航空会社 フィンエアー(フィンランド航空)
- 国
- フィンランド
- IATA | ICAO
- AY | FIN
- メンバー評価
- 搭乗レビュー 3.99 [282件]
- アライアンス
- ワンワールド
搭乗レビュー
狙っていたA340ではないが、エンタメと座席の狭さ以外は問題なし
- 口コミ投稿者
- HB-JMBさん
搭乗写真
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本館とサテライト間とのシャトル(無人... 続き
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AY073およびその折り返し便である... 続き
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本日の使用機材OH-LTM。レジを記... 続き
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搭乗口のカウンターに設置されるフィン... 続き
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94番ゲートに駐機中の本日の使用機材... 続き
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座席の背。
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座面。つまり、腰を下ろして背中をつけ... 続き
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足元。なお、2席に1つの割合でモバイ... 続き
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荷物棚。ボーイング機やA380ができ... 続き
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シートピッチが分かるように撮影した座... 続き
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搭乗時の頭上パネル。なお、フィンエア... 続き
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安全のしおり表面。フィンエアーでの特... 続き
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A330の安全のしおり裏面。着水後に... 続き
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離陸後にサービスされるおつまみと飲み... 続き
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エアショーの飛行データ表示画面。飛行... 続き
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本日の飛行経路全体図。目的地ヘルシン... 続き
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離陸後おつまみと飲み物サービスが行わ... 続き
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低脂肪特別食(LFML)1食目(昼食... 続き
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低脂肪特別食(LFML)1食目 アン... 続き
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低脂肪特別食(LFML)1食目アント... 続き
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L3ドア付近機体中央寄りトイレ。進入... 続き
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L3ドア付近機体中央寄りトイレ、向か... 続き
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トイレ便座左側にある気になる表示。た... 続き
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トイレ内の気になる表示その2。これ... 続き
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フライト半ばで起きている人に配られる... 続き
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フライト半ばで起きている人に配られる... 続き
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到着2時間前にサーブされるホットミー... 続き
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低脂肪特別食(LFML)到着前軽食ホ... 続き
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低脂肪特別食(LFML)2食目アント... 続き
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座席ひじかけに備えてあるエンタメのコ... 続き
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ヘルシンキ空港到着ゲートである32番... 続き
総評
