2018年秋の旅2便目-格調高いイメージだった英国航空は・・・ - ブリティッシュ・エアウェイズ 口コミ・評価

航空会社 ブリティッシュ・エアウェイズ

2024年04月13日に撮影されたブリティッシュ・エアウェイズの航空機写真

© KAZFLYERさん

IATA | ICAO
BA | BAW
アライアンス
ワンワールド

搭乗レビュー
2018年秋の旅2便目-格調高いイメージだった英国航空は・・・

航空会社
ブリティッシュ・エアウェイズ
便名
BA954
エコノミー
搭乗日
2018/10
路線
ヒースロー(ロンドン) → ミュンヘン
機体記号
G-EUPY
機材
Airbus A319-131
総評:4
4ッ星
機内食・ドリンク
3ッ星
座席(シート)
4ッ星
機内スタッフサービス
4ッ星
エンターティメント
2ッ星
トイレ・洗面台
無評価
機材コンディション
4ッ星
地上サービス
4ッ星
口コミ投稿者
MaplecroftInnkeeperさん
アクセス数
1,947
投稿日
2018/11/08

搭乗写真

  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    機内販売で購入したサンドイッチとコー... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    機内の様子。
  • 写真の種類:機内エンターティメント・アメニティ
    到着が近づき、忘れたころになって、こ... 続き

総評

ニューヨークからの便が遅れたため、当初の便には乗り継げず、ミュンヘン到着は予定より3時間遅くなりました。ミュンヘンから、その日のうちに列車でイタリアのベローナに着いて1泊し、翌日さらに列車で南イタリアのバリというところまで行く予定でしたが、それらの列車には乗れなくなったので、ホテルの宿泊もあきらめて、ミュンヘンから夜行列車でイタリアに入り、そのまま乗り継いでバリまで何とか着けるような列車を探して、その切符をオンラインで購入しようと、ロンドンの空港でスマホとにらめっこして躍起になっていました。バリから夜行フェリーで海を渡ってモンテネグロに行くことになっていたのですが、フェリーはこの時期1週間に1便しかないため、それに乗り遅れるわけにはいかなかったのです。おかげで、機中泊、車中泊、船中泊と3夜連続で移動が続く、「乗りまくり」の旅になりました。それ自体は嫌いじゃないのですが、この年になるとそういうのはさすがに疲れます。

さて、昼食もさておいてなんとかミュンヘンから先の旅の計画を立て直し、次の飛行機に乗り込みました。本来、お金を払って窓側席を確保しておいたのに、満席の振替便で当てがわれたのは3人掛けの中央席でした。ただ、僕のチケットだと荷物を預けるのは有料なのですが、混雑のため無料で荷物を預かりますというメールが来たので、お言葉に甘えて荷物を預けることにし、セキュリティも搭乗も楽でした。
それにしても欧州内は国際線という感じはしませんね。UKは来年3月末にEUから正式に脱退する予定になっているので、その後はどんな感じになるのか、興味がありますけど、多分、だからと言ってコストが高くなるようなサービス向上は期待できないだろうと思います。皆さんはどう思われますか?

さて、離陸してしばらくすると、機内販売のカートが現われました。昼食も食べ損ねていたのでおなかがすいていたし、何でもいいからと思い、CAさんを呼び止めて、サンドイッチとコーヒーを注文。アメリカのクレジットカードがは機械が受け付けないのもあって、3枚目にしてやっと成功し、無事に食べ物にありつけました。だけど、ルフトハンザやスイス航空などだと、2時間程度の短距離便でも、飲み物と一緒に、この程度の簡単なサンドイッチくらいはサービスされるのに、由緒ある英国航空としたことが、全部有料の機内販売とは、LCCみたいでややガッカリです。プライドってものはないのでしょうか。

などと思いましたが、「ブリティッシュ・エアウェイズ」とか「英国航空」という名前に連想していたような、格調高いイメージは、国営企業だった80年代頃までのことで、今では全然当てはまらないのですね。この名前は、今では単なるブランド名でしかなく、正式な会社名は、「インターナショナル・エアラインズ・グループ」(IAG)というのだそうで、収入で比べた場合、アメリカの3大会社、ヨーロッパのルフトハンザグループ、エールフランス・KLMに次いで世界6番目のエアライングループなんですね。

