LOTポーランド航空 B787で、快適な成田への帰路。チェリーウォッカの香りが春の旅を締めくくる。《little trip to Europe vol.7》 - LOTポーランド航空 口コミ・評価

航空会社 LOTポーランド航空

2021年07月18日に撮影されたLOTポーランド航空の航空機写真

© 鷹71さん

IATA | ICAO
LO | LOT
アライアンス
スターアライアンス

搭乗レビュー
LOTポーランド航空 B787で、快適な成田への帰路。チェリーウォッカの香りが春の旅を締めくくる。《little trip to Europe vol.7》

航空会社
LOTポーランド航空
便名
LO079
ビジネス
搭乗日
2016/04
路線
ワルシャワ → 成田(東京)
機体記号
SP-LRD
機材
Boeing 787-85D
総評:5
5ッ星
機内食・ドリンク
5ッ星
座席(シート)
5ッ星
機内スタッフサービス
5ッ星
エンターティメント
5ッ星
トイレ・洗面台
5ッ星
機材コンディション
5ッ星
地上サービス
5ッ星
口コミ投稿者
Harry Lennonさん
アクセス数
9,491
投稿日
2016/04/28

搭乗写真

  • 写真の種類:座席(シート)
    LOT B787のCクラスキャビン。... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    ワルシャワ、ショパン空港のシェンゲン... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    シェンゲン外エアサイド、下階に降りて... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    食事は、一品一品の提供量は多くないけ... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    ハムやパテなどのアソート。味もいけま... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    フルーツ&スイーツ。コーヒーと一緒に... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    コーヒーマシン。
    総じてフードコーナ... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    普通にみんな利用するトイレ内に、シャ... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    搭乗まもなく開始のゲート15。このボ... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    自席のシート。ブルーのシックなストラ... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    シート脇のポケット部。左奥にパワーサ... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    シート前方のレッグルーム。モニタ下の... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    ウェルカムドリンクと和風な味付けのピ... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    安全説明VTRは、イラストCG風。
  • 写真の種類:機窓・風景
    定刻すこしまわっての出発、そして15... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    最初のドリンクサービス、ポーランドの... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    アペタイザは定番の生ハムメロンでした... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    メインのチキン、カフェドパリソース。... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    満腹なので美味しそうなケーキ類は敢え... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    マシンプレスでおとしたてのコーヒーと... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    チェリーウォッカ、ソプリーツァ。甘く... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    ディナータイムがこのあたり。ワルシャ... 続き
  • 写真の種類:トイレ・化粧台
    ビジネス前方のレストルームは二か所。... 続き
  • 写真の種類:座席(シート)
    リクライニングパネル。TKのとまった... 続き
  • 写真の種類:機内食・ドリンク
    到着2時間前の朝食。ヨーグルトが嬉し... 続き
  • 写真の種類:機窓・風景
    茨城北部と太平洋にそって南下してるあ... 続き
  • 写真の種類:機窓・風景
    雲を出るともう、Aラン南側からの着陸... 続き
  • 写真の種類:搭乗時の写真一般
    成田T-1、第4サテライト、G47に... 続き

総評

雨模様も何だか似合う春のワルシャワ、フレデリック・ショパン空港。シルバーに統一された天井の高いエアサイドフロアに、オレンジのゲートサインが華を添えているシックな雰囲気の中を歩いていく昼下がり。チューリッヒからのLO412便を降りて向かうは成田行きの帰国便、15:20発のLO079。その前にシェンゲン域内からの出国が待っています。
出国のイミグレは、エアサイドのターミナルをぶっつり切るように設けられていて、係員の女性が"こんにちは"と慣れた日本語ですんなり通してくれると、その先が日本を含む他地域への出国エアサイド。フロアの感じはシェンゲン内エリアとまったく似たような雰囲気。多少こっちのほうが店舗が少ないかな、といった印象でしたが。

ネットで事前にあれこれ下調べしたんですが、なかなか収集の難しかったショパン空港。その理由は、検索すると建て替える前の旧空港ターミナルのマップが混ざって出てくるため。自分が知らなかったってだけです笑

