帝人、米レネゲードを買収 航空・宇宙向け高耐熱熱硬化プリプレグを強化

帝人、米レネゲードを買収 航空・宇宙向け高耐熱熱硬化プリプレグを強化

帝人は2019年2月27日(水)、航空・宇宙用途向けに高耐熱熱硬化プリプレグを製造・販売するアメリカのレネゲード・マテリアルズ・コーポレーション(Renegade Materials Corporation)の全株式を取得し、完全子会社にすることを決定しました。

レネゲードは、1993年創立の樹脂メーカーを母体に、2007年に設立された航空・宇宙用途向け高耐熱熱硬化プリプレグメーカーで、特に耐熱性樹脂について高いノウハウを有しています。技術的に難しい低毒性原料を用いたポリイミド樹脂から高耐熱性と熱サイクル耐性に優れるプリプレグを製造できる特徴があり、欧米などの航空機メーカーや航空機エンジン関連メーカーなどから高い信頼と採用実績を得ています。

この買収により、エンジン部材などへの適応が可能で、未来の最新鋭の航空機に向けたラインナップとなる高耐熱性プリプレグを獲得でき、これまで以上に幅広い潜在ニーズに対応できるようになります。帝人はこれまで蓄積してきた炭素繊維、中間材料のノウハウや評価設備、販売チャネルなどを活用し、レネゲードの製品をより幅広く展開し、航空・宇宙用途向け炭素繊維事業のグローバル展開をより一層強化します。

さらに、サウスカロライナ州に建設中の炭素繊維製造拠点で2020年度中に稼働を開始する予定のテイジン・カーボン・ファイバーズ、テネシー州で炭素繊維販売事業を展開するテイジン・カーボン・アメリカ、ヨーロッパの炭素繊維事業会社のテイジン・カーボン・ヨーロッパと連携し、グローバル市場における対応力強化を図ります。

帝人グループは現在、主要な航空機メーカーが製造する航空機の一次構造材、二次構造材向けに帝人グループは炭素繊維「テナックス」を供給し、トップサプライヤーとしての地位を確立しています。ボーイングとは一次構造材向けに認定された熱可塑性プリプレグなど、将来の最新鋭機向けに新たな中間材料や工法開発に向けた取り組みで合意しています。

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