JAL、整備士のアルコール検査代行で陳謝 防止策で確認を第三者へ委託

JAL、整備士のアルコール検査代行で陳謝 防止策で確認を第三者へ委託

日本航空(JAL)は2019年3月7日(木)、JALエンジニアリング(JALEC)福岡空港整備部の整備士が、社内ガイドラインで義務付けるアルコール検査を本人以外の別人が不正に実施していたことが発覚、これについて陳謝しています。

この事案は1月19日(土)、整備士Aが始業前にアルコール検査器の予備器で数回検査したところ、0.08ミリグラム/リットル(mg/l)から0.10mg/lを検知しました。始業前に規定値0.10mg/lを下回ったことが確認されましたが、アルコール検査器による検査で規定値を越える恐れがあることに不安を感じ、立ち合い確認する立場のスタッフに代行を依頼し、検査が実施されたものでした。整備士Aは当日、計6便の発着便に立ち合っています。

当該の整備士Aは前日23時頃まで、別の整備士Bと飲酒しており、Bは始業前のアルコール検査で1回目、2回目に規定値を越え、時間をおいて実施した3回目で規定値未満となりましたが、上司の指示で業務に従事していません。Bから報告を受けた上司がAにもヒアリングした結果、1月20日(日)にAは代行検査の事実を認めています。

JALは再発防止策として、酒精飲料の飲酒量の目安を記載した携帯カードの配布を2月18日(月)までに完了しています。また、同日までに国内と海外全支店への運用状況の健全性の確認を実施したほか、2月28日(木)までにアルコール検査の重要性について再周知と運用徹底を完了しています。さらに3月5日(火)から、段階的にアルコール検査の確認方法として、確認者をJALグループ外の第三者へ委託しました。

この事例では、整備士A、アルコール検査の代行者、報告漏れを生じさせた上司は、JALECの社内規定に基づき処分が下されています。JALの赤坂祐二社長は、月額報酬の20%を1カ月分自主返納、JAL整備本部長(兼)JALECの北田裕一社長は、月額報酬の10%を1カ月分自主返納しています。

JALは、「重なる飲酒に関連した不祥事で、迷惑をおかけしましたことを重ねて深くお詫び申し上げますとともに、再発防止に向けた取り組みを徹底してまいります」とコメントしています。

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