現在のフロアマップを見る限りは長方形のターミナルで、1〜45番のゲートがあり、いちゲートにつき番号が1.2、3.4とセットになっているようで。
そして同様に、利用当日に空港のゲート案内の目的地を見る限り、1〜24までがシェンゲン外(成田、ロンドン、キエフ等)、25〜45までがシェンゲン内(パリ、プラハ、ウィーン等)のフライトに当てられていました。シェンゲン区域出入国のイミグレは、マップ上ではゲート24と25の間に鎮座してることになりますね。そしてよく見ると、シェンゲン外のエリアが気持ち細めなサテライト風の作りになってました。
ショップの充実度などからするに、同じシェンゲン区域内のフライト利用に利便性の重きが置かれていそうな雰囲気。空港によってその作りも仕組みも違うから、興味をもって観察していると空の旅は不思議と飽きません。

さて、今回の搭乗ゲートもすでにチューリッヒ発券の段階でパスに明記されていて、空港のゲート案内を確認しても変更はないようでして。搭乗開始までまだ二時間弱の時間的余裕があります。てな訳で、写真をちらほら撮り歩き、あとは出発ゲート近くまで戻り、付近にラウンジがあったので残り時間をふわっと過ごす事に。

ワルシャワ空港は、やっぱりシェンゲン側に充実したラウンジ(LOT,スタアラのラウンジ等?)が用意されてるような情報を仕入れてたので、すでに出国を済ませた身としては過剰な期待はせず、何かちょっと飲めれば良し!という庶民的感覚に忠実に、出国後のラウンジに向かいました。出発予定ゲート15のすぐ近く、階段を降りてすぐのボレロ・エグゼクティヴ・ラウンジという所。(写真参照。暗くてラウンジ名が分かりにくくすみません。) ビジネス利用者はもちろん、各種カードステータスホルダー、そしてプライオリティパスでも入れる模様です。

利用対象の門戸広めなラウンジにしては、なかなかフードもビバレッジも揃ってます。狭めで席数も少ないですが、贅沢言ってないで好きなものさっさと飲みなさいよ、といわんばかりのクールな眼差しの女性スタッフが(あくまで個人的イメージです)、きびきびと空いた席の食器を回収して歩き回ってます。
ソファ席はすでに完売してたので、ちっちゃいカウンターの席を陣取り、瓶ビールと白ワインとゆうこの旅定番のチョイスで軽く食事を頂きました。窓の外には駐機されているLOTのB787が何機か並んでおり、相変わらずの雨模様の空が仰げました。出発階の下階なので、外に見えるフリートも目線の高さで迫力もあります。なかなかコジンマリとして良いラウンジじゃないかな。もっと空間的にも広々と寛ぎたい方は、シェンゲン区域側ラウンジのほうがよろしいみたいですね。

いよいよ最後のフライトに搭乗する時間が近づいてきました。ゲート待機フロアではすでに搭乗予定者が集まり、地上係員さんにより、プレエコアップグレードの斡旋のアナウンスが行われています。14:50、時間通り機内へ入ると、担当CAさんによる"こんにちは"のお出迎え。
ゲートで見た限りでは、たくさんの邦人ツーリストの方々もいましたが、ビジネス利用にはほとんどおらず。ビジネス18席は満席でしたが、日本人は僕と他2人だったかな。

とても気持ちよいキャビン。今更ですが、行きに利用したターキッシュとほぼ同じ形式の二人並びシート。なぜよりによって同じようなエアラインを選んだんだか、、笑 もちろん贅沢な話ですが。。
フラット化するシートやフロントモニタ周り、ヘッドフォンホルダに至るまで、きっとTKと同じだなと気付きましたが、唯一ポケット部のドリンクホルダがあることが便利でLOT一点のリード笑。
せっかくの滅多にないビジネス利用なのに、あんまり小姑ばりに細かいとこばかり較べてると気持ちが貧しくなりますが、良い意味で行きのTKフライトを思い出して、旅の思い出の点と点を繋いでくれた気もします。そんな思いに耽っていると、さっそくウェルカムドリンクとおつまみのサービス。

