スペースジェット、試験飛行の現場はONE TEAM

スペースジェット、試験飛行の現場はONE TEAM

ニュース画像 1枚目:モーゼスレイクの14L/32R滑走路を14Lから地上滑走するM90
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モーゼスレイクの14L/32R滑走路を14Lから地上滑走するM90

三菱航空機は2019年12月10日(火)、モーゼスレイクで実施しているスペースジェットM90の試験飛行の一部を公開しました。現在、モーゼスレイクには4機の試験飛行機が所在し、2020年に10号機と7号機の2機を加え、11号機を名古屋に置き、試験飛行を進め、型式証明(TC)の取得に至る道筋は変わっていません。

試験飛行は、3月からTCテストを開始しています。これとともに、三菱航空機が成熟性を高める目的で実施する独自のカンパニーフライトを含めM90は3,400時間を突破し、ほぼ3,500時間に近づいている段階にあります。すでにモーゼスレイクに所在する4機ともTCフライトができる仕様に変更され、さらなる納入延期の観測もある中、試験飛行の現場では2020年前半のTC取得に向けて準備が進められています。

米国三菱航空機社長で、モーゼスレイクのフライトテストセンター(FTC)長の岩佐一志氏は、スペースジェットに適用されるかは分からないものの、アメリカ連邦航空局(FAA)と航空の安全に関する相互承認協定(BASA)の適用、あるいはBASA適用でない場合でもJCABの認証を得れば早期にFAAのTC獲得の可能性もあるとの見方から、安全を最優先にしつつ早期のTC取得に向け最善の取り組みを継続しています。

岩佐氏によると、カンパニーフライトは9割ほどの段階と機体の成熟性は高くなっており、TC獲得に向けた重要な時期に入りつつあります。具体的なテスト項目は着氷、吹雪環境、霧凍結環境(Freezing Fog)、エンジン、APU、燃料、アビオニクス、エンジンAPU高高度、酷暑・高湿度環境、防氷機能試験などを実施しており、3月にTC試験を開始後、一定程度の頻度を保ちながら進んでいます。

10号機のモーゼスレイクへの配備が遅れているものの、試験を実施する現場ではその遅れ解消する努力が行われています。FTCの全員にラグビーワールドカップでも注目されたミッション、ビジョン、行動指針を具体的にした「ONE TEAM」を説明し、格納庫をはじめ、オフィスにも掲示するなどスタッフが1つの方向に向かって全力で取り組むムード作りがなされています。

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