今から5年前の2017年1月20日、日本エアコミューター(JAC)として初のATR製の機体を受領しました。JACは現在、ATRを計10機に拡大し、日本のリージョナル路線を支える主力機として最も多い機数を運航しています。JACが保有する10機は、48席のATR-42-600型が8機、70席のATR-72-600型が2機です。2022年4月にはATR-42-600がさらに1機加わり、計11機へ拡大する予定です。
JACが保有するATRの2機種は最新仕様で、ATRが製造を始めた初期から大きく進化し、エアバスA380型のコクピットと同様のシステムを取り入れ、イタリアのデザイナー「ジウジアーロ」が手がけた客室デザイン「アルモニア」が採用されています。明るさを自由に調整できるLED照明、従来より広い座席上部の収納棚、膝周りはゆとりが確保された座席を楽しめます。さらに、シートは「JAL SKY NEXT」仕様に準じた革張りで、JAL国内線と共通性を保っています。ATRはフランスとイタリアの合弁企業で、その良いとこどりをした機体に、日本らしさを加えたのがJACのATRでしょう。
JACの機体はJALグループで統一している白い機体をベースにアルファベットで社名、尾翼に鶴丸の塗装です。しかし、保有する10機のうち、5機に特別な塗装が施されています。この特別な塗装が施されている5機を紹介します。
JA01JC:ハイビスカス塗装
JA02JC:ハイビスカス塗装
「ハイビスカス」は、JACが就航する離島や地域の象徴です。機体左側の大きなハイビスカスは鹿児島、その下には鹿児島県の7つの離島、機体右側のハイビスカスはATRがつなぐ他の地域を表しています。5本のラインは「水引」のように、地域と地域、人と人を結び、子供の夢、人々の想い、過去から現在と未来をつなぐことが表現されています。
JA05JC:コウノトリ塗装
但馬空港への定期便維持のため、兵庫県からの支援で但馬空港ターミナルが購入、JACへリースしている機体です。このため、機体に但馬を代表する「朝日の中を未来に向け飛翔するコウノトリ」が描かれています。但馬だけでなく、国内各地の大空を翔け、全国で「但馬」をPRする機体です。
JA06JC:1500th ATR
この機体は、ATRが製造を続け、ちょうど1,500機目にあたる機体です。1984年から製造を続け、34年をかけて積み重ねた節目を記念し、機体前方に「1,500th ATR」が記されています。
JA10JC:奄美・沖縄 世界自然遺産塗装
「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録を祝う塗装です。機体の胴体後方には環境省のキャラクターが描かれます。ヤンバルクイナ「クイちゃん」、アマミノクロウサギ「あまくろ」、イリオモテヤマネコ「まーや」が左から順に描かれています。メッセージ「守ろう!世界の宝」とあわせ、希少動植物など知識を深め、守ることの大切さを広めています。
JACは、ハイビスカス、コウノトリ、奄美・沖縄世界遺産をテーマとした特別塗装機を中心に、就航する地方の特徴を描いた機体で、各地を結んでいます。