15:25、ほぼ定刻どおりプッシュバックされ、雨の中を動き出した当機キャビンにポーランド語、英語、そして柔らかい日本語のアナウンスが流れます。ビジネス担当の女性CAさんひとりが日本語おじょうずで(すごく流暢ではないけど気持ちがこもっていて丁寧。)、終始僕にはその人だけ日本語で話しかけてくれてました。僕の席担当の方を含め、他のCAさんとは英語。

15:40、キャプテンのアナウンスが入ると、B787は雨のランウェイを離陸滑走を始め、あっというまに空へと舞い上がりました。久々に聴く落ち着いたトーンのフルスロットルエンジン音。そうか、この旅で初、そしてよく考えたら個人的にも今年初の787だ、と気付いた瞬間でした。
そんな静音性の優れた当フリートですが、ビジネスキャビンは尚の事静かなのでしょうかね。ただ、個人的には今回窓側とあって、実際は往路で乗ったTKのA330ビジネスのほうが静かに感じました。往路では中央列シートにいたお陰なのか、787よりもエンジンから遠いからなのか。またもや細かい話ですが、意外なほど(酔ってても気付くほど、、)明らかな違いがあったので個人的感想として記しておきます。

とはいえ、座り心地も個人スペースの居心地もLOT 787はエクセレントです。
お隣には明らかにお仕事で訪日という感じの男性がいらっしゃり、夕飯もパスして仮眠してはパソコンを開く、などと随分ご多忙そうでしたが、こちらがご飯も飲み物もテンションあげあげで空の上の時間を楽しんでいても、そこまで相手に大層な気遣いはいらない空間が用意されているし、CAさんもきっちり"この人はこの人の楽しみ方や過ごし方をしてもらおう"という、相手に合わせたムード作りをきっちり遂行してくれてる感じ。
もちろん、明らかにお隣の迷惑になるような野暮ったい利用の仕方はダメですが、スタッガート配列シートなどパーソナルスペース重視の昨今でも、この二列シートもなかなかどうして居心地は悪くないです。ま、スタッガート利用したことないですけどね笑 住めば都、とゆう言葉に従い、この贅沢な空間を思いっきり楽しもうと思いました。今回はモニタもちゃんと動いたし笑 (往路では悲しいかなフリーズしっぱなしだったので。)。

上昇を終えて安定飛行に入ると、待ってましたドリンクサービス。僕の列の担当CAさんはとても律儀。固い人ではないですが、フレンドリーすぎる訳でもなく。オーダーを聞くときも三つ指揃えるようにキチッと立ち止まり、丁寧に受け答えしてくれるので、こちらも慌てる必要もなくしっかり要望を伝えられます。
前便、同じくLOTのCAさんもそうだったけど、欧州系エアラインといえどもやっぱり実直さを感じるサービスですね。決してとっつきにくいわけではなく、笑顔も素敵で、あくまで日本人的に心地よく、思いやりの伝わってくる実直さです。あと、ギャレー内でも私語も少なく黙々と仕事されてたし。キャピキャピ、ワーオ!と弾けるような明るいサービスを求める場合は、ラテン系のエアラインを選びましょう笑

そして今回ついに飲む事の出来たポーランドワイン!おいしかったのでおかわりすると、CAさんも良い笑顔。生ハムとメロンの王道なオードブルにもぴったりで最高です。メインはチキンのソテーで、カフェ・ド・パリソースにハーブがガツンと効いていたので、パンチのあるジョージアの赤を。
デザートの頃には割と満腹になってたので、選択出来るデザートワゴンからフルーツのみを貰い、往路と同じポートワインで締め。酔いの具合も大満足な域に達してきたので、さて映画でも観るかな、というタイミングでCAさんが何かをたくさんトレーに載せてやってきました。

"ポーランドの名産、チェリーウォッカです。最後にどうですか?"
…ルビーレッドのウォッカが入ったショットグラスを貰ってしまいました!
まだ飲むのかよ、と心の声が聞こえてきたけど、なかなか飲む機会もないだろうしと思った訳です。学生時代の悪ふざけ飲みの苦い思い出しかないショットグラスのアルコールですが、このウォッカ、飲んでみると優しい香りと適度なアルコール感で、すごく美味しい!目から鱗でした。

