柏で発生のR22事故、慣熟訓練中の機長が風見効果に修正操作できず横転

柏で発生のR22事故、慣熟訓練中の機長が風見効果に修正操作できず横転

運輸安全委員会は2019年1月31日(木)、2018年7月に柏市で発生したR22の横転事故について、調査報告書を公表しました。

これは個人所有のR22、機体番号(レジ)「JA7980」が7月8日(日)13時35分ごろ、千葉県柏市内の場外離着陸場で、連続離着陸訓練を実施中、接地後に横転した事案です。JA7980の回転翼は損傷し、当該機は航行できなくなりました。

報告書は、「JA7980」が地上滑走中に右からの突風を受け、風上の方向に機首が向こうとする強い風見効果が発生し、右に偏向した機体に対して適切な修正操作を機長ができず、横転したとみています。

当時、機長は慣熟訓練のため右席、事業用操縦士の免許を有する同乗者が左席に搭乗し、同乗者が機長を支援しており、風見効果を受けて左ペダルを踏み込む所、サイクリック・スティックを左に傾けたとみられます。同乗者はこの不適切な操作を防ごうとしたものの、機長が強く握ったため、同乗者の操作が妨げられたとみています。

なお、「JA7980」はこの事故を受け、胴体フレームやメインローター・ブレードを損傷し、テールローター・ブレード、着陸装置などを破断した中破の状態で、2018年8月14日(火)付けで抹消登録されています。

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