F-15J滑走路誤進入、第9航空団が再教育や那覇の特性に合わせ対応

F-15J滑走路誤進入、第9航空団が再教育や那覇の特性に合わせ対応

ニュース画像 1枚目:F-15JとJA84RCの距離、事故報告書より
© 運輸安全委員会
F-15JとJA84RCの距離、事故報告書より

運輸安全委員会は2019年7月25日(木)、那覇空港での航空自衛隊のF-15戦闘機と琉球エアーコミューター(RAC)による重大インシデントの報告書を公表しました。この事案は2018年6月14日(木)、空自F-15戦闘機の2機編隊がスクランブル発進のため、滑走路に侵入、着陸許可を得ていたJA84RCと最短で2,450メートルと、ICAOによる判定ツールで衝突回避の十分な時間/距離があるインシデントに相当するカテゴリC相当でした。

報告書によると、1番機「52-8850」と2番機「32-8818」の隊員は、自衛隊機専用滑走路を備えた基地から一時的な異動で勤務しており、編隊長は那覇でのアラート任務は初めて、2番機機長も2度目と経験が浅く、アラート格納庫からの緊急発進も初めてでした。

編隊長と2番機機長ともタイムプレッシャーの下で夜間の地上走行に多くの意識が向き、那覇空港の灯火設備などの環境に慣れず、那覇基地の無線交信等の運用を十分習得しておらず、航空管制官の指示を思い違いしたと見られます。

今回の事案を受け、第9航空団は再発防止策として、管制指示、承認、許可の確実な聴取と復唱、確認、人的要因に関する再教育などを実施しています。また、交信連携要領の再徹底や「HOLD SHORT OF RUNWAY」の復唱追加、夜間のアラート格納庫周辺の実地調査と地上運用の教育補強、管制指示違反に関する過去の事例の徹底した再教育を実施しています。

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