ワインのセレクトも文句なしだし、食事は美味しい、機内環境はさすが787で快適。不快な乾燥もありません。CAさんの距離感も心地よいし、もう満腹でいつでもゆっくり眠れちゃうはずなんだけど、、テンションあがってるのか全然眠くならないんですよね。持ち合わせた貧乏性全開で過ごした雲の上の9時間半でした笑 観たかった公開前の映画"レヴェナント"が楽しめたのも嬉しかった。

おなじみのロシア上空ルートから極東へと向かい、ハバロフスク付近を流れるアムール川の大きなウネリが眼下に見えてくると、日本海上にでるまであと少し。夜を早送りで飛び越え、この頃には広大な大地の景色も787の主翼も、朝陽の赤い色で染められ始めます。ちょうど数時間前にいただいたチェリーウォッカのような色の景色をシェード越しに楽しんでると、まだ暗いキャビン内でもCAさんが朝食の用意をしている音が聞こえてきました。
ちょうど日本海に出る辺りで朝食。量的にはなかなかボリューミーだったので頑張って平らげ、コーヒーをもらって到着までの時間ゆっくり過ごす機内。プルーン果実入りのポーランドチョコレートも配られ、甘い味にうっとりしながら旅の整理をしてました。この朝食後の時間が、いよいよ旅の終わる実感がわいてくる切ないひと時ですよね。

東北地方から進入した日本列島の上空では、福島辺りまでちらほら景色がみえたものの、そこから南はずっと厚い雲海の上をかすめるように飛行。地図上ではだいたい茨城北部の海岸線あたりで雲の中へ突入。ちょっとずつ高度は下がってるようだけど、ひたすら雲の中を行きます。とゆうことで予想通り揺れ始める787。アナウンスに耳を澄ませると、成田の天候は悪く、しかも7℃とゆうびっくりの低気温!あちゃ〜。荷物の底からまたダウンをひっぱりださなければ。まあでも無事に着陸してくれたら良しです。

いよいよ雲を割いて飛び出すと、もう成田の目の前。ギアも早速ダウンされ、寒そうな房総半島の風景が近づいてきました。水を引いて田植え準備を待つ田園風景が、日本に戻ってきたことをじわじわ感じさせてくれるなか、南から時計回りにぐるっと回り込んでのAランウェイに着陸でした。
懐かしい成田の整備区やT-1が見えてきて、たくさんのロングホールフリートが並んでいました。どっと出てくる安心感。旅は終わったのです。

雨したたる朝8:30の成田は、寒いとはいえ、夜のベルリンや早朝のチューリッヒと較べたら湿気のせいか暖かい気もしました。当便は奇しくも、往路TK053便が出たのと同じ、第4サテライト先端の47番スポットに収まり、この旅も完璧に原点帰結。そこからバゲージクレームへと少しまた長い徒歩の旅につき、無事荷物も手元に戻ると、一層の安堵感とともに地元へのバスを待ちました。
さて、色々な空港を観てきたあとで感じるのは、やっぱり日本が一番いろいろ実務的だなとゆうこと。逆に欧州では、空間の遊びやデザイン性にも足枷が付いていない感じで、日常の居住空間としてのフリーキーな雰囲気があるなと、今回も思いました。ただ、警備は露骨に厳重で、物々しさも当然ありまして、そんな雰囲気のコントラストさえも嫌悪するのではなく、日常にスッと受け入れているのが欧州の文化なのかなとも思ったり。

ブリュッセルテロの数週間後だったので、旅自体心配ゼロだったといえば嘘になりますが、でも実際の欧州の人々は、不安に押しつぶされてるわけでもなく、変わらず毎日を楽しんでいます。近郊の国を小旅行してる若い世代の子とも友達になりましたが、日本やアジアに行ってみたいという欲求もすごくあるみたいで、何だか嬉しかったです。逆に、この時期にヨーロッパを訪れる事で、実際の現地を少し知る事ができてよかったのかも。
もちろん、僕が見聞きしたのは現地の考えの一側面であるということを付け加えておきます。平穏がはやく戻る事を願いつつ、僕の旅も閉じることにしました。


当便レビューと関係なしに締めくくりをしてしまい、また、相変わらず脱線気味のふざけ気味なレビューにしてしまいましたが、改めて今回のLOT利用は大正解でした。今回の僕のように、ヨーロッパでも東寄りな方面の旅をする方にはもってこいでしょう。ワルシャワでのコネクトにもLOTは自信を持っているようですし。
全部に五つ星を付けましたが、個人的に大満足の、本心からの五つ星です。往路のターキッシュ同様、いつかまた利用させて頂きたいエアラインになりました!

