JAXAとソニーCSL、「きぼう」で長距離光通信の実証実験開始へ

JAXAとソニーCSL、「きぼう」で長距離光通信の実証実験開始へ

ニュース画像 1枚目:SOLISSシステムFM
© JAXA/SONY CSL
SOLISSシステムFM

宇宙航空研究開発機構(JAXA)とソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)は、2019年7月29日(月)、将来の衛星間や地上との大容量リアルタイムデータ通信の実現に向けた実証実験を開始すると発表しました。

この実証実験では、共同開発した小型衛星光通信実験装置「SOLISS(Small Optical Link for International Space Station)」を、9月11日(水)に打ち上げ予定の宇宙ステーション補給機「こうのとり」8号機で、国際宇宙ステーション(ISS)に送り届けます。その後、「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームを利用して軌道上実証を実施します。なお、この実証実験は2019年度中に完了する予定です。

両者は、2016年から光ディスク技術を利用した精密指向制御技術による長距離空間光通信技術の近距離での光通信実験を行っています。軌道上での長距離光通信試験は、ISSの「きぼう」船外実験プラットフォームに設置されている中型曝露実験アダプター(i-SEEP)にSOLISSを設置し、1,550ナノメートル帯のレーザーを利用して地上との通信試験を行います。

SOLISSの光通信部は、CDやMD、DVDなどソニーが研究開発してきた光ディスク技術を用いており、高精度、低消費電力、小型で量産が容易であることが特徴です。SOLISS内部に内蔵された、光ディスク技術を用いた小型の光制御機構は双方向通信が可能で、Ethernet規格を利用した接続で、宇宙でも地上のネットワーク同様に取り扱うことを想定したものとなっています。搭載されているモニタカメラで撮影した写真はISS経由のみならず、SOLISSの光通信を利用して地上に送ることも可能です。

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