AUH-DAC 隔離棟発、アブダビ線最終運航、DC10。
- 航空会社
- ビーマン・バングラデシュ航空
- 便名
-
BG028
エコノミー
- 搭乗日
- 2014/02
- 路線
- アブダビ → ダッカ
- 機体記号
- S2-ACR
- 機材
- McDonnell Douglas DC-10-30
- 口コミ投稿者
- メヘンサルの猿さん
搭乗写真
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総評
世界最後の旅客用DC10は、このあと2月20日にダッカ発最終便が離陸します。それまでの一週間は、ビーマン・バングラデシュ航空現有2機のうち、より新しいS2-ACR(1988年新機登録)だけでまわす運用のようでした。2月14日から15日がAUH往復、直後15日にKUL往復へ入って、16日のDOH経由KWI往復は、運休になったらしく。というわけで、現役通常運航のラストツー部分、アブダビからチッタゴン経由ダッカ行きフライトのご報告であります。ちなみに、もう一機(S2-ACP)はダッカ空港の隅に留まったままで、たぶんこのままスクラップじゃないかなあ。
アブダビのBG航空出発は「第2ターミナル」です。空港ウェブぺージやウィキペディア、地球の歩き方など見ると一目瞭然ですが、ここ、情報がぜんぜん足りないぞ(笑)。かつ、マイナーな航空会社しか使ってない(AI航空も1タミへ移転ずみ)。もう、この時点で怪しさ大爆発ですね。どボロ建築か、はたまた想像を絶する場末感につつまれとるのか…? そんな期待のもと(笑)、肌寒い夜中11時半、ドバイから着いたアブダビのバスターミナル前にて、タクシーをひろったわけで。
"Can you Go to Aiprort? Terminal...Two!"
"Yes."
タクシーの管理のしっかりしているUAEでは、ダッシュボード前に日本同様、運転手の名前プレートがすえてあります。苗字、RAHMANさん。夜中のドライブで暇ですので、
"Your Name...it's Typical Surname of South-Aisan' Muslims."
"Yes."
"So, Which Country? Pakistan? India? or Bangladesh?"
"Bangladesh."
"Ya! আমার বাড়ি ঢাকা!"(←いきなりベンガル語になる日本人、約一名)
で、以降、ダッカの自宅にもどるまで(空港チェックイン時以外)ずっとベンガル語(ときどきウルドゥー語)の旅でした(笑)。アブダビふくめて、UAEの人口の過半数は、ラーマンさんのような南アジアからのマンパワー系労働者たちなのです。で、彼らを故国とつなぐのが、きょうの国営ビーマン・バングラデシュ航空。
AUH空港のメイン(1&3タミ)の手前を脇道にそれ、くねくね走ることしばし。明るい、平屋建ての小さなターミナルが見えてきまして、それが2タミでした。あれっ? 場末感はないぞ? 建物の前と中に大量の人々。もちろん、パキスタンやバングラデシュにもどるおっちゃん、兄ちゃんだらけです。こちら、チェックイン区画の前に一列で全量荷物検査があるのですが、その長蛇の列をさばくおじさん(これまたアラブ服ではなく、南アジアムスリム典型の服装だ)が、そもそもウルドゥー語(パキスタンの国語)しか話してないぞ(笑)。自分にもウルドゥーオンリーで、「お前なんでここにいるんだ? ダッカ? 日本人? よーし前に行け!」とか。
というわけで、各自数十キロの里帰り荷物山脈の横を、一瞬で先飛びさせていただきました。小さな手荷物だけだったせいもありますが。それにしても、日本人への好意&優遇はすごいと思います、南アジア人って。ここUAEやけど(笑)。
建物内を進みますと、体育館級に高い天井、ただ広い空間、無装飾な壁と床と照明、一直線のカウンター等等…。つまりここ、ローコストターミナルやんか! お金もちエティハド航空+アブダビ首長国流の「サービス」云々とは無縁の客層(=出稼ぎ労働者)とその体臭を、まさに隔離すべく建てたのが、第2ターミナルといえるでしょう。