利用の経緯:スターアライアンスかエミレーツ航空でプラハinベルゲンOutでカバーできる航空券がなかったため、JALとの提携があって国内線で特典を利用できるワンワールド系列の会社ということで選択。
【機内食・ドリンク】
低脂肪特別食(LFML)をリクエスト。おつまみと間食にもLFML用に別メニューが用意されているのは他の航空会社ではあまり例がなくさすがだが、せっかくそこまでやっているのだから、間食の配膳間違えがあったのは惜しいところ。バナナは健康関係の特別食でしか出されずかつバナナの皮に席番をマジックで書くかラベルを貼るわけにはいかないためか、配膳すべき席番をうっかり失念してしまったことが当配膳ミスの原因と思われる(おそらくフライト後のデブリーフィングではこの旨の報告があったものと思われる)。席番ラベルの貼り付けや表記ができるような食事内容にするか(例えばカットフルーツのパック詰めなど)、フライトの半ばで配膳する間食を搭載したカートには特別食をリクエストした人の席番および乗客リストを貼るなどの対策をした方が配膳ミスが減らせるのではと思われる(宗教などによる理由で特別食をリクエストしている人にこうした配膳ミスをしてしまうと、単純に間違ったでは済まなくなる恐れも否定できないので・・・)。
メニューや味の面ではエコノミーのLFMLとしては標準的か。
MD-11までの頃は航空会社のポリシー(「同じクラスの同じ便のすべての旅客に対してサービスは平等に」)で機内食はすべてノーチョイスと言われてきたが、今ではメインの昼食は2チョイスある(普通食の場合)
【座席(シート)】
横幅は横10列のB777-300ERのような狭さは感じなかったが、シートピッチがかなり狭く感じた。ただし、機能面では問題はなかった。
なお、http://www.seatguru.com/によれば、一応32インチのシートピッチはあるとされるが、数字以上の狭さを感じた(ちなみに狭い狭いと言われるEKの77W/77Lですらシートピッチは33インチである)。もし、数字以上の狭さを感じるのであれば、座席が今はやりの薄型軽量シートでなく、クッションの厚い座席である上、配色やデザインにより数字以上の狭さを感じる要因になっているのかもしれない。
(「なお、・・・」以下の部分(第2段落)は2016年7月18日および同年8月17日加筆)
【機内スタッフ】
外資系ではかなりフレンドリーな方が多く、気配りもできているように見受けられる。
【エンターティメント】
機内食のところであげた航空会社のポリシーのため、エコノミーでの個人用エンタメの導入はA340以降と遅いうえ、割と保守的なシステムとなっているため、機能面ではやや見劣りする。
タッチ操作は一応できるもののコンテンツ数が少ない上、オーディオはオンデマンドではないうえ、自分のマイプレイリストを作れる方式ではなく、チャンネル流しっぱなしのプログラムのみである。
また、コントローラーに脂ぎって汚れていた点も気になる。
評価できるのはエアショーの画面ぐらいか・・・。
ただし、自席では左側のイヤホンの音が出なかった。
また、A330/A340では各座席にモバイル機器用電源およびUSBの設置はなく、2席にコンセント1口しかないので、これをあてにしている人は注意。2016年7月にはソウル線もA350になるようだが、日本線ではA350になるまでしばらくは辛抱の模様。
【トイレ・洗面台】
清掃状態に問題はない。ただし、洗面台の排水口はボーイング機のように常時一定の空気圧で空気の吸い込みがされていないため水はけはあまりよくはないが、通常使用では問題はない模様。
【機材コンディション】
特に気になる点は見受けられず。
ここの項目に入るかは分からないが、CF6エンジン機なのに機内騒音は割と静かな印象があった(787や350あたりと比較するとどうかという問題はあるが・・・)
【空港サービス】
成田空港はJAL(グループ)のGHで、基本的には問題ない。ただし、搭乗口では、2方向から入って列がぐじゃぐじゃになり、前に並んだと思っている人が後から来た人に割り込まれトラブルの原因になるものと考えられるため、1列だけでしか入れないよう柵などで動線を明確にしておいたほうがよいのではと思われる(旅客同士でいざこざが起きてしまうと、最悪その処理で出発遅延・・・にもなりかねないので)。
ヘルシンキで乗り継ぎをする際、降機するとすぐ保安検査があるので、機内に設置してある飲料水のペットボトルは持ち込めないので注意(入国審査はそのあと)。また、機内誌に書かれている乗り継ぎ動線の案内図は意外と分かりにくい書き方のように思われるが、実際現地で保安検査およびその先の入国審査を通過する際は待ち時間は少なくて乗り継ぎはストレスが少ない点はこれも宣伝文句の通りであった(ただし、どこかのフライトに遅延があったり、空港全体でイレギュラーがあった場合はこの限りではないものと思われるが・・・)
【その他】
シートピッチが狭いことは触れたが、座席上の荷物棚はボーイング機のように、開けると下に出てくる方式ではなく、ある一定の高さのところに棚があり、ふたを上に開ける方式である(一昔前のエアバス機での標準的な方式)。それゆえ、棚が狭いので注意(機内持ち込み手荷物のタグでは、できるだけ機内持ち込み手荷物は足元に置きましょう・・という喚起が書かれている)
【総合評価】
シートピッチの狭さ、荷物収納スペースが少なく狭いことを除いてはまずまず快適に過ごせ、フィンエアーの宣伝文句である「日本から一番近いヨーロッパのフライト」というものと遜色ない印象であった。また、機内誌などで空港案内図が分かりにくく不安ではあるが、実際乗り継ぎを行うとストレスが少なく楽に乗り継ぎができてよい。
【機内食・ドリンク】
