航空局、せとうちSEAPLANESに厳重注意 損傷を報告・対処せず

航空局、せとうちSEAPLANESに厳重注意 損傷を報告・対処せず

ニュース画像 1枚目:JA03TG
© せとうちSEAPLANES
JA03TG

大阪航空局は2018年9月20日(木)付で、せとうちSEAPLANESを厳重注意し、10月18日(木)までに再発防止策を検討、書面で提出するよう求めました。せとうちSEAPLANESのKodiak100、機体記号(レジ)「JA03TG」は2018年4月12日(木)、遊覧飛行の着水後に機体が異常な姿勢となった事実があり、その状態で航空の用に供した事態に至った事案です。

4月12日の飛行後、運航部門は異常な姿勢となった事実を整備部門に報告せず、搭載用航空日誌に記載せず、当該機は修理が必要か否か確認されず、かつ機体の健全性を確認せずに、4月13日(金)に航空の用に供していました。

さらに、4月22日(日)に当該機は左側補助翼、左翼端の損傷が確認され、製造会社のクエストが定める整備マニュアル基準では、運航を直ちに停止し、必要な整備を行う必要のある状態でした。この一連の状態は、航空法第10条第4項第1号に規定される安全性を確保するための強度、構造や性能基準に適合しないものです。

せとうちSEAPLANESは当該機の損傷事実を知った以降、4月12日の着水後に異常な機体姿勢となった運航について要因分析や対策を怠り、会社自ら問題点を見つけ、改善する安全管理システムの仕組みが機能していませんでした。これは航空法第111条の4に基づく安全上の支障を及ぼす事態に該当し、同社自ら当局に報告していませんでした。

さらに、2018年1月12日(金)に自動操縦装置を使用中に機体が急降下する事案を発生させ、これも当局に報告していませんでした。これを受けた厳重注意文書の発出となりました。

せとうちSEAPLANESは、松本社長名で「お客様をはじめ関係の皆様に多大なご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と陳謝し、再発させない対策を実施し、安全管理システムの適切な運用を図り、信頼の回復に向け全社挙げて取り組む方針です。

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