朱に染まれば赤くなる、むしろドス黒くなるとも申しまして、エティハド委託のカウンター業務は、もう、ひどいのなんのって。もれなく受託制限をはるかに上回る寸法、重量(それでも40kg無料ですけどね、外地発BGは)を持ちこむバングラデシュ人もさることながら、「無理、無理!」、半笑いであしらうカウンター諸氏も、えーとこの低レベル勝負やが!(笑) システムダウンになればスマホをいじり(←丸見え)、タバコの箱を同僚に投げてみたり。自分の番のときだけ、ちゃんと微笑みで応対の、カウンターの中華系顔のおねいさん。いやあ、露骨だなあ(笑)。みなさまのレビューでも散見しますが、中東系御三家のなかでも、EY航空の社員レベルは、もっともムラが大きいようですね。急速な拡大ばかりつづける同社には、今回のような「末端」スタッフからの、底上げ教育が必要やもしれません。
簡単な出国審査をすぎると、またしても広大な待合エリアです。BGをふくめ、深夜2-3時台出発の全便遅延という惨状(笑)ですので、どんどん人が増えてゆきます。アウェー感100%の日本人。それを閑かに放っておくわけはないパキスタン人&ベンガル人たち。まったく到着しないBG機材。そして丑三つ時。さすがに眠たい…(笑)。
ローコストターミナルの定石どおり、ここの出発も地上からのバス移動です。搭乗開始アナウンスもなく、急に人々が並びだしたら「どこ行き?」と聞いて(もちろんウルドゥー語とかベンガル語)、自分の便だったらそこへ…という、原始的な方法でした。待合室内、云百人はおったとに。僕のBG28便も、最後までディスプレイでは"25番バスゲート"表示でしたが、じっさいに開いていたのは、はなれた"26番"のみでした。
26番と構内バスの向こうに、ようやく今回のお目当て、DC10がとまっていました。機材変更がなくてよかった! 機材は、予想どおりの"唯一稼働中"S2-ACR。タラップでL2ドアにのぼるあいだ、地上から順々に、D10の機体を眺めまわすことができました。
機内は、2週間前同機にのったときと同じで、バングラデシュ勤続26年とは思えない良コンディション。全席エコノミー&満席という過密な深夜便ですが、僕が座るAキャビンは中央列上に荷物棚がないこともあり、上方向の開放感、とても助かりました。これで短通路機、または真夏の出発だったら、みんなの体臭で鼻が詰まる可能性あるかもしれんぞ…。また、このあと仮眠とってわかったことですが、分厚いクッションと座面奥行きの長いD10の古風なシートは、寝るにはかなり好都合ですね。
さて、遅めに搭乗しますと、僕の自席4Aには、すでにバングラ兄ちゃんがいまして。
"おっ、席は何番な? 4のB? それ通路側やぞー"
で、4Bにも、別の兄ちゃんが座っておりました。
"兄ちゃん、搭乗券見せてみ? あ、こっちも4Bなんやー"
席番ダブっとるがな!(笑) 手書きじゃないぞ、機械印字の搭乗券なのに。
このあと、恰幅のよすぎるおばさまCAや非番の機長さん、Aコンのバングラデシュ人が参戦して、あーでもないこーでもない大会(兼、僕へのインタビュー大会)開催の巻。最後はEY制服のグラウンドマネージャー氏が来て、ひとりをはるか後ろの席へぶっ飛ばして、ようやくドアクローズ。もはや朝4時になっていました。
機材最前方の僕のキャビンでは、ピンポン音と空気の抜ける音から閉まる客用扉や、最後部からのCF6エンジン起動音まで楽しめたいっぽう、巡航中は一括空調のしゅーしゅー音以外は、かなり静かでした。なんだかんだで、やはりD10は名機でした。
離陸後、減灯のままオレンジジュース(バングラ風、ちょっとトロトロ)が紙コップでサーブされ、そのまま機内はお休みモードへ。ジェット気流に乗る方向でチッタゴンまで3時間45分少々、離陸時すでに4時半、陽ののぼる方角にとびますので、わずか1時間で朝食配膳、シェードをあげればはや、朝日の空でありました。
