運輸安全委員会、2018年の滑空機のハードランディングで調査報告

運輸安全委員会、2018年の滑空機のハードランディングで調査報告

ニュース画像 1枚目:JA2152の離陸時の滑走路
© 運輸安全委員会
JA2152の離陸時の滑走路

運輸安全委員会は2019年8月29日(木)、2018年12月に埼玉県熊谷市の妻沼滑空場で発生した、滑空機のハードランディングについて、調査報告書を公表しました。

これは2018年12月9日(月)、学校法人学習院所属のアレキサンダー・シュライハー式ASK13、機体番号(レジ)「JA2152」が妻沼滑空場からの発航中、浮揚後に発航を中止した際、ハードランディングで機体を損傷、搭乗していた学習院航空部の操縦練習生が重傷を負った事案です。

報告書では「JA2152」が、1,000メートル程度に伸ばしたロープでグライダーを一気に加速させ、凧のように上空へ上昇される「ウインチ曳航」を利用していましたが、発航中に通常の上昇姿勢に移行できませんでした。これを受け、発航を中止し、低高度で過大な機首下げ姿勢となり、ハードランディングで機体が損傷、練習生が負傷したものとみています。

「JA2152」が低高度で過大な機首下げ姿勢になったことは、浮揚した直後から操縦桿を押す操作が過大になり、機首上げを抑える効果が大きく働いたとみています。なお、この事故で学習院航空部は再発防止策として、ウインチ曳航中の緊急事態に対処する訓練や、実技訓練の体制整備、単独飛行前の技量確認などを実施しています。

メニューを開く