松山空港、国際線利用促進に潜在力発揮の余地あり いよぎん研究センター

松山空港、国際線利用促進に潜在力発揮の余地あり いよぎん研究センター

松山市のいよぎん地域経済研究センターは2019年5月29日(水)、松山空港の国際線の利用促進に向けた調査「地方空港の国際線の現状と今後の方向性」を取りまとめ、発表しました。

これによると、松山空港の2018年度の乗降客数は2019年2月まで約9.2万人と前年度を大きく上回っています。ソウル・仁川線の増便や台北線の誘致などにより、「訪日誘客支援空港の認定等に関する懇談会」で最高のSランクの評価を受けています。松山空港の国際線の利用者は7割がインバウンドで、地域活性化の鍵を握る存在となっています。ただし、地方空港間の国際線誘致競争は激しさを増し、持続的かつ安定的な路線の維持、拡大にはアウトバウンドとのバランスが必要との認識を示しています。

しかし、航空機で海外への渡航経験がある愛媛県内在住者を対象にアンケートを実施したところ、「利用したい路線がない」として、松山空港の国際線利用は全体の32.4%に留まっています。松山空港では2019年4月時点で、チェジュ航空がソウル・仁川へ週3便、中国東方航空が上海・浦東へ週2便を運航しており、7月にらはエバー航空が松山/台北・桃園を開設します。

近隣の空港では、高松空港が県を中心に国際線の振興に取り組み、2018年の民営化を機にさらなる国際線の拡充、ターミナルビルのリニューアルや二次交通の充実を図り、アウトバウンドが多い広島空港は、中国四国地方で唯一、シンガポール線を有しています。九州では各県が連携し、相互の空港を利用する周遊旅行を促進する動きがみられ、差別化を図っています。

これらを受け、松山空港が国際化を推進するには、(1)実需の喚起など「航空実需の創出と差別化」、(2)継続したインバウンドのPR活動に加え、修学旅行や社内旅行などの機会を創出しアウトバウンド利用促進を図るなど「ターゲットの明確化」、(3)外国人旅行者数の増加を目指し、四国や瀬戸内圏域で「空港間の広域連携体制の構築」の3点が必要と指摘しています。こうした考察から、いよぎん地域経済研究センターは松山空港の国際線は潜在力を発揮する余地がまだあると結論づけています。

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