そんな超眠モードを吹き飛ばしたのが、カレーの国、バングラデシュ国営航空様の朝食です。機内食とは思えない丁寧なスパイスの味つけ、カレーにあったカットと硬さの鶏肉、水っ気をほどほどにとばしたご飯。これが、いわゆるルーなし、しみこませた味だけでつくれるのですから、ビーマンのカレー系レシピ(と、それを再現できるAUHケータリング)は、たいしたもんです。いっきに「ごちそうさま!」でした。ただ、昼でもディナーでもなく、朝ごはんだぞ(笑)。…ふつうの外国人には絶対きついだろうなあ。日本人にとっての「海外発日航の蕎麦」と同じ効果が、機内のベンガル人諸兄には、きっといま、もたらされているにちがいない(笑)。BGは、真にバングラデシュ人の、バングラ人による、バングラ人のための航空会社なのだと実感します。
なお、食後の紅茶(←ベルトサイン点灯中でも堂々熱熱サーブ・笑)は、添えの砂糖も、じつは巨大版。ここでも、甘いもの好きのバングラデシュ人を知りつくしたサービス構成です。食事プレートにも、朝っぱらからムースケーキついてきたし。だからみんな、お腹が出てくるんだ…。
すっかり明るくなったベンガル湾を越え、バングラ時間で朝10時半前、都合1時間半以上遅れでチッタゴン空港に着陸。ここで、大多数のお兄さんたちがタラップから降りてゆきました。奇特なる経由便DAC行きの僕はもちろん機内待機で、グラウンドの人々を眺めていますと、CGP組の降機が終了したあと、やおらカーゴリフターが出てきました。そりゃ、遅延がどんどん重なるわけだわ。駐機中は空調もとまるのですが、2月のチッタゴンはまだ25度程度、湿度も少ないので問題なし。機内散歩してまわるベンガル人諸氏にならって、貴重なD10スタイルのギャレーや機内設備を撮ってまわりました。
"あなたはフォトグラファーなの?"
女性CAさんから訊かれまして。バングラ国内で、いかに飛行機に乗る(ことを趣味にする)御仁がすくないかをおもい知る、「フォトグラファー」発言でした。
その後のDACまでの短時間フライトは、2週間前にこの区間だけ乗ったときのレビューとほぼ同じ。AUHから郷里行きおみやげ過積載(笑)で飛んだときとくらべ、燃油もすくなく、かつエンジン三発で全力滑走しますので、一瞬でテイクオフした感すらありました。たぶん、スタート1500mくらいで浮いてます。
今回は最前方キャビンにいたので、主翼フラップの豪快な展開やエンジン系のイベントは、ぜんぜん見えませんでした。ま、前回見たからいいのですが。写真でご存知のとおり、主翼が後ろ寄りかつ後退角大きめのD10です。Aコンの窓からだと、ほとんど主翼すら見えないのですね。こんなところは、さすが70-80年代的な「大型機」であります。
ダッカ空港は、いつもの空港直上通過からの左旋回サークリングアプローチで、R/W14へ着陸。しめて2時間ほど遅れての、搭乗橋4番への到着となりました。
入国審査方面にあるいてゆくと、次の運用=KUL行きBG86便への手荷物検査列(DACはSINなどと同様、ゲート・搭乗待合室ごとに手荷物検査です)がのびていました。もちろんBGは指定席制なのですが、マレーシア出稼ぎに向かうお兄ちゃんたちは、ぎっちり間隔詰めて(というか体くっつけて)並んでました。そういえば、D10の座席間隔って狭いけど、バングラデシュ人の不満そうな顔は、なかったなあ。
バングラ国内での行列文化や食生活もろもろ、そのまま機内にもちこんだまま飛ぶかのような、BG航空の生き字引き=DC10。じつはラスト訪問だったAUH、CGP両空港でも、セレモニー的な雰囲気は皆無で、いつもどおりの「出稼ぎバングラ人ご用達フライト」でした。乗ってるお兄ちゃんたちも、ぜんぜん「世界ラスト」なんて知らないんだろなあ。ついては今週末のバーミンガム行き+遊覧フライト、派手な世界引退興行とはまったくいえませんが、これもまた、老兵名機の去りぎわとしては、乙なものなのかもしれません。
アブダビのBG航空出発は「第2ターミナル」です。空港ウェブぺージやウィキペディア、地球の歩き方など見ると一目瞭然ですが、ここ、情報がぜんぜん足りないぞ(笑)。かつ、マイナーな航空会社しか使ってない(AI航空も1タミへ移転ずみ)。もう、この時点で怪しさ大爆発ですね。どボロ建築か、はたまた想像を絶する場末感につつまれとるのか…? そんな期待のもと(笑)、肌寒い夜中11時半、ドバイから着いたアブダビのバスターミナル前にて、タクシーをひろったわけで。
"Can you Go to Aiprort? Terminal...Two!"
