全日本空輸(ANA)は2023年6月4日、ボーイング787-9型機「機体記号:JA894A」の特別塗装機「ピカチュウジェットNH」を就航させました。初便となったのは、羽田発バンコク行きのNH847便。乗員乗客200名を乗せ、11時10分に搭乗口109番から出発、11時37分にA滑走路から離陸しました。初便となるNH847便出発前には、就航セレモニーが開催され、パイロット姿のピカチュウが登場し、運航開始を祝いました。
同機はその後、NH850便として5日早朝にバンコクから羽田空港へ戻り、NH855便としてジャカルタへ向け出発しています。
運航に先立ち3日には、羽田空港内のANA格納庫にて「お披露目イベント」を開催。ピカチュウによるキレのあるダンスショーの披露や、同社が過去に6種10機を運航した歴代のポケモンジェットの紹介などがされました。
壇上に上がったANA取締役常務執行役員の矢澤潤子氏からは、「描かれたポケモンの中でも、機体全体に描いた“レックウザ”は、ANAの新しい未来を切り拓く“挑戦”の意味をこめた。世界の人にポケモンの世界を体験してもらいたい」とコメント。ポケモン社最高ビジネス責任者の伊藤慶二郎氏も「ポケモンファンは世界中にいる (中略) 自由に往来ができる今、ピカチュウジェットを通じて世界の空を繋いでいきたい」と話し、国際線機材へ描いた想いを強調しました。
“レックウザ”は、機体左側(ポートサイド)前方Aコンパートメント付近から出現。機体右側(スターボードサイド)へまわり込み、翼の付け根付近から再びポートサイドへ、最後にはスターボードサイド後部へ至り、機体全体で躍動的に描かれています。ほかにも、“リザードン、ラティアス、ラティオス、ビビヨン”など「ひこうタイプ」のポケモンを描いています。
787に取り付けられた2つのエンジンカウルの外側にはモンスターボールを描き、機内の窓から見える内側では「隠れポケモン」として、左エンジンで“セレビィ”を、右エンジンでは“ピカチュウ”を見つけることができます。
「ピカチュウジェットNH」に選ばれた「JA894A」は、2017年9月より運用されている国際線用機材。フルフラット・スタッガード仕様のビジネスクラス40席、プレミアムエコノミー14席、エコノミークラス192席の計246席です。プレミアムエコノミークラスとエコノミークラスのヘッドレストカバーは、座席の色と調和したオリジナルのものが取り付けられているほか、紙コップや紙ナプキンも特製のものが用意されています。また、搭乗者限定でステッカーや木札、搭乗証明書が配布されるほか、機内でサービスにあたる客室乗務員は特製のエプロンを着用するなど、どこもかしこも“ポケモン一色”の世界観を感じられます。
「ピカチュウジェットNH」は、羽田発着のバンコク・シンガポール・ジャカルタ・マニラ・ホーチミンシティ・デリー・シドニー・バンクーバー・ホノルル線で、約5年間運航されます。