日本エアコミューター(JAC)は2018年12月5日(水)、乗務予定の機長から乗務前のアルコール検査で制限値を超えるアルコール濃度が確認された件で詳細を公表しました。これは11月28日(水)、鹿児島空港発、屋久島行JC3741便に乗務予定の機長から、乗務前のアルコール検査で制限値0.1ミリグラム/リットル(mg/l)を超えるアルコール濃度が確認され、運航乗務員の交代に伴い当該便が予定より1時間遅れで運航した事案です。
当該機長への聞き取り調査によると、アルコール濃度が確認された11月28日(水)の前日、11月27日(火)18時30分から19時に夕食と共に缶ビール350ミリを2本飲酒しました。行動からすると飲酒終了から乗務開始予定時間まで13時間50分で、オペレーション・マニュアルの制限時間に抵触しないものの、「12時間以前でも乗務に支障を及ぼす飲酒をしてはならない」に抵触すると、JACは見解を示しています。
検査機器も正常で、健康な成人男性が飲酒した場合、缶ビール2本分はおよそ3時間で分解されることから、機長の証言での飲酒量、飲酒終了時間の信憑性が疑われるとの推定も記載しています。ただし、本人の体調やストレスなど個体差があり、これを十分に把握していないとし、JACではこれらの点を踏まえた再発防止策が必要との認識です。
今回の事案を受け、呼気中のアルコール濃度の基準値「0.1mg/L」を運航規程などに明記し、基準値以上のアルコールが感知された場合の罰則と取り扱いを明確にします。安全と規程遵守に対する意識の向上、アルコールに関する知識の再徹底、アルコールに関する個別ケアの実施を検討します。
なお、JACは11月28日(水)の事案を受け、一時的に乗務開始24時間前以降の飲酒を禁止、ステイ先での飲酒を禁止する暫定措置を実施しています。