"Yes."
タクシーの管理のしっかりしているUAEでは、ダッシュボード前に日本同様、運転手の名前プレートがすえてあります。苗字、RAHMANさん。夜中のドライブで暇ですので、
"Your Name...it's Typical Surname of South-Aisan' Muslims."
"Yes."
"So, Which Country? Pakistan? India? or Bangladesh?"
"Bangladesh."
"Ya! আমার বাড়ি ঢাকা!"(←いきなりベンガル語になる日本人、約一名)
で、以降、ダッカの自宅にもどるまで(空港チェックイン時以外)ずっとベンガル語(ときどきウルドゥー語)の旅でした(笑)。アブダビふくめて、UAEの人口の過半数は、ラーマンさんのような南アジアからのマンパワー系労働者たちなのです。で、彼らを故国とつなぐのが、きょうの国営ビーマン・バングラデシュ航空。
AUH空港のメイン(1&3タミ)の手前を脇道にそれ、くねくね走ることしばし。明るい、平屋建ての小さなターミナルが見えてきまして、それが2タミでした。あれっ? 場末感はないぞ? 建物の前と中に大量の人々。もちろん、パキスタンやバングラデシュにもどるおっちゃん、兄ちゃんだらけです。こちら、チェックイン区画の前に一列で全量荷物検査があるのですが、その長蛇の列をさばくおじさん(これまたアラブ服ではなく、南アジアムスリム典型の服装だ)が、そもそもウルドゥー語(パキスタンの国語)しか話してないぞ(笑)。自分にもウルドゥーオンリーで、「お前なんでここにいるんだ? ダッカ? 日本人? よーし前に行け!」とか。
というわけで、各自数十キロの里帰り荷物山脈の横を、一瞬で先飛びさせていただきました。小さな手荷物だけだったせいもありますが。それにしても、日本人への好意&優遇はすごいと思います、南アジア人って。ここUAEやけど(笑)。
建物内を進みますと、体育館級に高い天井、ただ広い空間、無装飾な壁と床と照明、一直線のカウンター等等…。つまりここ、ローコストターミナルやんか! お金もちエティハド航空+アブダビ首長国流の「サービス」云々とは無縁の客層(=出稼ぎ労働者)とその体臭を、まさに隔離すべく建てたのが、第2ターミナルといえるでしょう。
朱に染まれば赤くなる、むしろドス黒くなるとも申しまして、エティハド委託のカウンター業務は、もう、ひどいのなんのって。もれなく受託制限をはるかに上回る寸法、重量(それでも40kg無料ですけどね、外地発BGは)を持ちこむバングラデシュ人もさることながら、「無理、無理!」、半笑いであしらうカウンター諸氏も、えーとこの低レベル勝負やが!(笑) システムダウンになればスマホをいじり(←丸見え)、タバコの箱を同僚に投げてみたり。自分の番のときだけ、ちゃんと微笑みで応対の、カウンターの中華系顔のおねいさん。いやあ、露骨だなあ(笑)。みなさまのレビューでも散見しますが、中東系御三家のなかでも、EY航空の社員レベルは、もっともムラが大きいようですね。急速な拡大ばかりつづける同社には、今回のような「末端」スタッフからの、底上げ教育が必要やもしれません。
簡単な出国審査をすぎると、またしても広大な待合エリアです。BGをふくめ、深夜2-3時台出発の全便遅延という惨状(笑)ですので、どんどん人が増えてゆきます。アウェー感100%の日本人。それを閑かに放っておくわけはないパキスタン人&ベンガル人たち。まったく到着しないBG機材。そして丑三つ時。さすがに眠たい…(笑)。
ローコストターミナルの定石どおり、ここの出発も地上からのバス移動です。搭乗開始アナウンスもなく、急に人々が並びだしたら「どこ行き?」と聞いて(もちろんウルドゥー語とかベンガル語)、自分の便だったらそこへ…という、原始的な方法でした。待合室内、云百人はおったとに。僕のBG28便も、最後までディスプレイでは"25番バスゲート"表示でしたが、じっさいに開いていたのは、はなれた"26番"のみでした。