低脂肪特別食(LFML)をリクエスト。おつまみと間食にもLFML用に別メニューが用意されているのは他の航空会社ではあまり例がなくさすがだが、せっかくそこまでやっているのだから、間食の配膳間違えがあったのは惜しいところ。バナナは健康関係の特別食でしか出されずかつバナナの皮に席番をマジックで書くかラベルを貼るわけにはいかないためか、配膳すべき席番をうっかり失念してしまったことが当配膳ミスの原因と思われる(おそらくフライト後のデブリーフィングではこの旨の報告があったものと思われる)。席番ラベルの貼り付けや表記ができるような食事内容にするか(例えばカットフルーツのパック詰めなど)、フライトの半ばで配膳する間食を搭載したカートには特別食をリクエストした人の席番および乗客リストを貼るなどの対策をした方が配膳ミスが減らせるのではと思われる(宗教などによる理由で特別食をリクエストしている人にこうした配膳ミスをしてしまうと、単純に間違ったでは済まなくなる恐れも否定できないので・・・)。
メニューや味の面ではエコノミーのLFMLとしては標準的か。
MD-11までの頃は航空会社のポリシー(「同じクラスの同じ便のすべての旅客に対してサービスは平等に」)で機内食はすべてノーチョイスと言われてきたが、今ではメインの昼食は2チョイスある(普通食の場合)
【座席(シート)】
横幅は横10列のB777-300ERのような狭さは感じなかったが、シートピッチがかなり狭く感じた。ただし、機能面では問題はなかった。
なお、http://www.seatguru.com/によれば、一応32インチのシートピッチはあるとされるが、数字以上の狭さを感じた(ちなみに狭い狭いと言われるEKの77W/77Lですらシートピッチは33インチである)。もし、数字以上の狭さを感じるのであれば、座席が今はやりの薄型軽量シートでなく、クッションの厚い座席である上、配色やデザインにより数字以上の狭さを感じる要因になっているのかもしれない。
(「なお、・・・」以下の部分(第2段落)は2016年7月18日および同年8月17日加筆)
【機内スタッフ】
外資系ではかなりフレンドリーな方が多く、気配りもできているように見受けられる。
【エンターティメント】
機内食のところであげた航空会社のポリシーのため、エコノミーでの個人用エンタメの導入はA340以降と遅いうえ、割と保守的なシステムとなっているため、機能面ではやや見劣りする。
タッチ操作は一応できるもののコンテンツ数が少ない上、オーディオはオンデマンドではないうえ、自分のマイプレイリストを作れる方式ではなく、チャンネル流しっぱなしのプログラムのみである。
また、コントローラーに脂ぎって汚れていた点も気になる。
評価できるのはエアショーの画面ぐらいか・・・。
ただし、自席では左側のイヤホンの音が出なかった。
また、A330/A340では各座席にモバイル機器用電源およびUSBの設置はなく、2席にコンセント1口しかないので、これをあてにしている人は注意。2016年7月にはソウル線もA350になるようだが、日本線ではA350になるまでしばらくは辛抱の模様。
【トイレ・洗面台】
清掃状態に問題はない。ただし、洗面台の排水口はボーイング機のように常時一定の空気圧で空気の吸い込みがされていないため水はけはあまりよくはないが、通常使用では問題はない模様。
【機材コンディション】
特に気になる点は見受けられず。
ここの項目に入るかは分からないが、CF6エンジン機なのに機内騒音は割と静かな印象があった(787や350あたりと比較するとどうかという問題はあるが・・・)
【空港サービス】
成田空港はJAL(グループ)のGHで、基本的には問題ない。ただし、搭乗口では、2方向から入って列がぐじゃぐじゃになり、前に並んだと思っている人が後から来た人に割り込まれトラブルの原因になるものと考えられるため、1列だけでしか入れないよう柵などで動線を明確にしておいたほうがよいのではと思われる(旅客同士でいざこざが起きてしまうと、最悪その処理で出発遅延・・・にもなりかねないので)。
ヘルシンキで乗り継ぎをする際、降機するとすぐ保安検査があるので、機内に設置してある飲料水のペットボトルは持ち込めないので注意(入国審査はそのあと)。また、機内誌に書かれている乗り継ぎ動線の案内図は意外と分かりにくい書き方のように思われるが、実際現地で保安検査およびその先の入国審査を通過する際は待ち時間は少なくて乗り継ぎはストレスが少ない点はこれも宣伝文句の通りであった(ただし、どこかのフライトに遅延があったり、空港全体でイレギュラーがあった場合はこの限りではないものと思われるが・・・)
【その他】
シートピッチが狭いことは触れたが、座席上の荷物棚はボーイング機のように、開けると下に出てくる方式ではなく、ある一定の高さのところに棚があり、ふたを上に開ける方式である(一昔前のエアバス機での標準的な方式)。それゆえ、棚が狭いので注意(機内持ち込み手荷物のタグでは、できるだけ機内持ち込み手荷物は足元に置きましょう・・という喚起が書かれている)
【総合評価】
シートピッチの狭さ、荷物収納スペースが少なく狭いことを除いてはまずまず快適に過ごせ、フィンエアーの宣伝文句である「日本から一番近いヨーロッパのフライト」というものと遜色ない印象であった。また、機内誌などで空港案内図が分かりにくく不安ではあるが、実際乗り継ぎを行うとストレスが少なく楽に乗り継ぎができてよい。
フライトログ
搭乗の詳細データです。
- 搭乗クラス
- Y
- 出発予定時刻
- 1100JST
- 搭乗時刻
- 1024JST
- 出発時刻
- 1102JST
- 飛行高度
- FL360-FL380
- 到着予定時刻
- 1520LT
- 到着時刻
- 1457LT
- 予定飛行時間
- 9+15
- 出発ゲート・スポット
- Spot/Gate 94
- 離陸滑走路
- 34L
- 離陸時刻
- 1131JST
- 到着ゲート・スポット
- Spot/Gate 32
- 着陸滑走路
- 22L
- 着陸時刻
- 1452LT
- メモ
- JSTはUTC+9。HELのLTはEEST(東ヨーロッパ夏時間)でUTC+3 成田離陸後FL360にてレベルオフ後、成田離陸後5+22にFL380に上昇 成田空港出発時は出発機が混雑していたため、Spot94から離陸滑走路RWY34Rまで29分を要す。
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HB-JMB様
お久しぶりでございます、westtowerです。
欧州へ行かれていたのですね、羨ましい!
