イギリスの旅行会社で、世界最古の旅行代理店のトーマス・クック・グループは2019年9月23日(月)、破産を申請しました。中国企業からの資金援助を獲得していたものの、さらに条件が厳しくなり、その合意に至らずに裁判所への破産申し立てとなりました。これに伴い、グループで運航する航空会社も運航停止となっています。
イギリスを拠点とするトーマスクック・エアラインズは、全ての運航をキャンセルしています。これを受け、海外にいる150,000人の旅客をイギリスに戻すため、イギリス民間航空局(CAA)が対応方針を発表しています。ヴァージン・アトランティック航空はCAAと連携し、キューバ、ジャマイカ、アメリカで影響を受けた旅客を予定通りに帰国できるように、定期便の利用を割り当てています。
CAAは9月23日(月)から10月6日(日)までの2週間、特別プログラムを展開する計画で、同様に航空会社も保有し破綻したイギリスの旅行会社モナークの2倍を超える旅客に対応します。すでにCAAは、世界各地の航空機をチャーターし、乗客を英国に帰国させています。
ベルギーを拠点とするトーマスクック・エアラインズ・べルギーについても、運航を受託するブリュッセル航空は、支払い期限が履行できていないとし、チュニジアのアンフィダやジェルバを結ぶフライトはキャンセルすると発表しています。また、ユーロウィングスはトーマス・クックでの予約客について、9月24日(火)までの帰国には対応するものの、その他出発などについては、予約通りの対応はできないとしています。
なお、トーマス・クック・グループと資本関係のあるコンドルは、通常通りの運航を継続しています。