一体なんでこんなことになっちゃったのかと思って、ちょっと掘り下げてみますと、英国航空の起こりは古く、Aircraft Transport & Travel (AT&T)という会社が発足した1916年にまでさかのぼると言われています。この会社はもともと、第一次大戦中に救済物資などを欧州内で輸送することを主目的にしていましたが、大戦が終わった後の1919年8月25日に、世界初の定期国際旅客便を、ロンドンーパリ間に運航しました。このとき、乗客はたった一人で、それ以外にデボンシャークリームや革製品、鳥などを運んだのだそうです。

大戦後の1919年から20年あたりには、英国、フランス、ドイツ、オランダなど各国で似たようなエアラインがどんどんと登場します。(世界で最も古いKLMもこの頃設立され、同じ名前で今でも存在していますね。)そうした他国のエアラインとの競争力強化のため、英国政府が助成金を出して、同じ時期に国内で設立されたいくつかのエアラインを統合して、Imperial Airways という会社を1924年の3月に設立しました。英国と欧州本土との間の航路だけでなく、インドや南アフリカ、アジアにまで拡大した大英帝国の植民地との間の旅客や物資の輸送をスピードアップすることが大きな目的の一つでした。当時使われた飛行機は、今でもプロペラ機で知られるDe Haviland社製のものでした。その後帝国内エアーメールの需要も増え、1934年にはオーストラリアへのエアーメール便が就航しました。Imperial Airwaysはカラチまで、Indian Transcontinentalがそこからシンガポールまで、シンガポールから先を受け持ったのはカンタス帝国航空でした。

翌1935年の4月には、ロンドンとブリスベンとの間の旅客便がカンタスとの協力で就航しました。4月13日にロンドンを出発した最初の便には、全区間通して乗る乗客はいなかったとのことですが、1週間後の4月20日に出発した第2便には、2名の乗客がブリスベンまで通して乗ったとの記録が残っています。相当なお金持ちだったのでしょうね。当時ブリスベンまでの運賃は195ポンド、所要時間は12日半でした。ですが1939年までには、香港までの所要時間が5日半に短縮されました。

これと同じ時期に、英国内ではいくつかの小さいエアラインが統合を繰り返し、1935年までには民間のBritish Airwaysが誕生していましたが、1939年に英国政府はこれとImperial Airwaysを合併して、国営のBritish Overseas Airways Corporationを設立します。主に長距離国際便を担当する会社でした。1946年には、英国国内とヨーロッパ、中近東などの近距離便を担当する国営子会社、British European Airwaysが設立されました。そして、ちょっと時代は飛びますが、1974年にこれらのエアラインが全部合併して、国営のブリティッシュ・エアウェイズが誕生します。

1976年にブリティッシュ・エアウェイズは、エールフランスと同時にロンドン‐ニューヨークの路線でコンコルドの運航を開始します。このあたりにも、英国政府のプライドの高さが現れていますね。東京やシドニーなども、コンコルドの就航地候補として考慮されていたようですが、どちらも実現しませんでした。

1979年にサッチャーが英国首相に就任すると、国営企業の民営化政策がどんどん進められ、世界各国にも波紋が及びます。90年まで続いたサッチャー政権時代に、テレコム、ガス、水道、鉄道など、50社以上もの国営企業が次々と民営化されましたが、ブリティッシュ・エアウェイズも例外ではありませんでした。81年から民営化の準備が進められ、コストカット、効率化、そして成長というシナリオの元に、赤字経営が立て直されて、大きな収益を上げるようになりました。87年に正式に民間会社としてロンドン株式市場に上場されました。

1990年代に入ると、BAは世界でも最も収益率の高いエアラインと評価されるようにまでなりましたが、その反面、バージンアトランティックや、LCCのライアンエアーとかEasyJetなどの台頭で厳しい競争が強いられるようになります。それに対応するためもあり、1998年には、アメリカンやキャセイ、カンタスなどと共にワン・ワールドを創設します。2000年代は、航空業界にとって厳しい時代になりました。2003年には、コンコルドの運航終了。2008年には、イベリア航空との合併計画が発表されました。KLMとエールフランスの合併と同じような形式で、両社のブランド名は維持しつつ、路線の料金設定やチケット販売等を共通にするというものです。(カンタスとも合併する話がありましたが、これは決裂に終わっています。)2009年はBAにとって最悪の年となりました。史上最大の赤字を計上したり、従業員の給与カットの問題で組合ともめて、ストライキが計画されたりします。そして、2010年には、イベリア航空との合併が正式な合意に至り、2011年1月に、マドリッドとロンドンを根拠地とする新会社、International Airways Corporationが発足しました。なんだか、アメリカで起こった911事件が、世界中の航空業界の流れを大きく変えてしまったのかなと思ってしまいます。あの日、僕はワシントンDCで働いていたので、本当に身近な事件だったんです。