目を通してくださった方、ありがとうございました。どこかで誰かの参考になれば幸いです。
それでは、みなさんも良い旅を。(2016.4月 記)


○ドリンク(自分がいただいたもの)
 ・Saphira Winna Gora/Marek Krojcig (White/Riesling/Poland)
 ・Tibilisi Red Dry/Iveriuli (Red/Saperavi/Georgia)
 ・Six Grapes/W&J Graham's (Port/Touriga etc./Portugal)

○夕食(ユーロピアンを選択)
 ・生ハムとメロン、季節のサラダ
 ・鶏肉のカフェ・ド・パリソース(ハーブとバターのソース)、ポーランド風ニョッキ、ズッキーニと香草のロール
 ・いろいろベリーのデザート
 ・コーヒー、チョコレート(リンツ)、チェリーウォッカ

○朝食(選択無し)
 ・野菜のさつま揚げ風、ほうれん草と茸のソテー、ポーチドエッグ、チーズとハムの盛り合わせ、フレッシュフルーツプレート、ブルーベリーヨーグルト、トマトが練り込まれたパン

コメント

  • 2016/05/02 15:28:42

     Harry Lennon様
     お久しぶりです。OSの撤退でさらにLXまでもとなったら、もう成田に着陸することはないかも・・・ということが一瞬脳裏によぎったHB-JMBでございます(注:ルフトハンザではLXの週7便は残す意向を示しているとのことですから当面は大丈夫そうですが 笑。ただし、OS撤退のあおりでLX便の機材を突如B777-300ERに変更という可能性もあるので成田からA340-300が早々と撤退という可能性もなきにしもあらずですが・・・)
     http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=72327

     そんな冗談?はさておき

     >行きに利用したターキッシュとほぼ同じ形式の二人並びシート。・・・<

     席の写真を拝見したところ、造りがよく似ているので、もしかすると座席を製造しているメーカーは同じなのかもしれません。というのは、ビジネスクラスのシートを製造できるメーカーは世界で数社しかない寡占体制とも言われていて、航空会社がシートメーカーに振り回されているとさえも言われているほどです。
     私が感じているところでは、エミレーツのA380のスタッガード配列のビジネスクラスのシートも、全日空のスタッガード配列のビジネスクラスでも、基本的な構造はそっくりで、CGでテーブルの色やテーブルに貼っているクロス生地の色を書き換えても分からないのでは?というほどです。おそらくは、航空法規の基準に従って座席を造るとどれも似たような感じになってしまうことと、認可を受けるための各種試験を実施する技術力や財政力を考えると、この事業で黒字を出せる体制のある会社は世界中でも数えるほどしかないためではと思われます。
     となると航空会社が違っても、シートのメーカーは結局はほぼ同じ、もしシートメーカーが違っても現在ある航空のレギュレーションにあわせようと思うと結局構造は似てしまう・・・となってしまっている可能性が考えられるところです。

     そのため、以下のリンクのように、シンガポール航空が航空座席の大手(というか寡占の会社)ではなく、あえてジャムコ製のシートを採用といったケースも出たりしています(本当はこれのシンガポール航空側を取材した記事に上の段落に書かれていることが書いてあったのですが見つからず、ジャムコ側のリリースのURLをつけておきます)
     http://www.jamco.co.jp/news/announcement/3016.html

     またしても余談ばかりで恐縮ですが。HB-JMB

  • 2016/05/02 21:28:59

    HB-JMBさま
    GWいかがお過ごしでしょうか。いつもありがとうございます!