26番と構内バスの向こうに、ようやく今回のお目当て、DC10がとまっていました。機材変更がなくてよかった! 機材は、予想どおりの"唯一稼働中"S2-ACR。タラップでL2ドアにのぼるあいだ、地上から順々に、D10の機体を眺めまわすことができました。
機内は、2週間前同機にのったときと同じで、バングラデシュ勤続26年とは思えない良コンディション。全席エコノミー&満席という過密な深夜便ですが、僕が座るAキャビンは中央列上に荷物棚がないこともあり、上方向の開放感、とても助かりました。これで短通路機、または真夏の出発だったら、みんなの体臭で鼻が詰まる可能性あるかもしれんぞ…。また、このあと仮眠とってわかったことですが、分厚いクッションと座面奥行きの長いD10の古風なシートは、寝るにはかなり好都合ですね。
さて、遅めに搭乗しますと、僕の自席4Aには、すでにバングラ兄ちゃんがいまして。
"おっ、席は何番な? 4のB? それ通路側やぞー"
で、4Bにも、別の兄ちゃんが座っておりました。
"兄ちゃん、搭乗券見せてみ? あ、こっちも4Bなんやー"
席番ダブっとるがな!(笑) 手書きじゃないぞ、機械印字の搭乗券なのに。
このあと、恰幅のよすぎるおばさまCAや非番の機長さん、Aコンのバングラデシュ人が参戦して、あーでもないこーでもない大会(兼、僕へのインタビュー大会)開催の巻。最後はEY制服のグラウンドマネージャー氏が来て、ひとりをはるか後ろの席へぶっ飛ばして、ようやくドアクローズ。もはや朝4時になっていました。
機材最前方の僕のキャビンでは、ピンポン音と空気の抜ける音から閉まる客用扉や、最後部からのCF6エンジン起動音まで楽しめたいっぽう、巡航中は一括空調のしゅーしゅー音以外は、かなり静かでした。なんだかんだで、やはりD10は名機でした。
離陸後、減灯のままオレンジジュース(バングラ風、ちょっとトロトロ)が紙コップでサーブされ、そのまま機内はお休みモードへ。ジェット気流に乗る方向でチッタゴンまで3時間45分少々、離陸時すでに4時半、陽ののぼる方角にとびますので、わずか1時間で朝食配膳、シェードをあげればはや、朝日の空でありました。
そんな超眠モードを吹き飛ばしたのが、カレーの国、バングラデシュ国営航空様の朝食です。機内食とは思えない丁寧なスパイスの味つけ、カレーにあったカットと硬さの鶏肉、水っ気をほどほどにとばしたご飯。これが、いわゆるルーなし、しみこませた味だけでつくれるのですから、ビーマンのカレー系レシピ(と、それを再現できるAUHケータリング)は、たいしたもんです。いっきに「ごちそうさま!」でした。ただ、昼でもディナーでもなく、朝ごはんだぞ(笑)。…ふつうの外国人には絶対きついだろうなあ。日本人にとっての「海外発日航の蕎麦」と同じ効果が、機内のベンガル人諸兄には、きっといま、もたらされているにちがいない(笑)。BGは、真にバングラデシュ人の、バングラ人による、バングラ人のための航空会社なのだと実感します。
なお、食後の紅茶(←ベルトサイン点灯中でも堂々熱熱サーブ・笑)は、添えの砂糖も、じつは巨大版。ここでも、甘いもの好きのバングラデシュ人を知りつくしたサービス構成です。食事プレートにも、朝っぱらからムースケーキついてきたし。だからみんな、お腹が出てくるんだ…。
すっかり明るくなったベンガル湾を越え、バングラ時間で朝10時半前、都合1時間半以上遅れでチッタゴン空港に着陸。ここで、大多数のお兄さんたちがタラップから降りてゆきました。奇特なる経由便DAC行きの僕はもちろん機内待機で、グラウンドの人々を眺めていますと、CGP組の降機が終了したあと、やおらカーゴリフターが出てきました。そりゃ、遅延がどんどん重なるわけだわ。駐機中は空調もとまるのですが、2月のチッタゴンはまだ25度程度、湿度も少ないので問題なし。機内散歩してまわるベンガル人諸氏にならって、貴重なD10スタイルのギャレーや機内設備を撮ってまわりました。
"あなたはフォトグラファーなの?"