さて、話をちょっと元に戻すと、BAが一部の短距離便で機内食の提供をやめたり、長距離便でペットボトルをやめてカップの水に代えたり、アルコール飲料の種類を減らしたりといったサービスカットを始めたのは、あの最悪の年だった2009年のことなんです。そして合併後の2013年には、荷物を預けたり座席を選んだりするのは有料という条件の付いた割引運賃を導入しました。そして2016年にはついに、短距離便では飲食物はすべて有料にするという方針が正式に発表され、Marks & Spencer(M&S)というケータリング会社がサンドイッチやスナック類を提供することになり、2017年から導入されています。なので、こんな風にサービスがLCCと同じレベルになってしまったのは、ごく最近のことだったんですね。一世風靡した昔のことを思うと、やっぱりがっかりしますが、それでも今回、このブリティッシュ・エアウェイズに初めて乗れただけでも良しとすることにします。

さて、何とか確保したサンドイッチにかぶりついていると、窓際席に座ってカチャカチャとしきりにパソコンをたたいていた女性が、いきなり床に頭を突っ込んで、何を血迷ったかと思ったら、ペンを落としたのが、見つからない…。後ろの人に尋ねても、後ろに転がった様子もなさそう。それで、高いペンだからなくすわけにはいかないの!すぐ探さなくちゃ!ってことで、「ちょっと立ってもらうわね」とぶっきらぼうな一言で、中央席の僕と通路側席にいたおじさんは、うんもすんも言わさずに立たされました。僕は、サンドイッチとコーヒーを両手に持って、食べるのはひとまずおあずけ・・・。女性は、床を這いまわって、頭をシートの下に突っ込んだかと思うと、見つかったわ!という感じで、誇らしげにペンをつかんで、座席の下から頭を出しました。単にペンを落としただけなら、僕はペンを2本持っていたので、1本差し出そうかと思ったけど、そんなことしないで、何も言わずに素直に立ち上がってよかったと思いました。そんな安いペンを出したら、何を言われるか分かったものではありません。だけど、そんな風に食事中に立たせておいて、ペンが無事に見つかった後でも、ごめんなさいでもなければ、ありがとうございましたでもなく、そういう客層からも、ブリティッシュ・エアウェイズの品位はやっぱり下がってしまったのだなと思わせられる一瞬でした。

フライトログ

搭乗の詳細データです。

座席番号
11B
搭乗クラス
エコノミー
区間マイル
584
出発時刻
13:45
到着時刻
16:40

コメント

  • 2018/11/08 04:01:05

    うわーすごいBA酷いですね…
    某航空会社の前社長が、BAのファーストは一番のビジネスクラスだったよと皮肉を言っていたのを思い出します。
    すごい気になるのですが、機内サービスが有料で、個人用IFEも無いとは、欧州圏内でBAに乗るメリットってなんなんでしょうか…乗り継ぎでは無いお客さんたちはなんでBAに乗っているのでしょうか?何が良くてBAを選ぶのでしょうか…欧州圏内のフルサービスキャリアは軒並みLCC化しているような印象です…SASやKLはエコの席の真ん中を開けるだけでビジネスとして販売したりしてますし…いやー機内サービス有料とは信じられません。先週MEL-SYDのQFはちゃんとキッシュとコーヒーを出してくれました。ワイファイも付いてました。数年前のKLのAMS-CDGでもパンか何かでたと思います。HKT-BKKではTGもPGも機内食無料ですし、インドネシアのライオンエアやシティリンクは国内全路線預け荷物20キロまで無料だったりします。日本でもワイファイ無料や個人用IFMを国内線で無料提供してたりしますよね。欧州内では競争が激しく無いのか、欧州内のFSCがLCC化してLCCとの差別化ができていないような気がします。これだとお客さん他社へと移る気がするのですが、大丈夫なのでしょうかね。乗ってるお客さんはほとんど上級会員でラウンジなど使えるから使ってるとかマイルで乗ってるとかそういうパターンなのでしょうか。自腹で欧州内の路線に乗るとしたら私は絶対FSC乗らないですね。無駄に高い割にサービス別に良く無いし、ブランドにお金を払っているようで馬鹿馬鹿しいからです。定時運行も大切でしょうけど。

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