    うーん、成田にHB-JMBさまが飛んでこなくなるのは寂しいですが、正直LXトリプルセブンも待ち遠しい訳で、、笑 複雑な心境です!
    今思えばオーストリアには乗っておけばよかったなと思ってますが、とりあえずスイスだけでも死守してほしいですよね、ルフト軍団さんには。現状そうなのですね、一安心です。

    スイスのA340は数年前に一度だけ乗りましたが、安定感あってエコノミー窓側二席で、機内食も普通に美味しいし、いうことなしだった記憶があります。個人的にも、早いうちにSASやルフトハンザのA340を体験しておきたいものです。

    話が逸れましたが、Cクラスシート製造のお話、またまた興味深く拝見させていただきました。
    LOとTK、やっぱり似てますよね。各社のオリジナリティを出しながらも導入するアイテムを選ぶのには色んな苦労があるのでしょうね。サービスやカラーリングなど、どう個性をだそうとしてるのか観察するとまた面白いのかもしれません。
    個人的に思うのは、ロングホールフリートやそのサービス自体に定評のあるターキッシュが、スタッガートシートではなく、あの2列配置のCクラスシステムを採った理由は何なんだろう?とゆうことです。コース料理のサービスがしやすいからなのか何なのか。考えると面白いです。勿論、快適なシートであったことは間違いありません。

    余談だなんてとんでもないです!ありがとうございます。

  • 2016/05/04 18:21:03

    Harry Lennon様
     HB-JMBでございます。

     まずは、OS撤退の続きを。SASもエコノミーでは昔から割と安価な北回り便の航空券を出すキャリアとして有名(もう2000年代前半より)なので、OSやVSのように価格競争力でかなわなくなって黒字出すのが難しいなどという日本路線撤退の理由を聞くと、SWISS同様、個人的にはSASの成田線が採算が合わなくて撤退、などということにならなければと心配であります。
     というのは、OS撤退の理由として私が推測しているのは・・・
     1.スタアラ内での東京~ヨーロッパ直行便の供給過剰(LHで成田~フランクフルトデイリー(今は週3便)LH/NHで羽田~フランクフルト・ミュンヘン線デイリー、LXデイリー、OSデイリー、でNHがデュッセルドルフとブリュッセル線をデイリー、そしてSKが従来からデイリーに飛んでいるところにさらにLOが週3便、将来デイリーではいくら787とかの中型機を多用するにしても供給過剰と思われ・・・。
     いくらドイツ経済が他より堅調とはいわれていても、ドイツ語圏およびその周辺(コペンハーゲン、ワルシャワ、ブリュッセル)に上述のノンストップ便ではいくら何でも多すぎと思われ(日本人のヨーロッパへの行き先の人気度を考えたら、ドイツ語圏はロンドン、パリについで3番目あるいはイタリアの下の4番目かもという状況を鑑みればなおさら)
     2.中東系キャリア(前回のコメントの通りターキッシュも加えておきます)が相次いで東京線を開設し、かつ北回りでも乗り継いでしか行けないヨーロッパ内の就航地点を多数持っているため(それらの地点に行くには北回りでも乗り換え1回という手間は変わらず、待ち時間によっては中東系の方が所要時間が短いケースさえある)、日本における日本~ヨーロッパ間航空市場での存在感が急激に高まった(東京を深夜に出るという疲れるが時間的な優位さもあるのでなおさら)

     そうなると、今勢いがあってかつA340をフリートにしているのはAYですが、日本線は状況によりA330とA340を併用しているので(時刻表上成田線がA340とのことですがA330での運航も少なくない模様)確実に乗れるとは限らないところにもってきて、A350の導入も進んでいますから、いつ日本線にA340が来なくなっても不思議ではない状況ではあります。