概ね快適なAYでの空の旅とのご評価の中で、シートピッチの狭さ、エンタメシステムの機能面での見劣り、イヤホンの不具合、USBポート/電源の不足、オーバーヘッドビンの容量不足についてお気付きの点があったようですね。OH-LTM A330-302は、2009年2月初飛行、同年3月AY登録 の7年選手、そろそろリノベーションの時期を迎える機材でしょうか。
A333が主力機として活躍するAYにあって、EUの航空会社の先陣を切って最新鋭機材のA350 XWBがデリバリーされ、7月からヘルシンキ/仁川線に投入されているようです。
アジアで初めてA350の運航を開始したベトナム航空は、ハノイ/パリ(CDG)の合間運用でハノイ/仁川に同機をレギュラー投入しています。
A350はソウルを目指す!?
慣熟飛行でシンガポール航空はシンガポール/クアラルンプール、キャセイパシフィック航空は香港/マニラ、香港/台北に投入しており、A350就航で盛り上がるアジア各国の中で、(ベトナム航空のスポット投入はあったものの)日本は蚊帳の外に置かれているようで残念です。
A350好きの独り言です。
westtower拝
westtower様
コメントありがとうございます。HB-JMBでございます。
今年の夏でA340が1機退役し、A350と入れ替わり、ソウル線に就航したようです。日本線にA350が未投入である要因としては次の3つを考えています(特に2.と3.が可能性が高いと考えています)
1.日本の空港でのグランドハンドリングがA350に十分習熟できていない(ハード・ソフト面)
2.日本行きフライトの代替空港(オルタネート)としてAYはソウルを選択していると推測されるため
3.ヘルシンキ~ソウル線の運航経路はヘルシンキ~ウラル山脈北端~ハバロフスク~日本海~ソウルではなく、ヘルシンキ~カザフスタンとロシア国境~モンゴル(ゴビ砂漠付近)~北京~ソウルといわゆるユーラシア大陸上空通過でもいわゆる南寄り経路(TKの成田~イスタンブール便でユーラシア大陸上空経由の経路であるとかOSの成田~ウィーン線で飛行するような経路)で運航しているため、あくまでソウル線は北京あるいは上海線のルートを基本に飛行するものと推測される。つまり、ヘルシンキには引き返せないが(例えばヘルシンキに戻るのに3時間以上かかる地点まで飛行してしまったとき)ソウルまで飛行を継続できないケースで北京への緊急着陸を行うことやあるいは出発後ソウルの天候が急激に悪化しても北京か上海での目的地外着陸を選択して天候回復待ちが可能であることを想定しているという運航上の理由。
これは私の推測ですが、フィンエアーの日本線にA350を投入する場合は、ソウルとの距離の関係で、東の成田から投入するのではなく、西の関西から投入する可能性も低くはないものと思われます(オルタネートにソウルを選んでも、ソウルより近い地点なら必要燃料搭載量が少なくて済むため)
余談で恐縮ですが・・・。HB-JMB
westtower様
余談ですが、フィンエアーのA350でもどうもシートピッチは狭いようです。データでは31インチと現在のA330-300よりもさらに狭いピッチとしているようです(ちなみに、ベトナム航空では32インチ仕様のようです)。Wifi(有料)、シート電源、USBがついて現在のA330よりはいくぶん快適な空間になるにせよ、フィンエアーの長距離機材はシートピッチが狭い・・・という印象は「残念ながら」A350になっても変わらないかもしれません(実際にA350に乗っていないので、本当に狭く感じるかどうかは未知のところがありますが・・・)。
おそらく私の搭乗した機材も機齢7年とのことではるものの、A350を導入してもしばらくはA330は使用する見込みであるため(A340は退役させるようですが)、どこかでA330のキャビン改修は行われるものとは思いますが、それでもA350ベースのキャビン仕様でA330で適用できる部分のみを改修する(いわゆるレトロフィット)形になるはずですから、シートピッチがいきなり広くなるとも考えにくいところです(薄型座席に変更して同じシートピッチ寸法値で座席を並べても見た目では広く感じるようにはするかもしれませんが・・・)