女性CAさんから訊かれまして。バングラ国内で、いかに飛行機に乗る(ことを趣味にする)御仁がすくないかをおもい知る、「フォトグラファー」発言でした。
その後のDACまでの短時間フライトは、2週間前にこの区間だけ乗ったときのレビューとほぼ同じ。AUHから郷里行きおみやげ過積載(笑)で飛んだときとくらべ、燃油もすくなく、かつエンジン三発で全力滑走しますので、一瞬でテイクオフした感すらありました。たぶん、スタート1500mくらいで浮いてます。
今回は最前方キャビンにいたので、主翼フラップの豪快な展開やエンジン系のイベントは、ぜんぜん見えませんでした。ま、前回見たからいいのですが。写真でご存知のとおり、主翼が後ろ寄りかつ後退角大きめのD10です。Aコンの窓からだと、ほとんど主翼すら見えないのですね。こんなところは、さすが70-80年代的な「大型機」であります。
ダッカ空港は、いつもの空港直上通過からの左旋回サークリングアプローチで、R/W14へ着陸。しめて2時間ほど遅れての、搭乗橋4番への到着となりました。
入国審査方面にあるいてゆくと、次の運用=KUL行きBG86便への手荷物検査列(DACはSINなどと同様、ゲート・搭乗待合室ごとに手荷物検査です)がのびていました。もちろんBGは指定席制なのですが、マレーシア出稼ぎに向かうお兄ちゃんたちは、ぎっちり間隔詰めて(というか体くっつけて)並んでました。そういえば、D10の座席間隔って狭いけど、バングラデシュ人の不満そうな顔は、なかったなあ。
バングラ国内での行列文化や食生活もろもろ、そのまま機内にもちこんだまま飛ぶかのような、BG航空の生き字引き=DC10。じつはラスト訪問だったAUH、CGP両空港でも、セレモニー的な雰囲気は皆無で、いつもどおりの「出稼ぎバングラ人ご用達フライト」でした。乗ってるお兄ちゃんたちも、ぜんぜん「世界ラスト」なんて知らないんだろなあ。ついては今週末のバーミンガム行き+遊覧フライト、派手な世界引退興行とはまったくいえませんが、これもまた、老兵名機の去りぎわとしては、乙なものなのかもしれません。
フライトログ
搭乗の詳細データです。
- 座席番号
- 4A
- 搭乗クラス
- Y(O)
- 区間マイル
- 2368+139
- 出発予定時刻
- 0225
- 搭乗時刻
- 0315
- 出発時刻
- 0411
- 到着予定時刻
- 1045
- 到着時刻
- 1231
- 予定飛行時間
- 03:47+00:30
- 出発空港 天気・気温
- 晴れ
- 出発ゲート・スポット
- 209 (OPEN SPOT)
- 離陸滑走路
- 31R
- 離陸時刻
- 0427
- 到着空港 天気・気温
- 晴れ
- 到着ゲート・スポット
- 4
- 着陸滑走路
- 14
- 着陸時刻
- 1224
- メモ
- CGP空港: 着陸・離陸R/W23、着陸10:17、スポット6(OPEN SPOT)、チョークイン10:23、プッシュバック11:38、離陸11:54。
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