     さてさて、勢いがあるといわれるもうひとつのキャリアのTKですが、本題のA330-300がスタッガードではないかという話ですが、私が推測するには
     1.スタッガード式座席は1人あたりの占有面積が大きいこと
     2.TKはB777-300ERをフラッグシップに、A330系列機はB777-300ERより航続距離とキャパシティーはやや落ちるがナローボディー機では運航できない路線向けの運用をしている。
     昔のJALのB747在来型とDC-10の併用あるいはキャセイやチャイナエアラインのB747-400とA340/A330を併用して運用しているときのDC-10やA330/A340に相当する機材としての運用と考えれば分かりやすいでしょう。
     3.2.で述べたように比較的短い路線にも運用したい場合、A330-300にスタッガード式ビジネスクラスにしてしまうとキャパシティーが大幅に小さくなることがネックになってしまう。
     A330-300もしくはこれと同じキャビンサイズのA340-300で比較すると(FINNAIRは成田線に入る代表的なもののみ)
     SWISS A340-300 3クラス F8C47Y164(PYは設定なし)ビジネス横4列
     SAS A340-300  2クラス C40Y207(うちPY28) ビジネス横4列
     FINNAIR A340-300 2クラス C42Y221(うちPY40) ビジネス横6列
     TK A330-300 2クラス C28Y260 (PYなし) ビジネス横6列
     参考 TK777-300ER 2クラス C28Y300(PYなし)  ビジネス横7列(PYなしバージョンのみ記載)
     おそらくは、TKはA330-300でエコノミークラスは250席近く確保、B777-300ERで300席近く確保して運航するとなればスタッガードの採用は難しいものと思われる。
     上級クラスの席数を減らさず、かつエコノミーでも席数を確保したいとなれば、エミレーツのB777-300ER(F8C42Y310またはY304)のようにTK同様2-3-2のビジネスクラスを設置し、かつエコノミーは恐怖の(?笑)横10列仕様を採用せざるを得なくなってしまう(ちなみにTKのB777-300ERのエコノミーは3-3-3の横9列。ただし、昨今のことを考えれば、TKとていつ横10列仕様に改修してしまうか気が気ではない)
     4.TKのフラッグシップのB777-300ERでもスタッガードは使っていない(フルフラットにはなるが)、のでそれより航続距離の短いA330-300でスタッガードにする必要性は低いと判断した可能性が考えられる(日本でいったら、ANAのB777-300ERに上述各社のような横7列のビジネスクラスをつけているのに、B767にスタッガード配列にしてしまうような状態といえば不自然さが分かるかも)

     最初のOS撤退の余談が長くなりすぎで、A330の話がかすんでしまってすみませんが・・・。

     また、あまりまとまりのない書き方で恐縮ですが、TKのA330-300でスタッガードを採用していないなぞは解けましたでしょうか?

     本当に長々で恐縮ですが。HB-JMB

  • 2016/05/06 19:50:21

    HB-JMBさま
    よい天気が続き、フライト日和といいますか旅日和ですね。よい週末を!
    さて、また溜息がでるほど綿密精緻なご考察ありがとうございます。大変勉強になりました。
    スタッガートシート導入に関するポイントを改めてちゃんと考えると、TKの見据えていることも見えてくる気がします。キャビン全体に席数確保の余裕できることから、TKの場合はコンフォートクラスやエコノミークラスにも快適さを保てるのでしょうか。他社よりかはエコノミーも疲れにくくてgoodと聞いておりますし。
    これが、利用客の多様なターキッシュのホスピタリティなのかなとも思ったり。
    ビジネスに関しては、プライベート性の追求をカバーしてあまるくらいのサービスの良さに自信を持っている印象を受けました。
    スタッガートB787のエコノミー側で多少詰め込まれた感のあったANAと比べてしまうと、、納得できてしまう事でもあります。次の目標は、いつかのANAビジネスですが笑

    スタアラの欧州路線がたくさんあることは、僕も常々思っております。
    利用機会が多い者としてはありがたい限りですが、我が国の行く末的にも今後縮小するであろう事は予測できるので、何にしても時間のあるうちに色々なエアラインを経験しておきたい気持ちはあります。中東周りも嫌いじゃないので、エティハドがスタアラに、とかあれば遠回りにも浮気しそうですが笑 それはないか。。

    ともかく、毎回読み応えもあり(と言っては失礼ですかね、、)、改めて航空業界と空の旅の面白さを教えて頂いております。自分ももうひと掘り詳しくフリートの勉強などをしてみたいと思います!ありがとうございます!

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