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海保の単独飛行訓練、監督機の対応改善・訓練生にも再教育 北九州での滑走路接触受け

© 運輸安全委員会
事故後の機体

運輸安全委員会は2022年1月20日(木)、海上保安庁の訓練機が北九州空港で滑走路接触した重大インシデントの報告書を公表しました。この事案は、2021年2月3日(水)に海上保安庁訓練機のテキストロン・アビエーションのセスナ172S、機体記号(レジ)「JA393A」が訓練飛行中、単独飛行の訓練生が着陸を試みたものの強風のため着陸復行の際、胴体後部が滑走路に接触したものです。報告内容を受け、海保北九州航空研修センターは監督実施要領を改正、訓練生にも再教育を実施するなど、再発防止策を講じています。

報告書では、訓練開始時の気象予報の確認などから、単独訓練飛行の判断可否は適切だったとしつつ、進入時には西からの横風が強く、訓練生も気流の乱れへの理解もあり、空港の特殊要因を考慮した規定通りに進入していたとみています。復行操作については、30フィートで機体は不安定、10フィートで風に煽られ復行を決意していました。監督機は、空港独自の安全基準を満たしていない風を認識した際、進入の中断や上空待機の指示、その後の天候見積り、訓練生の技量や経験から再進入の可否、目的地外空港へのダイバートなどの意思決定の必要があると指摘しています。

© 運輸安全委員会
接地・接触位置

こうした報告内容を受け、海上保安学校宮城分校北九州航空研修センターは、再発防止として、単独飛行監督実施要領の改正しました。(1)安全基準を超える風速には2割増しで横風成分を算出するなどの単独飛行実施の可否要領の見直し、(2)教官による監視機の単独飛行機を先行飛行させたり、単独飛行機に対して必要な助言など監督要領の変更、(3)天候悪化時に先行着陸や復行要領の確認、気流の状況などの助言、上空待機や代替飛行場への着陸指示など対応を明確化しています。

また、訓練生には(1)地上教育で復行すべき状況や復行時の再教育、シミュレーターによる復行手順の再教育、(2)実機で連続離着陸訓練の追加訓練、無飛行期間が空いた訓練生へ訓練再開後の航法訓練時に離着陸や復行の訓練を追加しています。