カナダのトルドー首相は2020年1月9日(木)、1月8日(水)にテヘランを離陸したウクライナ国際航空のPS752便が墜落した事故について、イランの地対空ミサイルが撃墜した可能性が高いと発表しました。アメリカの報道各社も同様の見方を報じています。トルドー首相は、同盟国と緊密に情報を交換しているとコメントし、この撃墜が意図的か否かの結論は慎重に分析が必要とその判断を留保しています。
墜落した機体記号(レジ)「UR-PSR」は、2016年6月に初飛行、ウクライナ国際航空への引き渡しは2016年7月、事故前の最後の定期メンテナンスは2020年1月6日(月)に実施されています。トルドー首相は、記者などの質問から地対空ミサイル撃墜は初期段階の見方としつつ、その詳細な情報は避けています。また、イラン当局は事故機に搭載され、事故原因を追求する手段となるブラックボックスについて、ボーイングやアメリカ、カナダ側の調査当局への引き渡しを拒否している状況です。
ウクライナ国際航空は、2020年1月8日(水)にテヘラン発キエフ行きPS752便がエマーム・ホメイニー国際空港を離陸後、墜落したと発表しました。同社の初期段階の確認によると、テヘランの離陸時間は現地6時10分、この便にはパイロットが3名、客室乗務員6名が乗務していました。
ウクライナ国際航空は、パイロットの熟練度と緊急時の対応能力を評価することを目的に、テヘランを発着する定期便を利用し、訓練を実施してきたと説明し、この便でも3名により同様の運用が行われたとしつつ、2,400メートルまで上昇しており、乗務員の経験値から、何らかの不正な操作などにより墜落に至った可能性は極めて小さいとしています。