機齢のデータありがとうございました。余談ばかりで恐縮ですが・・・。
HB-JMB様
フィンエアーA350が日本線に投入されないテクニカルな理由がよく分かり、溜飲が下がりました。
どうも有難うございます。
AYは特にアジア路線を重視しているようで、最新鋭機材(A350)を香港、仁川、上海、北京、バンコク線に投入済(または予定)しています。これらの就航地は東アジア・東南アジアの主要ハブ空港として単体のみならず乗り継ぎ需要も含め相当数の潜在ニーズが見込まれる一方で、日本線は今後も大きな伸びは期待できません。「需要が多い路線に最新鋭機材(A350)を」このような営業戦略上の理由もあるものと愚考しております。
westtower様
HB-JMBでございます。
たしかに、営業面の施策の施策は大いにあるかと思います。
フィンエアーの日本線は技術面では相当慎重に開拓してきたので、営業面の施策に加え、そうした技術上の側面もあるものと考え、テクニカルな理由を主に書いた次第であります。テクニカル面を強調する理由としては、ヘルシンキ~成田線の歴史にあります。
1980年台前半に、ロシア(旧ソ連)上空を飛行しないで、ベーリング海経由で成田~ヘルシンキ間ノンストップフライトを実現しているキャリアですので・・・。そのために、DC-10-30(当時は3機保有)に燃料タンクを増設したものを1機だけ用意し(型式的にはDC-10-30ERと称する文献もある)、これを成田線専用とし、今と同じようにヘルシンキ午後~夕方発で成田着午前、成田発午前~昼ヘルシンキ着午後早くというダイヤにすることで、ヘルシンキ以遠ヨーロッパ区間への接続便に(ヨーロッパ発では欧州内ヘルシンキ行きの便から成田行きの便への)乗り継ぎをしやすくして旅客を獲得していったという歴史があったりしますので・・・。
ときは変わり、フィンエアーはヘルシンキでの乗継利便を訴求し、日本以外のアジア路線に力を入れるようになって現在に至っております。余談ですが、フィンエアーの大西洋路線はシカゴ~ヘルシンキとニューヨークJFK~ヘルシンキ線しか通年運航がなく、季節運航でマイアミ~ヘルシンキ線があるだけと意外と少ないですので・・・。北欧のライバルのスカンジナビア航空はロサンゼルス~ストックホルム線やサンフランシスコ~コペンハーゲン線といった西海岸への就航もあり、東海岸でもコペンハーゲン~ボストンやコペンハーゲン~ワシントンDCという路線へも運航している中フィンエアは西海岸へは自社便では就航していないというぐらいですから、大西洋線の少なさが分かるかと・・・。
ただし、ヨーロッパのキャリアで大西洋線といえば収益や経営戦略面では最も重要と言われ(大西洋線の就航をしている場合)、そこでの路線構成を誤ると経営にまで影響するといわれているほどですから(フィンエアのアジア路線重視というのはある意味思い切った(というか)ユニークな戦略といえます。スイス航空やサベナベルギー航空の経営破綻の一因は大西洋線で収益を上げられる路線構成にできなかったことと言われているくらいですし、あれだけ米系大手キャリアとの提携を嫌って、ブリティッシュエアウエイズがアメリカン航空と提携した際にはNo way AA/BAというロゴを入れた機体を飛ばしていたヴァージンアトランティック航空が大西洋線でアメリカメガキャリア(世界最大の航空会社ともいわれる)デルタ航空との提携の道を選んだということからも大西洋線の重要性は見て取れるかと。もちろん、KLMとノースウェストとの大西洋線における全便共同運航化が成功したことが大西洋線の路線構成の戦略に多大な影響を与えた(今でも与えている)ことは見逃せませんが・・・。
またしても長々と恐縮ですが。