搭乗レビュー
初日全便欠航 2日目離陸直前の空港閉鎖 世界一危険の異名を持つテンジン・ヒラリー空港の一端を垣間見た
- 航空会社
- タラ・エア
- 便名
-
TRA142
エコノミー
- 搭乗日
- 2019/04
- 路線
- ルクラ → カトマンズ
- 機体記号
- 9N-AEV
- 機材
- De Havilland Canada DHC-6-300 Twin Otter
- 口コミ投稿者
- planetさん
搭乗写真
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初日は濃霧。これではヒマラヤ山中を飛... 続き
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待合室で朝から8時間以上待たされまし... 続き
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待合室で待っている間は売店だけが命綱... 続き
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2日目の朝。前日の全便欠航の影響でカ... 続き
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3枚目の搭乗券。乗れなきゃただの紙切... 続き
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3日目に迎えた最高の朝。一番機が飛び... 続き
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救援機が到着。晴れやかな気分で乗り込... 続き
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最前列が空いてました。配列は1−2。... 続き
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シートはペラペラで衝撃を受けたら耐え... 続き
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機内でキャンディーのサービス。このミ... 続き
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30分ほどでカトマンズへ降りてきまし... 続き
総評
初日:朝から濃霧で1便も飛ぶことができず、当日予定していたフライトは全便欠航に。
2日目:前日飛べなかった乗客を運ぶため早朝からピストン輸送。順調に進んでいたところ、自分が搭乗した矢先に「航路に巨大な雷雲発生」との情報で離陸を見合わせ。そしてそのまま「空港閉鎖」のアナウンス。2日続きの運のなさを嘆く。まぁ、無理して飛んでまさかの事態を招くよりはマシか。
そして二度ある事は三度あるのか。それとも三度目の正直か。
3日目の朝はウェイティングリスト最上位。天気も上々。これを逃すようでは、何か見えざる手に運命を翻弄されているとしか思えない。今や孤立した被災地で救援機を待つ難民の気持ちだ。
そして朝一番で待望の“救援機”がやってきた。2日間苦楽をともにした“同士”からも期せずして拍手がわいた。
「タラ航空142便のお客さんはこちらへ」
天気と同じような晴れやかな気分になった。
同士もいそいそと乗り込んでいく。自分は最後の搭乗者となった。運が良いのか悪いのか、空いていたのは最前列。客席では一番眺めの良い席だ。しかし、非常口から一番遠い席でもある。
低く唸るようにエンジンスタート。プロペラはだんだん回転数を増していき、機体は滑走路に進むと端で180度進行方向を変えた。RWY24からの離陸はこの空港一番の山場だ。ブレーキをかけたままエンジンの出力は最大限に上げられる。機体の振動から「行くぞ」という強い意志のようなものが伝わってくる。
球が弾き出されるように一気に滑走路を駆け下りる。ジェットコースターが最高点から落下していく感じに似ている。落ちていく一方だ。なかなか浮き上がる気がしない。滑走路が消えて谷間が見えた。
不思議な感覚だ。
普通は滑走路から浮揚する感覚があるのに、ここではそれを感じられない。ただ落ちていくというか、滑空していくだけのようだ。だがそんなものはすぐ杞憂に終わる。機体は徐々に高度を上げながら谷間を抜け尾根の上に出た。ヒマラヤの山並みはどんどん小さくなっていった。
往路と同じように女性CAからコーヒーキャンディーのサービス。美味しさが増してたようだが、それは気のせいか。
30分ほどでどんよりとした空気に包まれたカトマンズ市内が見えてきた。北から進入してきた搭乗機は、その後空港東側を半周するような形でRWY02から着陸。着いてしまえば、この数日の辛さなんて呆気ないもんだ。
ルクラへ来ることがなければおそらく知ることがなかったタラ航空。欧米基準での評価は低くても、世界中から訪れる登山客を支え続ける山岳パイロットや、地上のスタッフたちには感謝の気持ちしかない。
2日目:前日飛べなかった乗客を運ぶため早朝からピストン輸送。順調に進んでいたところ、自分が搭乗した矢先に「航路に巨大な雷雲発生」との情報で離陸を見合わせ。そしてそのまま「空港閉鎖」のアナウンス。2日続きの運のなさを嘆く。まぁ、無理して飛んでまさかの事態を招くよりはマシか。
そして二度ある事は三度あるのか。それとも三度目の正直か。
3日目の朝はウェイティングリスト最上位。天気も上々。これを逃すようでは、何か見えざる手に運命を翻弄されているとしか思えない。今や孤立した被災地で救援機を待つ難民の気持ちだ。
そして朝一番で待望の“救援機”がやってきた。2日間苦楽をともにした“同士”からも期せずして拍手がわいた。
「タラ航空142便のお客さんはこちらへ」
天気と同じような晴れやかな気分になった。
同士もいそいそと乗り込んでいく。自分は最後の搭乗者となった。運が良いのか悪いのか、空いていたのは最前列。客席では一番眺めの良い席だ。しかし、非常口から一番遠い席でもある。
低く唸るようにエンジンスタート。プロペラはだんだん回転数を増していき、機体は滑走路に進むと端で180度進行方向を変えた。RWY24からの離陸はこの空港一番の山場だ。ブレーキをかけたままエンジンの出力は最大限に上げられる。機体の振動から「行くぞ」という強い意志のようなものが伝わってくる。
球が弾き出されるように一気に滑走路を駆け下りる。ジェットコースターが最高点から落下していく感じに似ている。落ちていく一方だ。なかなか浮き上がる気がしない。滑走路が消えて谷間が見えた。
不思議な感覚だ。
普通は滑走路から浮揚する感覚があるのに、ここではそれを感じられない。ただ落ちていくというか、滑空していくだけのようだ。だがそんなものはすぐ杞憂に終わる。機体は徐々に高度を上げながら谷間を抜け尾根の上に出た。ヒマラヤの山並みはどんどん小さくなっていった。
往路と同じように女性CAからコーヒーキャンディーのサービス。美味しさが増してたようだが、それは気のせいか。
30分ほどでどんよりとした空気に包まれたカトマンズ市内が見えてきた。北から進入してきた搭乗機は、その後空港東側を半周するような形でRWY02から着陸。着いてしまえば、この数日の辛さなんて呆気ないもんだ。
ルクラへ来ることがなければおそらく知ることがなかったタラ航空。欧米基準での評価は低くても、世界中から訪れる登山客を支え続ける山岳パイロットや、地上のスタッフたちには感謝の気持ちしかない。
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