富山空港の滑走路使用中に着陸した事案、管制官にリマインダー使用を徹底

富山空港の滑走路使用中に着陸した事案、管制官にリマインダー使用を徹底

運輸安全委員会は2019年3月28日(木)、富山空港に朝日航洋のAS332Lが滑走路使用中、着陸した事案について、調査報告書を公表しました。

この事案は2018年7月9日(月)13時38分、福井県の坂井市内場外離着陸場を離陸した朝日航洋のAS332L、機体記号(レジ)「JA9690」が、14時5分に富山空港に着陸した際、滑走路上に滑走路点検中の車両がいたものです。

報告書は、管制官が滑走路点検中の車両を失念したまま、「JA9690」に対し滑走路への着陸許可を発出し、機長が滑走路上の車両に気付かなかったことで、滑走路へ着陸したとみています。

管制官が車両を失念したまま着陸許可を発出したことは、着陸許可を発出する際に、滑走路全体の目視確認を適切に行わなかったと考えられ、滑走路点検車両の進入に伴うリマインダーを使用しなかったことが原因とみています。

「JA9690」の機長が滑走路上の車両に気付かなかったことは、着陸前の目視確認が、滑走路進入端から着陸地点付近に偏っていたこととみています。

再発防止策として航空局は、全国の航空管制官に対し、リマインダーの工夫と適切な使用の徹底や、滑走路周辺のインシデントを防止するための啓蒙ポスターを作成を実施しています。また、富山飛行場管制所では、滑走路使用禁止に関連するリマインダーを飛行場管制席と副管制席で使用するほか、管制技術交流会で意見交換を実施しています。

朝日航洋では、操縦士に対し、滑走路や最終進入コースのクリア確認を確実に実施するなどの注意喚起を実施しています。

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